艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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逃亡者

時は進み現在の時刻 0830

ここは横須賀沖の近海でありある艦隊が哨戒任務を終え帰投しようとしていた

 

 

「では!本日の哨戒任務を終了致します!

皆様!お疲れ様でした!」

 

 

「「「「お疲れ様です!」」」」

 

 

旗艦である、駆逐艦が全員に挨拶を終え少し毛延びをしていると後ろから一つの艦隊が近づいてくる

 

 

「あー!朝潮さんだーお疲れ様だよー!」

 

 

「あ、阿賀野(あがの)さん!お疲れ様です

哨戒ですか!」

 

 

「ううん!調査!東雲さんに言われてちょっと遠くまでね!

あー……お腹空いた……」

 

 

「ちょっと阿賀野姉!さっきおにぎり食べたじゃん!?」

 

 

朝潮に阿賀野近付くとお腹を擦っておりその後ろからは、酒匂(さかわ)矢矧(やはぎ)能代(のしろ)大鳳(たいほう)伊勢(いせ)の艦隊が朝潮達と合流する

 

 

「えー……あれだけじゃ足りないよー……」

 

 

「いや!阿賀野姉、6個も食べたじゃん!

まだ食べるつもり!?」

 

 

「うん!まだまだ行けるよ!」

 

 

「全く……貴女はどれだけ食べるんですか…」

 

 

「阿賀野さんは相変わらずだね……」

 

 

阿賀野の食欲に矢矧意外が呆れておりその間矢矧は朝潮に近づき敬礼をすると朝潮も敬礼をする

 

 

「お疲れ様です、朝潮さん

そちら本日如何でしたか?」

 

 

「お疲れ様です、矢矧さん!

こちらは全く異常無しです!

そちらは何か掴めましたか?」

 

 

朝潮の言葉に矢矧は首を横に振るう

それを見た朝潮は残念そうな顔をする

 

 

「やっぱり……ですか…」

 

 

「はい、やはり奥には行けませんでした

大元帥が調べている『例の姫』はやはりかなり奥地に居ると思われます

……やはり縄張りと言うだけですね、かなり強力な艦隊ばかりで前に進めません…後ニ、三艦隊は欲しいですね……」

 

 

「……飛行場姫の縄張り…やはり一筋縄では行きませんか…」

 

 

危険海域にして飛行場姫が統べている巨大海域

太平洋全域を閉め飛行場姫の艦隊が常時警戒しているため多くの深海棲艦と遭遇する

 

 

「……後で大元帥に怒られるのを覚悟しておきましょう

 

 

「だ、大丈夫ですよ!提督も言ってましたけど東雲大元帥はそこまで悪い人じゃないですから!!」

 

 

「そうだよ、矢矧!また謝れば許してくれるよ!!」

 

 

「わ、私達も謝るからさ!」

 

 

「あの人の希望に答えられないので私の責任よ……

でもありがと姉さん、朝潮さん」

 

 

矢矧は肩を落としながら撤退しようとすると大鳳と朝潮の艦隊に居る雲龍が何かを察知したのか太平洋方面へと顔を向ける

 

 

「……?どうかしましたか?雲龍さん?」

 

 

「…………何かこっちに来る」

 

 

「…数は?」

 

 

「……1……いや!21!!しかも!艦娘が深海棲艦に追われてる!!」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

 

大鳳の言葉に全員驚き矢矧は声を荒げる

 

 

「大鳳!案内して!」

 

 

「了解!」

 

 

「姉さん!皆行くわよ!!」

 

 

「オッケー!」

 

 

「雲龍さん!私達も行きますよ!!

朝潮艦隊!全艦突撃!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

朝潮と矢矧は艦隊を引き連れ大鳳と雲龍の案内を頼りに全速力でその追われている艦娘を救うべく走り出す

 

 

「大鳳!どれぐらいで会敵(コンタクト)する!?」

 

 

「遠いですが後、五分程で!」

 

 

「艦隊全速力よ!飛行場姫の縄張りからの帰還者となると!どこかの攻略艦隊の生き残り!死なせるわけにはいかない!!

気を引き締めて行くわよ!!」

 

 

「了解!」

 

 

「分かったよ!!」

 

 

しばらく矢矧達は航行を続けていくと水平線の向こう側から水柱と煙が見える

 

 

「敵艦隊!見ユ!!」

 

 

「大鳳!艦載機を飛ばして!奴等から制空権を奪って!

伊勢!あの娘をお願い!!

姉さん!能代!酒匂!私達は周りを片付けるよ!!」

 

 

「分かりました!」

 

 

「任せておいて!」

 

 

「オッケー!派手にいっくよぉ!!」

 

 

「腕がなるわねぇ!!」

 

 

「やっちゃおー!」

 

 

矢矧が指示を出すと伊勢が突撃し大鳳が艦載機を飛ばしそれに合わせて雲龍も艦載機を発艦させていく

 

 

「お願い!!間に合って!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう少し………もう少しで………日本に……)

 

 

マックスはかなりボロボロの状態になりながら何とか日本の近海にたどり着いて居たがタンクが破壊され脚の艤装も壊され既に航行自体が危うい状態になっていた

しかも、後ろからはル級やリ級達が血眼になりながら追ってきており最早限界に近かった

 

 

(何か……見える気がするけど…もう……無理…

ごめん……レーベ…私……もう…)

 

 

そんな状態でマックスは後ろからは駆逐艦の攻撃を受けてしまいそのまま海面に倒れてしまい血が海水に滲んでいく

 

 

(あ………逃げなきゃ………日本へ……あぁ……動けない……や…も……う……無……理)

 

 

マックスはゆっくりと瞳を閉じるとル級が主砲をマックスへ撃ち確実に仕留めようとする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やらせないわよ!!あんたたち!!」

 

 

その瞬間マックスに着弾する筈だった砲撃を伊勢が艤装で防ぎマックスはその音に目覚める

 

 

「く……やっぱり飛行場姫の奴等か…かなり痛いじゃないの…貴女!大丈夫!?しっかりして!」

 

 

ぐったりとしているマックスは薄れいく意識の中微笑む

 

 

(あ………あぁ……艦娘………だ……助かっ……た………レーベ…………待って……て……ね)

 

 

伊勢の声を聞いて安心したのかガクンと脱力し意識を手放すと伊勢の前に矢矧達が立ち塞がる

 

 

「この娘は無事よ!!意識は無いけど、息はあるわ!!」

 

 

「了解!ありがとう伊勢!!

全艦隊!伊勢と重症の艦娘を守るわよ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

突然来た救援に驚いていた深海棲艦達であったがすぐに体制を立て直し矢矧達に襲い掛かる

 

 

 

「にしても、この娘……どこの艦娘なのかしら……

日本にこんな艦娘居ないと思うけど…」

 

 

伊勢はボロボロになっている艦娘を抱き抱えようとするとポケットから身分証が落ちそれを持ち上げる

 

 

 

「……嘘…この娘…ドイツの艦娘?

待って!何でこんなところにドイツの艦娘が居るの!?

この娘……何で一人で飛行場姫の縄張りから……」

 

 

更に困惑していながらも何とかその艦娘を守ろうと矢矧達は奮闘する

この結果が大本営に多大な影響を与えるとも知らずに

 

 

 

 

 





次回

小笠原の冬
そして得たもの


古鷹の話と長門が新しく加わった小笠原鎮守府は二度目の冬を迎える
昔と違うのは仲間が増えたと言うこと
そして小笠原全員は……


今回のお話でぶっちゃけ前半が終わります
え?後半があるのかって?
…ありますよ書いてて思ったのはこんなに長くなると思わなかった()

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