艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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再びの古鷹目線のお話です!
今回の話は彼女が全てを終わらせた話になります!
全てが終わり彼女は何を見るのでしょうか?





悪夢の先

私は目を覚ますと再び真っ暗な世界に居た

そしてまたあの声が私を苦しめる

でも今回は違う今回は……私を苦しめるだけの声

 

 

 

『いい加減罪を認めろ!!犯罪者!!』

 

 

『そうだ!この裏切り者!!早く認めろっての!!』

 

 

ちがう!私はやってない!

信じてよ!!私はやってないの!!

 

 

 

『あ、そうだこれも試しあげるねぇ!

大丈夫どうせ君は艦娘何だからハハハ!!』

 

 

『今日は脚を切り落とそうね!!

あ!両手とお腹も切ろうかなあ!!』

 

 

辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて!!!!

痛いのは嫌痛いのは嫌痛いのは嫌痛いのは嫌痛いのは嫌ぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

『……哀れだな艦娘古鷹

 

お前がやった罪は重い

 

私がもう貴様を殺してやろう』

 

 

 

 

 

『ーーさんやっさしー!

 

犯罪者に情けなんて素晴らしいですね!』

 

 

 

 

 

(違う!!私じゃない!!何で何で何で!!)

 

 

 

 

 

 

 

『お前がやったんだろ!!嘘をつくな!!』

 

 

 

 

 

『犯罪者め!早く死ね!!』

 

 

 

 

 

『消えろ!!お前は海軍の汚点だ!!』

 

 

 

『そうだ!!消えろ!艦娘風情が!このクソ重巡がぁ!!』

 

 

 

(何でよ……私じゃないのに…助けてよ………誰かぁ……

 

 

誰かぁ!!助けてぇぇぇぇぇ!!

私は!私は!!!!)

 

 

 

黒い人影が私を殺そうとしてくる

死ねと言う言葉を言ってくる

私は少しずつ沈んでいく

深い 深い 深い 海の底へ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あぁ、お前はなにもしていない』

 

 

『助けに来たわよ貴女を』

 

 

その瞬間私の両手を誰かが引っ張りあげるとしっかりと掴む

その二つの黒い人影はそれだけを言うとニヤリと笑い他の黒い人影に向けて武器を構え撃ち抜いていく

 

 

 

(……誰…貴方達は?)

 

 

 

藤谷さんでも加古でも衣笠でもない青葉でもない

佐世保の人ではない

だからと言って大本営で会ったこともない人影

分からない、この二人が誰なのか

 

 

『行くぞ!古鷹!』

 

 

『ちゃんと付いてきなさいよ!』

 

 

二人の黒い人影は私の両手を取りながら走っていく

どれだけ離れそうになっても何度も力を入れ直し手を繋いで真っ暗な世界を迷いなく進んでいく

 

 

(ま!待って!貴方達は誰なの!?

何で、私を助けるの!?

ねぇ!)

 

 

『助ける理由なんてねぇよ!』

 

 

『私達はやりたいことをやるだけよ!!』

 

 

 

 

 

二人の黒い人影の言葉が聞いたことがあるような気がした

でも誰かにそんなこと言われたことも無い

 

 

 

 

 

 

それでも、何故か心が胸が暖かい

 

 

 

 

 

 

引っ張られながら真っ直ぐに走っていくと目の前が少しずつ明るく綺麗になっていき光が見える

眩しくなっていくと言うのにその二人の姿は何故か黒いまま

 

 

 

そして二人に引っ張られ真っ暗な世界から脱出するとそこは光で眩しく見えない

しばらくするとその先に人影が六つ程見える

 

 

手を取られながら私は光に目を馴らせるとそこは鎮守府だった

でも佐世保じゃないどこかの鎮守府

 

 

そして六つの人影は一言ずつ私に声をかけると一人ずつ姿をしっかりと写していく

 

 

「古鷹さん!どこ行ってたんですか?探しましたよ?」

 

 

「古鷹ー!探しましーたヨ?

どこいってんたんデースか?」

 

 

「古鷹さん!探したよ!どこ行ってたの?

