艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大規模作戦 二

佐渡と青葉は叢雲達の改装を二人で待っており少し落ち着かない様子だった

 

 

「……なぁ、青葉ちゃんさっきのって」

 

 

「はい、羽田元帥からの緊急召集です

ですが、内容は明かされてません

どうやらそれを言うのは駄目らしく私達にも伝えられてません

それに加え選ばれている鎮守府もかなり強力な鎮守府ばかりです」

 

 

「……ってことは」

 

 

「恐らく、どこかの鎮守府が襲われているか

それとももしかしたら……」

 

 

青葉と話していると明石が改装室から出てきており佐渡に気付く

 

 

「あ、佐渡提督!

お待たせ致しました、改装終わりましたよ!」

 

 

「お!ありがとう明石さん!」

 

 

明石がそう言うと改装室からイムヤとグラーフから一人ずつ現れていく

 

 

「あれ?司令官待ってたの?」

 

 

「そりゃあな?お前達の初改装だからそりゃ待ってるさ」

 

 

「ではすまなかったなアトミラール

お待たせしたな」

 

 

「えっと、グラーフさんとイムヤさんは改二改装は出来ませんので改までの改装になります

艤装の変更などはほとんどありませんが、イムヤさんは魚雷の搭載数が大きく変更されました」

 

 

「成る程成る程」

 

 

佐渡は明石にその資料を手渡されながら改装された二人を見るが確かにほとんど変化は無いようだった

 

 

「それで次からですね

改二が実装されている艦娘達になります

大井さん、金剛さん、長門さん、叢雲さん、古鷹さんは艤装が大きく変わっておりまして強力になってます」

 

 

「へぇ、うちに五人も居たのか」

 

 

明石と話していると改装室の部屋が開かれ長門と金剛が仲良く出てくると金剛が佐渡を見た瞬間に抱き付いてくる

 

 

「提督ー!私!強くなりましター!」

 

 

「おうおう!聞いてるよ、見た目は変わってないのにな

艤装が何か変わったんだろ?楽しみに待ってるよ」

 

 

「デース!後で見せてあげますね!!」

 

 

「相変わらず、金剛は提督大好きなのだな」

 

 

「お、長門も……ってお前は大分変わったな?」

 

 

「そうか?私としては特に変化は無いと思うんだけどな?」

 

 

かなり露出が多く腕や肩等の肌が見えていたのだが改装の影響か服も変わっており全体的に黒主体の服に変わっていた

露出もお腹だけであり落ち着いた感じになっていた

 

 

「でも、似合ってるよ

良かったな長門」

 

 

「その言葉素直に受け取っておこう」

 

 

「むー…提督ー!私も見てくだサーイ!」

 

 

長門を褒めていた佐渡に金剛が悪絡みをしていると改装室からボールペンが飛んで来て金剛の頭に直撃する

 

 

「痛!大井!なにするんデースか!?」

 

 

「金剛、あんまり提督を困らせないでくださいね?」

 

 

「お、秘書艦様も終わったのか改装?」

 

 

「えぇ、お待たせ致しました」

 

 

大井が改装室から出てくるとその風貌こそは変わってないものの何か違和感を感じる

 

 

「……大井、何か大幅に変わったのか?」

 

 

「相変わらず察しが良いですね、私艦種が変わったんです」

 

 

「はい、大井さんは軽巡から重雷装巡洋艦に変更されたんです」

 

 

「重雷装巡洋艦?」

 

 

佐渡は明石からその資料を手渡されるとその艦種を理解すると共に桁外れの雷撃搭載数に驚く

 

 

「……こりゃまた凄いな

正に雷撃特化型の軽巡か」

 

 

「そう言うことです、では改めて重雷装巡洋艦大井

これからもよろしくお願いしますね、提督」

 

 

「あぁ、こちらこそよろしくな秘書艦様」

 

 

佐渡と大井は改めて握手を交わすと最後の二人が改装室から話をしながら出てくる

 

 

「随分と変わったわね?古鷹」

 

 

「叢雲もだよ?前と服装も大分変わってるじゃん!」

 

 

「お、最後の二人が出てきたか」

 

 

佐渡達は鎮守府のエースたる二人を心待ちに待っていると出てきた二人に唖然とする

 

