艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大規模作戦

キムチ鍋の日から五日が経過し佐渡達は何故か分からないが大本営に召集がかけられ鎮守府総出で呼ばれていた

 

 

 

「にしても何で俺達が呼ばれたかねぇ……

大井、何か分からねぇの?」

 

 

「………思い当たる節は…まぁいくつか?」

 

 

「…久しぶりだなここに来るのも」

 

 

珍しく、と言うよりは初めて全員が集まり大本営を見上げているが金剛とイムヤは敵意をむき出しにしている

 

 

「………提督ー?ここぶっ壊していいデース?」

 

 

「……司令官、ここにありったけの魚雷撃ちたいわ」

 

 

「辞めんか、そんなことしたら俺でも庇いきれん」

 

 

「あんた達……やるならバレないようにやりなさい」

 

 

「ちょ!ちょっと叢雲まで!?」

 

 

何故か三人はかなり敵意を剥き出しにしており佐渡は深く溜め息をつくと先頭をきって歩き始める

 

 

「行くぞ、あんまり時間無いみたいだしな」

 

 

その後ろを叢雲達は付いていき扉を開けるといつも通りお出迎えが居るのだが

 

 

「どもども!青葉です!!

お待ちしてましたよ!佐渡提督!小笠原鎮守府の皆さん!」

 

 

「あれ、青葉ちゃん?

どしたのこんなところで?」

 

 

「あれ?青葉、何でここに?」

 

 

「青葉デース!でも佐世保所属デースよね?」

 

 

いつもなら憲兵や大本営所属の人が出迎えるのだが何故か青葉が迎えて来ており驚く

 

 

「え?……あぁ!すいませんお伝えしてませんでしたね

私、実は佐世保鎮守府を辞めたんですよ」

 

 

「はい!や、辞めた!?」

 

 

「はい、元々あの鎮守府には長居するつもりはなくてですね……あはは……

小笠原に行きたかったのですが、流石に通らなくて……

それで、検討する条件として大本営でしばらく働き活躍を見せろって大元帥に言われましてね」

 

 

「それで、大本営所属に?」

 

 

「えぇ、極めて遺憾ではありますがその代わりに小笠原の事は私もバックアップしますよ!

伝達や運搬も青葉にお任せあれ!!

それに大本営に居た方がここで行われている悪事を見付けやすいですから

そう言うことが行われていた場合佐渡提督に即時お伝えする事も出来ますしエアさんに依頼できますしね?」

 

 

「そいつは助かるけど……エアといつの間に仲良くなったんだ?」

 

 

「藤谷さん密告の時古鷹さん談義で……」

 

 

「流石、我が天使

深海と艦娘の壁越えたぞおい」

 

 

「え……えぇ……二人とも…」

 

 

古鷹が困惑する中青葉と言う強力な後ろ楯を佐渡達は新しく手にいれ青葉に案内されながら小笠原鎮守府一行はある場所に連れていかれる

若干エアと青葉が仲良くしているのに不信感を覚えるがエアも艦娘を騙すとも思えないから気にしないことにする

 

 

「にしても、何で俺達呼ばれたんだ?

なんかしたっけ?」

 

 

「……あれ?聞いてないんですか?

今回皆さんが呼ばれたのは改装だからですよ?」

 

 

「………………おん?改装?」

 

 

佐渡は首をかしげながら大井を見るが大井は首を横に振るう

 

 

「え?伝わってないんですか?

今回、皆さんをお呼びしたのは大演習会で小笠原艦隊の全員が改装出来ると判断され大元帥の判断で全員を改装しろと………あれ?可笑しいな、確かメールしたって聞いたのですが…」

 

 

再び大井を見るが首を横に振るいグラーフを見ると唸っていた

 

 

「おい待てグラーフ、お前まさか知ってるな?」

 

 

「…………あぁ、もしかしてあれ…だったのか?

『小笠原へ、お前らに改装許可が降りたから早く大本営に来い』って奴なら来てたな」

 

 

「「それじゃねぇか(じゃないですか)!!!」」

 

 

佐渡はグラーフの頭を掴むとギリギリと握りしめていきグラーフは痛みに苦しむ

 

 

「何で連絡しなかったんだおい!!」

 

 

「いただだだだだだ!!す、すまないアトミラール!

送られてきたメールの先が大本営じゃなかったから分からなかったんだ!!

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」

 

 

「ほほう?それはちょっと青葉気になりますねぇ?

それはきちんと大本営のパソコンから送らないといけないのに送るはずの誰かが私用パソコンで送信したんですねぇ?

後で大淀さんと羽田さんに手伝って貰ってきっっつーいお仕置きをしないといけませんねぇ……」

 

 

グラーフの発言に青葉は少し殺意を漏らしながら話を聞くと直ぐ様携帯を取り出し羽田に事の顛末を連絡していると全員を大本営の工廠へと案内する

 

 

「着きましたよ、では青葉はまだやることがありますので終わりましたらまた来ますね!」

 

 

「あぁ、ありがとう青葉ちゃん」

 

 

「ありがとう青葉」

 

 

青葉は立ち去ろうとするのだが後ろを振り向きおもむろに古鷹に抱き付くと顔を埋める

 

 

「あ、青葉?」

 

 

「……少し、このままで居させてください」

 

 

「ふふ、良いよ

すみません提督?」

 

 

「あぁ、ごゆっくりどうぞ

先に行ってるぞ」

 

 

古鷹と青葉を残して佐渡達は工廠へと入っていくと珍しく明石さんが居らずその代わりに夕張が暇そうにだらけていた

 

 

「あれ?佐渡提督!?

