艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大規模作戦 五

佐渡は間宮で待っていた古鷹達と合流し全員に大規模作戦

ドレス島攻略作戦の内容を話すと全員恐れ困惑していた

 

 

「……まさか…歴戦種…との対峙ですか」

 

 

「…となるとエアと同じ位デースか……」

 

 

「……エアはあれほど強いのに…その本拠地って…」

 

 

「………化け物か…正に」

 

 

四人が困惑する中古鷹だけは一人居なくなった人を佐渡に聞き出す

 

 

「……提督?それよりも長門さんは?」

 

 

「あれ?そう言えば……」

 

 

「作戦会議室であんたがぼーとしてたからでしょうが

唐澤さんに用があるから私は別行動を取るだってよ

明日には戻るそうよ」

 

 

「あっれぇ?そんなこと言ってたの?」

 

 

「私にね」

 

 

「お前かよ!!」

 

 

佐渡のツッコミが入るがそれでも大井達は困惑していたが大井が頬を叩く

 

 

「今さら言っても仕方無いわ!

やるって決まってるんだからやらないと!!」

 

 

「そうデースね!!どんな奴だろうとぶっ飛ばしてやりまーす!!」

 

 

「うん!この皆が居るんだもん!負けるわけないよね!!」

 

 

大井を皮切りに全員は気合いを入れ直すがグラーフが心配そうに佐渡の服を引っ張る

 

 

「どした、グラーフ?」

 

 

「………なぁ、アトミラール

この事…は…エアに…隠すのか?」

 

 

その言葉に全員の目が佐渡に集中するが佐渡は迷いなく答える

 

 

「いや、言うよ」

 

 

「………貴方本気ですか?提督?」

 

 

「そ、そうデース

だってエアは………」

 

 

「そうだよ…司令官……敵になるかもしれないんだよ?」

 

 

「それでもだ、もしこれでアイツが俺達の敵になるならそんときはそんときだ

エアは俺を信じてくれた

だから嘘や隠し事はしたくないんだ」

 

 

「アトミラール……」

 

 

不安そうに佐渡を見ているグラーフや大井達の背中を叢雲が叩く

 

 

「アイツが敵になったなら望むところよ」

 

 

「もう、叢雲!

大丈夫ですよ、分かってくれると思いますよ

エアさんは心優しい方ですから」

 

 

佐渡はエアが再び敵になると不安に思いながら全員を引き連れて小笠原へと帰投する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん、成る程ねあんた達カナと戦うんだ」

 

 

「あぁ、だからここでお前が俺達を止めても構わない」

 

 

小笠原に到着後エアとソラ達を居間に呼び出しエアはイーちゃんを抱えながら佐渡と対面するように話を続けていた

 

 

「姫様、これは流石に我々も動かないと行けませんね

佐渡様達には申し訳ありませんが………」

 

 

話を聞いたソラは指で指示を出すとα、β、γ、Σは戦闘体制を取り叢雲達も構える

 

 

「………ねぇ、佐渡何でそれを私に言ったの?

三日後何でしょ?それぐらいの期間なら私を騙すことも出来たでしょ

なのにあんたは私にその作戦を話した

何で?私が姫であり深海側であること承知の上でしょ?」

 

 

「それでもだ、お前は俺を信じてくれた

なら俺はそれに答えるだけだ

俺達と敵対しても構わない

この事を他の姫や南方棲戦姫クイーンに伝えても構わない

そして、もし俺達と敵対するなら叢雲達には手を出さないでくれ

俺の命で許してほしい」

 

 

「て、提督!?」

 

 

「駄目デース!そんなことさせません!!」

 

 

「黙ってろ!これは俺とエアの問題だ!

口出しするな!!!」

 

 

佐渡は怒鳴ると金剛達狼狽え黙ってしまうとエアはため息をつく

 

 

「相変わらずね、あんたは真っ直ぐで曇りなく人を艦娘を深海棲艦すら信じる

ここまでくると馬鹿ね普通言わないわよ私にそんなこと」

 

 

「分かってるだろ?これが俺なんだよ」

 

 

「はぁ~馬鹿らしい

まぁそうね……ソラ」

 

 

「…はい、姫様この者達を捕らえ拷問にかければよろしいんですね任せてください」

 

 

その言葉にソラの艦隊とソラは完全に佐渡達へ敵対しそれに合わせ叢雲達も完全に戦闘体制を取る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の話聞かなかったことにしなさい

私達は動かないわ」

 

 

「「「「「………………え?」」」」」

 

 

「あー寒、呼び出されたから応答してやったけど何よそんなくだらない話で私を呼ばないでくれる?

イーちゃんコタツ入りましょ?」

 

 

 

「「「「「く、くだらない話!?」」」」」

 

 

 

エアはそう言うとイーちゃんを引き連れコタツに入りその暖かさを堪能しているとソラ達がエアに駆け寄る

 

 

「ヒ!姫様!!何デ動カナイノヨ!!」

 

 

「ソウダ!カナ様ガ危ナインダゾ!!」

 

 

「イクラアノ人デモ日本ノ精鋭艦隊ハ!!」

 

 

「ウン!ウン!!」

 

 

「らしいわね、カナ頑張ってね~

私が助ける理由なんて無いしね」

 

 

「姫様!何を言っているんですか!?