 

「あら、司令官

待たせたわね?」

 

 

「あ、提督!お待たせ致しました!」

 

 

「…………うん?あれ、古鷹と叢雲だよね?」

 

 

「何言ってるのあんたは……」

 

 

「まぁ、その大きく変わったからね私達…」

 

 

古鷹は確かに身体の体格は変わってないものの服装が大分変わっていた

改二前は制服だけだったのだがその下に全身黒タイツを着込み身長も少しだが伸びていた

 

それよりも叢雲は大分変わっていた

いつもの制服ではなく特注の制服に代わり身長も伸びているし胸も大きくなっていた為一瞬誰か分からなかった

 

 

「えっとですね、実は改装される事でそれまで抑えられていた成長を一時的に解放することが出来まして多分それが影響してるんだと思いますね」

 

 

「な、成程?」

 

 

「…そう言えば叢雲大きくなったね?」

 

 

「それは私が一番驚いてるわ

まさか大きくなるとはね……司令官触ってみる?」

 

 

「良いの!?」

 

 

「駄目に決まってるでしょうがっ!!」

 

 

「みそじっ!!」

 

 

叢雲の誘いを受けようとした瞬間大井に後ろから思い切り蹴られてしまいその場に倒れそうになると古鷹が慌てて支えてくれる

 

 

「だ、大丈夫ですか!提督!?」

 

 

「お、おう大丈夫だぜ……」

 

 

「大井、ナイスよ!」

 

 

「ふふん!」

 

 

「相変わらずだな、二人は」

 

 

「それでこそ叢雲デース!」

 

 

「全く、司令官を弄る癖は改装しても変わらないのね」

 

 

「ハハハ、良いじゃないか面白いし」

 

 

佐渡達がいつもの感じで笑っていると青葉が佐渡にアイコンタクトを送るとそれに気付いた佐渡は叢雲に指示を出す

 

 

「そうだ!叢雲、ちょっと付き合ってくれないか?」

 

 

「………めんどう事?」

 

 

「ま、そんなところだ

大井、すまないが財布はお前に預けておく

辺りで時間を潰していてくれないか?」

 

 

「分かりました、何かあったのですか?」

 

 

「あぁ、呼ばれてるんだ

恐らく何かあったらしい」

 

 

「佐渡提督、それなら私も行く

会議に参加させてくれないか?」

 

 

その言葉に青葉を見るとコクンと頷いており佐渡も頷く

 

 

「分かった、多分お前なら問題ないだろう

大井、後で合流しよう

終わったら連絡する」

 

 

「提督……」

 

 

佐渡の指示に古鷹は不安そうに袖を掴むが頭を撫で微笑む

 

 

「安心しろ、多分ただの会議だ」

 

 

「……分かりました」

 

 

「じゃあ、青葉ちゃん案内頼むよ」

 

 

「はい!お任せくださいませ!」

 

 

佐渡と叢雲、長門は共に作戦会議室に向かっていくとその後ろ姿を古鷹は心配そうに見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、何だ緊急召集って

長門はどう思う?」

 

 

「大方海域攻略か、何かあるか位だと思うがそんなこと聞いてないしな

だが、緊急召集と言うことは恐らく何かあったか……可能性は高いな

もしかしたらまた南方棲戦姫絡みなのかも知れん」

 

 

「でも、青葉はそんなこと聞いてないんですよね

確かに上層部が何か騒いでいたのは知ってますが………」

 

 

「ま、どうせまたくだらないことでしょ

早く済ませましょ」

 

 

佐渡達は今回の召集が何の為なのかを話し合いながら廊下を歩いているとやけに人通りが少なくなったのを感じると共に武装している憲兵が居ることに気付く

 

 

「………なぁ、青葉ちゃん本当にこっち?」

 

 

「え?あ、はいこっちのはずですが……」

 

 

「…何かあったのか?何故こんなに武装憲兵が居るんだ?」

 

 

「警戒は……しておきましょう」

 

 

武装憲兵とすれ違うと挨拶代わりに御辞儀をしていきしばらく歩いていると階段を登り作戦会議室に行こうとすると何故か階段が武装憲兵に封鎖されていた

 

 

「……あれ?こっち…だよね?」

 

 

「え?え?何で武装憲兵さんが階段を封鎖してるの?