ど、どうしたのさそんなに引き連れて!!」

 

 

「やっほー夕張さん

実はうちの艦隊を改装してくれるって聞いてさ連れてきたんだけど……」

 

 

「あぁ~……となると佐渡提督の所『も』何だ?

ちょっと待っててね!」

 

 

「も?」

 

 

その言葉を聞くと佐渡は大井とグラーフを見るが二人とも首を傾げており夕張は奥に入っていき明石を呼び出す

しばらくすると奥から明石がこちらに向かってきており顔を出す

 

 

「佐渡提督!お久しぶりです

後、お待たせ致しました!こちらです!」

 

 

「ほいほい、じゃあ今日はよろしくお願いいたします」

 

 

明石が工廠内を案内していき一番奥の部屋改装室まで行くと佐渡と叢雲達と別れる

 

 

「じゃあ、俺は待ってるからな」

 

 

「えぇ、また後でね司令官」

 

 

「行ってきます、提督」

 

 

「改装なんて初めてデース!」

 

 

「では皆さんこちらにどうぞ

………あれ?古鷹さんは?」

 

 

明石が全員を確認しようとし周りを見ると古鷹だけ居らず辺りを見渡すと佐渡の後ろから古鷹が走ってくる

 

 

「ご、ごめんなさい!お待たせ致しました!」

 

 

「大丈夫ですよ

これで全員ですね

では皆さん検査を受けた後に全員改装しますので指示に従ってくださいね?」

 

 

明石は手際よく説明していき叢雲達はその後ろを付いていくと佐渡は近くの自販機から珈琲を買うと一人ベンチに座りながらのんびりとする

 

 

「にしても改装か……あいつらも一応艦娘何だなぁ」

 

 

「そりゃ、そうだよ

見た目は普通の女の子なのにねぇ」

 

 

不意にのんびりしていたら夕張が近付いてきており佐渡の目の前に立っていると佐渡はベンチを叩く

 

 

「隣、失礼するね」

 

 

「あいよ、にしても珍しいね?

夕張さんが工廠で開発とかしてないの?」

 

 

「今日は休みなんだ、明石さんが改装で忙しいから私はその代わりの店番」

 

 

「成る程ね」

 

 

夕張は近くの自販機で飲み物を買うと佐渡の隣に座り二人はのんびりと飲み物を飲む

 

 

「にしてもいつの間にか増えたんだね

小笠原艦隊」

 

 

「あぁ、あれから金剛、イムヤ、グラーフ、長門が増えてな

今ではかなり騒がしくなったよ」

 

 

「ふふ、聞いてるよ

まーた艦娘助ける為に無茶してたんでしょー?」

 

 

「あはは、まぁいつも通りにね?

別に大したことはしてないけどね」

 

 

佐渡は珈琲を飲みながら夕張と話していると夕張が何となく呟く

 

 

「………ねぇ、佐渡提督

佐渡提督の鎮守府ってまだ艦娘受け入れてる?」

 

 

「うん?どしたの急に?」

 

 

「……嫌さ、私も行きたいなぁと思ってさ?」

 

 

「辞めといた方が良いよ?

マジで何にもない場所だから」

 

 

「でも、楽しそうな仲間と佐渡提督が居るよ?」

 

 

その発言に驚き夕張を見るといつの間にか佐渡を見つめておりその目は真面目な面持ちをしていた

 

 

「……辞めときな、うちは最前線だしいつ戦いになるか分からない危険な所なんだ

夕張さん見たいな艦娘が来て良い場所じゃないよ」

 

 

「…ねぇ、佐渡提督

貴方の鎮守府って問題を抱えた艦娘を引き取ってるんだよね?」

 

 

「うん?ま、まぁね?

と言うか引き取っていると言うか流されてくると言うか……ね?」

 

 

「ふーん……じゃあ、私も一応その条件はクリアしてるんだよね」

 

 

夕張の発言に驚いた佐渡は夕張を見るが夕張は少し哀しそうな顔をしていた

 

 

「夕張さんーーーー」

 

 

「佐渡提督!!」

 

 

佐渡が夕張の名前を呼んだ瞬間青葉が走って階段を降りてきており驚きながらも話を聞く

 

 

「…どしたの?青葉ちゃん?

そんな急いで」

 

 

 

青葉は全速力で走ってきたのか息を上げており佐渡の前に着くと膝に手を起き深呼吸をする

 

 

「はぁ、はぁ、この後って何か後用事とかはありますか!?」

 

 

「え?いや?特には無いけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「佐渡…提督、及び幾つかの鎮守府に緊急召集が掛かってます!

至急、秘書艦又は艦娘一人を連れて作戦会議室に来てほしいとの事です!」

 

 

その緊急召集に佐渡は前と同じ感じがし嫌な予感を巡らせる

 

 

 





次回

緊急召集

叢雲達の改装時に突然の緊急召集
しかも今回は艦娘同行が条件付きと言う異例の召集
佐渡達は不安の中作戦会議室に向かっていく
それが運命を分けるとも知らずに


夏イベント欧州作戦ですねぇ……
今回は完走と堀をやらないとなぁ



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