洗濯まだ終わってないんだから!ぱっぱと終わらせよ!?」

 

 

「古鷹!探したぞ、アトミラールを探すのを手伝ってくれないか?」

 

 

「古鷹~?どこ行ってたのよ?

まさか佐渡に何かされたの?良し!アイツをまた嵌めてやらないと!」

 

 

 

「古鷹!どこ行ってたんだ!!心配したぞ!

怪我は無いか?何かあったのか!?」

 

 

 

……知ってる…私はこの人達を……

私は……

 

 

そして黒い人影は笑いながら私の横を通りすぎていく

  

 

「私は貴女を守るわ、どんな敵からもどんな化け物からも私は絶対に貴女を守る

任せておきなさい

貴女は私の相棒(バディ)何だから!」

 

 

叢雲……私を絶望から助け…ずっと守ってくれている艦娘

誰よりも強く美しく気高い雷撃姫

その強さで皆を守る小笠原のエース

 

 

「この鎮守府はお前達の為に作る

全ての疲れた艦娘達の休憩所にして助け出す場所

そしてその一号はお前だ古鷹

君の命は俺が預かった、だから死ぬことは許さん

だが責任は持つお前が笑いここに来て良かったと幸せだと思う鎮守府を俺達は作っていく

だからお前は安心して俺達に守られてろ

ここではお前は自由だ古鷹」

 

 

佐渡さん……私を絶望と失意から救いだし新たな希望と生きる意味を教えてくれた提督

 

その言葉に偽りは無く何もかもを現実にし走り続けこの鎮守府で様々な人達に好かれている凄い人

そして、私の愛しい人

 

 

「「さぁ、行こうぜ古鷹!」」

 

 

二人は手を差し出す

私はその手を取ろうとするが佐世保の事が気になり後ろに後退りしてしまう

だがいきなり誰かに背中を押され無理矢理前に出る

そして後ろを振り返ると青葉が背中を押していた

 

 

「古鷹さん、貴女は幸せになるべきです

私達は貴女を裏切りました

それでも貴女は私達を許してくださいました

だから私達はもう大丈夫です

これからは貴女の幸せを掴んでください私達は」

 

 

青葉だけだと思っているとその後ろで藤谷さん達が申し訳なさそうにしているが笑い手を振っている

 

 

 

「「「「貴女に幸せになってほしい!!

だから、進んで!貴女の選ぶ道を!真っ直ぐに!!」」」」

 

 

その言葉に背中を押され私はゆっくりと二人の手を取る

すると二人は笑いながらその手をしっかりと掴み再び走り出す

 

 

 

皆が待っている小笠原(我が家)

 

 

 

「ただいま!!皆!!!」

 

 

「「「「お帰り!古鷹(さん)!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………夢?」

 

 

ふと私は目が覚めてしまいゆっくりと布団から起き上がると何か重いものがあることに気付き暗い部屋の中目を凝らしてみる

 

 

「……ぁ………み……んな……」

 

 

それは小笠原の全員であった

提督が急遽取ったホテルで寝ていた

一室しか取れなくてしかも布団も無かった為皆で寝ていたのだが何故か皆が古鷹に集まっていた

 

 

「…………………手……」

 

 

古鷹の両手は誰かに掴まれておりそれを確認すると右手に佐渡、左手に叢雲が掴んでいるがその上から皆が手を掴んでいた

全く動かせないほどに重ねられた手を見て体温を感じていると古鷹は涙を溢す

 

 

「う………うぅ……皆…放さないんだね……

ありがとう……私何かの……手を取ってくれて……捨てられるはずだった……手を取ってくれて………ありがとう…ありがとう………うぅぅ……」

 

 

小笠原の絆と優しさ、それを直に感じなから古鷹の悪夢は終わりを告げた

彼女を救ったのは小笠原の絆と仲間達であり古鷹はこれを絶対に守ると静かに決意した

 

 




次回

もう一人の影


まだまだ続くよ!
もうこれ古鷹ルートで良くね?(真顔)
古鷹さんメインヒロイン説

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