ちょ、ちょっと待っててくださいね?」

 

 

青葉は流石に驚き武装憲兵に近付こうとすると

 

 

「貴様!動くな!それ以上こちらに来ることは許さない!!!」

 

 

突然武装憲兵が銃口を一斉に青葉へ向け佐渡達は驚きながらも青葉は手を上げる

 

 

 

「ヒッ!ちょ、ちょっと待ってくださいよ!

私は大本営所属の青葉です!元帥の指示で佐渡提督を連れてきただけですよ!!」

 

 

「それでもだ!そこから動くな!!」

 

 

「おいおい!随分じゃねぇか!!

俺達は呼ばれたから来たのによ!!」

 

 

佐渡の声に武装憲兵の一人が反応し訳を説明する

 

 

「小笠原鎮守府提督、佐渡提督だな

すまないが本日は許してくれ、大元帥からのお達しでな貴方達提督はあり得ないがもしかしたら艦娘に提督殺しが化けてる可能性があるらしく徹底してほしいとの事なんだ」

 

 

「……何だ、そんなに重要なのか?」

 

 

「今回あの人は我々にさえ情報を秘匿しているんだ

恐らくかなりだと思われる

すまないが、青葉さん身体検査を受けてもらう

そこの二人もだ

下手に抵抗するな、今回は容赦なく撃つぞ」

 

 

「分かったわよ」

 

 

「あぁ、好きにしろ」

 

 

すると武装憲兵の後ろから同じく武装しているが女性の憲兵が現れ叢雲と長門と青葉の全身をくまなく身体検査をしていき金属探知すらしていく徹底されていた

 

 

「青葉、クリア」

 

 

「叢雲、クリア」

 

 

「長門、クリア」

 

 

「良し、すまないな

面倒を掛けた

それと我々はここを許可があるまで動かない

憲兵がもし貴方達に話し掛けても警戒してくれ

本日は提督、艦娘達との会話をここ以外は禁止にしているため話し掛けられたらすぐに報告してほしい」

 

 

「はい、分かりました」

 

 

すると武装憲兵は道を開け佐渡達は通っていくが武装憲兵にいつ囲まれても可笑しくない状態での階段はかなりきつい

 

 

「凄いわね、ここまで徹底するなんて」

 

 

「……流石にここまでは見たことない

かなり重要な作戦なのだな」

 

 

「間違いなく深海棲艦絡みか……相手は誰だ?」

 

 

「さ、佐渡提督……」

 

 

先程の威圧に青葉は弱気になっており佐渡は頭を撫でる

そして、階段を登り終わると廊下を全て武装憲兵で警護させており廊下を通ろうとすると武装憲兵に止められ紙を渡される

 

 

「所属鎮守府と名前をご記入ください」

 

 

「はいよ」

 

 

佐渡はその紙を書くと武装憲兵はインカムで連絡を取り確認すると佐渡廊下を開ける

 

 

「どうぞ、佐渡提督

叢雲さん、長門さん

ご苦労様でした青葉さん

貴女はこれ以上は行かせられません」

 

 

「は、はい!佐渡提督、お気をつけて」

 

 

「あぁ、ありがとう青葉ちゃん」

 

 

青葉はお辞儀をするとその場をそそくさと去っていき佐渡達は作戦会議室へと向かっていく

 

 

「エア対策ね、確かにこれならアイツも不可能よね」

 

 

「だな、流石にここまで徹底するとはな

……面倒事ではありそうだ」

 

 

「……もしかしたら大規模作戦なのかもしれないな

しかも、かなりの」

 

 

長門の言葉に佐渡達は覚悟を決めながら廊下を歩いていき作戦会議室の扉を開けると七人の提督と秘書艦が会議を今かと待っていた

そのうちの一人が立ち上がり佐渡に近寄ってくる

 

 

「おー?佐渡じゃねぇか?お前も呼ばれたんか?」

 

 

「えぇ、何故か呼ばれたんですよね

猿橋さんもですか?」

 

 

「あぁ、今日は折角大和と食べ放題でも行こうかと思ったのに呼び出されちゃってな

全く、あの警備と言い何なんだか……

と言うか本当だったんだな?長門が小笠原に居るって」

 

 

「あー……まぁ色々ありましてね…」

 

 

猿橋は長門をマジマジと見ながら笑い佐渡の肩を叩く

 

 

「いやー!何か風の噂でさ唐澤大将から寝取ったって聞いたけどやるな!佐渡!」

 

 

「待ってください、俺そんなことしてないですよ!?」

 

 

「嘘つくなって!いやー、分かるよ?

