艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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私の気持ち

「さてと今日のお仕事は終わりかな!

そろそろ寝ないとなぁ……」

 

 

時は流れ昼間古鷹はこの鎮守府に残ることを選び仕事を終え夜になっていた

古鷹は一人廊下を鼻歌を歌いながら歩いていると廊下の壁に一人の艦娘が立っていた

 

 

「……叢雲?どうしたの?こんな時間に…」

 

 

「………貴女を待ってたのよ古鷹」

 

 

古鷹を待っていた叢雲は壁から離れると古鷹に近付き立ち塞がる

 

 

「え?私を?

……叢雲らしくないね、こんな時間に?

あー!まさかエアさんの擬態!?

もう!からかうのは!!」

 

 

「………………いつまで隠すつもり?」

 

 

 

「……………何の事、叢雲?」

 

 

突然言われた叢雲の発言に頬を掻きながら焦っていると叢雲は古鷹の頭を小突く

 

 

「……嘘禁止、言ったわよね?」

 

 

「…………駄目だよ、叢雲

それ以上は駄目

私があの人を求めてはいけないの分かるでしょ?」

 

 

古鷹は叢雲の隣を歩いていこうとするが叢雲は行く手を遮る

 

 

「何で?貴女に資格がないから?

私達に救って貰ってばかりだから?」

 

 

「…………そうだよ、私は二人に救われてるんだよ

私なんかが求めちゃいけない

あの人の重荷に、更に大きな枷になるわけにはいかないの

だから駄目だよ」

 

 

古鷹が微笑みながら言うが叢雲は指を指しながら怒る

 

 

 

「……嘘つき、馬鹿古鷹」

 

 

「………何で、叢雲にはバレちゃうのかな?」

 

 

「あんたの相棒だからよ

私の相棒(バディ)は佐渡

そして貴女の相棒(バディ)でもあるのよ私は」

 

 

「……うん、さっきの事があってね

青葉の事があってね

…どんどん大きくなってるんだ

抑えきれないほどにどんどん……

気持ちが…想いが……どんどん…

こんなこと私は求めちゃいけないのに…

私なんかが求めちゃいけないのにどんどん大きくなってね……

ねぇ、私はどうすれば良いの?叢雲…」

 

 

 

叢雲に詰め寄られながら小刻みに古鷹は震えていると叢雲は頭を撫でる

 

 

「貴女の好きにすれば良いわ

どんなことになっても私は貴女の味方よ

安心しなさい、アイツが貴女の思いを蔑ろにする様な奴じゃないこと位分かるでしょ?

 

私と共にアイツの背中を見て共に歩いてきたんだから」

 

 

「………良いのかな、私なんかが求めて?」

 

 

「良いと思うわよ、と言うか古鷹何でそう言うところ勇気出せないのよ……

そう言うところよ貴女の悪いところ」

 

 

叢雲にバッサリと言われてしまい古鷹は乾いた笑いをすると頬を掻く

 

 

 

「あはは……ごめんね叢雲

いつも背中押してもらっちゃって」

 

 

「何を今更言ってるのよ

全く世話の掛かる娘

でも、良いわよそれでこそ古鷹なんだもん」

 

 

「ありがとう……行ってくるね!」

 

 

「えぇ、想いを打ち明けてきなさい

アイツなら屋上に居るわ

多分感傷にでも浸ってるんじゃない?」

 

 

叢雲に背中を押され走り出そうとしていた古鷹だが振り返ると叢雲に飛び込む

 

 

「叢雲ー!!」

 

 

「な!ちょっと何よ!?

突然!!」

 

 

「私は叢雲も大好きだよ!!

ありがとう!いつもいつも!私の事を守ってくれて

助けてくれてありがとう!!」

 

 

それだけを言うと古鷹は満面の笑みを浮かべながら走り去っていき叢雲は溜め息を付くと廊下を歩いていくと

 

 

「良いの?」

 

 

「居たの?エア」

 

 

「まぁね~

佐渡との話の帰りよ」

 

 

いつの間にかエアが立ち聞きをしていたらしく叢雲の頭を軽く叩く

 

 

「良いのよ、そうじゃないと張り合いがないもの」

 

 

「ふふ、貴女達の戦いを見るのも楽しいけどあんた敵をわざと作ってるのはどうなの?」

 

 

「馬鹿ね、誰にも平等にチャンスは訪れる

それを潰してまで勝っても面白くないわ

私は平行に戦いたいのよ

それに……古鷹は仕方ないんじゃないかしら?

あの娘ずっと遠慮してたしね」

 

 

叢雲が笑っている姿を見るとそれが本音であり本心から言ってることに気付いたエアは叢雲の後ろを歩いていく

 

 

「ねぇ、あんたがアイツに惚れたのいつなの?」

 

 

「ふーん、そこ聞くの?エア?」

 

 

「良いじゃない教えてよ?」

 

 

エアの質問に叢雲は振り返りながらニカッと笑う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めて会ったときよ

アイツと会って共に戦場を駆け抜けて終わった頃には惚れてたわ」

 

 

 

 




次回

前に進め、己の心ままに


叢雲に背中を押され古鷹は佐渡の元へと向かっていく
絶望に落ちていた少女は前を向き想いを伝える


藤谷の親父が逮捕されて古鷹の罪が完全に海軍から消され一件落着ですねぇ


え?拷問官と藤谷達佐世保の連中?
………もう少しお待ちください(ニッコリ)


叢雲の過去編はまだ先になります!
最強の駆逐艦は絶望に抗う為に死神に力を求めるお話ですかね?
長門編で少しだけ見せましたけどガッツリ書きたいとも思ってます!



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