しばらくコタツでのんびりとしていると佐渡はコタツの向こう側にぐったりと倒れている人影に気付く
「うん?そこに誰か倒れてないか?」
「うーん?……あぁ長門の事?」
「長門ぉぉぉぉぉ!?」
流石に倒れているのが金剛とかイムヤなら分からなくないが珍しく長門が倒れておりそれに驚いた佐渡は急いでコタツから出ると長門に駆け寄りうつ伏せの状態で長門の背中をゆする
「……その声は佐渡提督か?すまない無様な姿を見せてしまい」
「いや、それはどうでも良いんだけど……どしたの?」
「いや……その…ハハハ…」
「叢雲の特訓を受けたんデースよ
しかも全て」
金剛の言葉を聞くと佐渡は意味を理解し苦笑いをする
「あー…お前…マジであれやったの?」
「……あぁ…やったよ……何だあの訓練…意味が分からん……」
長門が倒れていると金剛が呟く様に訓練内容を言う
「朝四時から小笠原を一周
終わったら筋トレ全て百回ずつ
ご飯後に砂浜でのランニング、その後海上で砲撃練習
次に山登りと崖を命綱無しでの訓練に筋トレ……
それを丸一日とか……ね?何ですかあれ
どれだけ、筋肉を苛めれば良いんですか?」
「……叢雲の動きの理由が分かったよ…あれを簡単にこなすとはとんでもないな…本当に」
「そんでお前はそれをやって?」
「…全身筋肉痛だ、動けないんだ……」
「納得した、コタツ入る?」
「……すまないが、痛くて動けないんだ……引っ張ってくれないか?」
「エアー、金剛ー頼むー」
「「はーい」」
長門は二人に引っ張られながらズルズルとコタツに入れられるとその暖かさを堪能しながら筋肉痛に苦しむ
しばらくのんびりしていると引き戸が開き風呂上がりの叢雲が入ってくる
「あら、ここに居たの?あんた達?」
「お、叢雲か
風呂上がりか?」
「そうよ、イーちゃんと入ってたのよ」
叢雲の足下からイーちゃんが顔を出し佐渡に向けて走り出すと飛び上がり背中にしがみつく
「おー、イーちゃん良い香りがするね~
コタツ入る?」
佐渡がコタツの布団を持ち上げるとイーちゃんは背中から飛び降り警戒するがゆっくりと入っていき丁度真ん中をぐるぐる回るとそのまま丸くなりながら眠る
「はは、まるで猫だな」
「深海棲艦よ、忘れないでよねお馬鹿」
叢雲は佐渡の後ろから頭を叩くと隣に入りイーちゃんに足が当たらないように入ると暖かさを堪能する
「今年は良いわね……昔こんなの設置出来なかったし」
「だなー……あの時は中々に酷かったもんなぁ」
「あ、司令官!私、司令官達が初めて来た頃の鎮守府を聞きたい!」
「それ、確かに私も気になるな
エアも知っているんだろ?」
「まぁねん、と言ってもここが修繕されている様子とはか知らないけどね
佐渡に聞きなさい、私はお風呂を使ってただけだし~」
「じゃあ暇だし話すかぁ
古鷹ー、叢雲ー、補足は頼んだぞ~」
「はいはい」
「分かりました!」
そんなこんなで佐渡達は昔の鎮守府がどうなってたかを話していると外が少しずつ暗くなっているのを確認し佐渡がコタツから出る
「時間か、さてと飯でも作るかぁ……
おい、エア
今日ソラさん達は帰ってくるのか?」
「帰ってくるわよ、多分もう少しじゃないかしら?」
すると廊下から五人の足音が聞こえ居間の引き戸が開く
「ただいま戻りました姫様……と佐渡様方も一緒でしたか!」
「あ、おかえりソラさん
丁度良かった
今晩、ご飯は食べて行くかい?」
「うーん、いえ私達はーーー」
「食ベル!」
「チョット!ソラ食ベマショウヨ!!
私、オ腹ペコペコナンダケド!!」
「ワ、私モ食ベタイデス!」
「私モ!」
「こら!貴女達!」
「ハハハ!良いよ、今夜は鍋だけど大鍋幾つか必要かな?」
「すみません…お世話になります…
あ!後佐渡様!鎮守府玄関前にこんなものが来てましたよ?」
「おん?これって……テレビか?」
「あー!来たのね!それ!!」
叢雲がコタツから飛び出るとソラが持っていたテレビを受け取ると嬉しそうに喜ぶ
「何だ、こんなの買ってたのか?」
「違うわよ、大元帥に頼んどいたのよ
古鷹の事これ以上言われたくなかったらこれぐらい寄越せってね」
「悪どいなお前……」
「この程度で許してやるんだから安いもんよ
イムヤ、大井設置するから付き合いなさい!」
「はいはーい」
「分かったわ」
三人は居間の真ん中にテレビを設置しようとするとαとβがコタツに入ろうと佐渡の横を通り抜けようとするが
「待て、お前達磯臭いままコタツに入るつもりか?」
「ダッテ」
「寒イノ!良イデショ!?」
「風呂に入ってからです、ほら行きますよ」
「「エー!!」」
「また拷問されたいか?」
「「ゴ、ゴメンナサイ!!」」
ソラに低い声で脅された二人はダッシュで廊下を走って逃げるとソラは溜め息を付く
「全く……あ、佐渡様
鍋でしたら私も手伝えると思いますのでお風呂上がりに向かいますね!!」
「ワ、私モ手伝イマス!」
「私モ!」
「そいつは助かるなぁ、何せ人数が多いからなぁ」
「あ、提督!私も手伝いますよ」
「お、マジか頼むわ古鷹!」
「お前らも飯前には風呂に入っとけよなー?」
「「「「はーい!」」」」
佐渡は残っている全員に言うと古鷹と共に食堂に向かい鍋の晩御飯である準備をしにいく
次回
深海棲艦を含めた夜
出掛けていたソラ達も帰投し小笠原は賑やかな夜を迎える
平和そのもののこの島では何も起こらずにのんびりと皆は過ごしていく
何だろう、作者的には凄い日常が書きやすい……