確かに長門良いよなぁ……胸は大きいし意外と女の子らしい身体付きだしデレたら最高なんだろうなぁ」

 

 

「ほほう?貴様はうちの長門をそんな目で見ていたのか?猿橋」

 

 

その言葉に猿橋はビクンと震えるとゆっくりと後ろを振り返ると鬼の形相の唐澤が陸奥と立っていた

 

 

「ち、ちわーす!唐澤大将様!!」

 

 

「………裁き!!」

 

 

「ぐぼぉ!?」

 

 

その瞬間唐澤は思い切り猿橋の鳩尾を殴り飛ばしその痛みと苦しみにその場に崩れ落ちる

 

 

「全く、この男は……

すまないな佐渡提督

このバカが迷惑を掛けてしまい」

 

 

「い、いや?大したことないですよ?」

 

 

「それなら良かったがちょっと来てくれ」

 

 

突然唐澤は佐渡を長門から遠ざけるとひそひそ声で話をする

 

 

(本当に長門に手を出してないよな?)

 

 

(出してませんよ、そんなことしたら金剛や大井に殺されますよ)

 

 

(本当か?確かに長門は……)

 

 

(出してませんって……着任して全然立ってないのに手をだせるわけ無いでしょ…)

 

 

(な、なら良いんだ

最近君の悪い噂を聞くからな……)

 

 

(うん?何ですかそれ?)

 

 

(……小笠原鎮守府の艦娘達を手篭めにして毎日…その…してるとか?)

 

 

「はい!?何ですかそれ!!!」

 

 

全く身も蓋も無い事を疑われ意味が分からずに困惑しているとつい最近エアがここに来ていたことを思い出す

(あんのやろうかぁぁぁぁぁ!!!)

 

 

「いや、まぁ、その何だ

君の事は信頼している

だが……まぁ確かに発散は大変だよな、うん分かるよ?

それでも艦娘には手を出すなよ?」

 

 

「……男性提督は大変だもんね…うん分かるよ佐渡君」

 

 

突然後ろから肩を叩かれ振り向くと石澤が頷いておりその後ろから阿武隈が睨み付けており佐渡は深くため息つく

(覚えとけよなあんにゃろう……帰ったらぶん殴ってやる……)

 

 

佐渡は二人に説明しようとするがそれよりも先に扉から羽田と大淀と矢矧が入ってくると佐渡達は各々の席に座る

 

 

「……どうやら集まってるね

すまない急に呼び出してしまい

休日の者は代休を用意しよう」

 

 

「全くだよ元帥~

とりあえずちゃっちゃと始めましょうよ

俺も大和と遊びに行きたいし」

 

 

「……すまないが、今回君達を呼び出したのは私じゃないんだ」

 

 

「何ですって?じゃあ誰なんですか」

 

 

すると後ろの扉から一人の男が入ってくる

 

 

「俺だ、お前達を呼んだのは」

 

 

「っ!!大元帥!?」

 

 

突然の大元帥である東雲が登場し全員は立ち上がり敬礼をする

 

 

「いや、良い辞めてくれ

今回急に呼び出してしまいすまない

すぐにでもやりたい事があってな

とりあえず全員座れ」

 

 

東雲はゆっくりとした足取りで会議室の真ん中に座るとその右に羽田と大淀そして矢矧を立たせると全員を見る

 

 

 

「さてと、では始めようか

お前達の覚悟を聞こう」

 

  

 






次回

各々の覚悟

大元帥によって集められた精鋭の鎮守府達
そして、自らの作戦に参加するかを問い始める
選べお前達の行く末を


イベント始まりましたね!
初っぱなから仏とはな……相変わらず良いおっぱ(殴られ


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