貴女と同じ姫何ですよ!!何故動かないのですか!?」

 

 

「うっさいわね~私は動かないわよ

寒いし何で外に出なきゃいけないのよめんどくさい

戦争とか戦いとか私は興味ないの分かるでしょ?」

 

 

 

ソラ達はエアに集まるが佐渡達は流石の対応に狼狽えているとエアは佐渡達に向けて手をふる

 

 

「あんた達精々頑張りなさいよ~

安心しなさい、私は今回手を出さないわ

こいつらにも出させないから」

 

 

「……待てエアお前良いのか?」

 

 

「何よ?敵対してほしいの?」

 

 

「嫌、違うけど……だって同じ姫なんだろ?」

 

 

「そうだけど、別に私は仲間とかそう言うの居ないし

深海側ではあるけどあいつらがどうなろうと私には関係ないしね

そーれーに」

 

 

エアはコタツに入りながら佐渡達を指差しながら笑う

 

 

「ここに居る間の私は『空母棲姫歴戦種エア』としてではなく

『エアと言う名の一人の女』として居るのだから深海の問題を持ってくるのは御法度よ

そうでしょ、佐渡、叢雲」

 

 

その言葉に佐渡と叢雲はエアに言った言葉をそのまま返された気分になり笑う

 

 

「………ははは!悪かった!それもそうか!」

 

 

「ふふ、そうねあんたは『エア』だもんね

でも本当に良いの?私達を行かせて」

 

 

「何度も言わせないで、私は動かないし静観してるわよ

精々沈むんじゃないわよ

一人でも沈んだらコイツを殺すわよ?」

 

 

エアが敵対しないと分かった叢雲達は警戒を解き佐渡は立ち上がる

 

 

「すまん話はそれだけだ

時間を取らせたな」

 

 

「ほんとよ、全く二度とこんなくだらない事で呼ばないでよね?」

 

 

「悪かったよ、今晩御馳走にするから勘弁してくれ」

 

 

「御馳走よりアイスを貰うわよ

良いわね?」

 

 

「あぁ、好きなのを食ってくれ

じゃあすまないが俺達は」

 

 

「えぇ、頑張りなさい~」

 

 

佐渡は立ち上がり叢雲達は居間から出ていき佐渡も出ていこうとした瞬間エアに呼び止められる

 

 

「佐渡ー良いことを教えてあげるわ

私に隠さず言ったことのね」

 

 

「……何だ?」

 

 

エアはこっちを振り向くがいつものふざけてる様子は無く真剣な面持ちになりながら警告する

 

 

「アイツを、カナをただの飛行場姫として見るんじゃないわよ

アイツと本気で戦うのであれば失う覚悟をしなさい

アレは私達の中でも桁違いだし化け物よ

それだけは言える、一度相手したことあるけどあれはヤバイわ

『常識は捨てなさい』あれを倒すならあれと対峙するなら常識を持ってたら負けるわよ

これは忠告であり警告よ

『私個人の感情からの』ね」

 

 

エアが警告するほどの化け物と言うことを佐渡は理解すると笑みを浮かべながら礼を言う

 

 

「ありがとうエア

必ず全員を帰ってこさせるからな心配するな」

 

 

「あんたにそんな指揮出来るとは思えないけど

精々頑張りなさい佐渡」

 

 

二人は笑みを浮かべると佐渡は居間から出ていきエアはコタツを堪能しているとソラが机を叩く

 

 

「姫様!!どういうおつもりですが!?

カナ様を捨てるおつもりですか!!」

 

 

「違うわよばーか

私達は手を出せないし出す必要が無いのよ

そんなのも分からないの?」

 

 

「ど、どういうこと……ですか?」

 

 

 

エアの言葉にソラ達が困惑しているとエアは頬を吊り上げながら笑いその顔にソラ達は恐怖する

その顔はいつも憎い相手を殺すときの顔

つまり深海の姫そのものだったからである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『アイツに情報なんて必要ないのよ

事前準備もなーんにもねどうせアイツには全て見えてるんだから』」

 

 

その不吉極まりない言葉にソラ達は背筋を凍らせた

この姫は、エアは全てを知っている

飛行場姫カナの実力を

 

(精々あがいてみせなさい勝てたとしてもあんた達には平和は訪れないけどね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大規模作戦の前日佐渡は大本営の大書庫にて飛行場姫の事を調べるために本棚の全てを読み漁っていたのだが

どれを見ても飛行場姫の事は書いておらず頭を悩ませていた

 

 

「あぁ~……見付からねぇ…………

マジキッツ……何でここまで探してるのに無いんだよ…」

 

 

「まぁ、そう言わないでくださいよ

青葉だって手伝ってるんですから!」

 

 

現在大本営所属の青葉に手伝って貰いながら探してるものの全く手がかりすら掴めずにおり佐渡は頭を悩ませていた

 

 

「……にしても佐渡提督は情報何ですね

他の鎮守府や艦娘は決戦に備えて演習等で実力を上げているのに……はい、次の資料ですよ」

 

 

「そりゃーな、どんなに実力を付けようと相手を知らないことには変わらねぇし対策も立てられん

情報は力だ、あれば困らないしな……だが何で見付からないんだ!!ここは大本営の大書庫だよなぁ!?」

 

 

佐渡は思い切り机を叩くと立ち上がり外に出ていこうとする

 

 

「もうめんどくせぇ!!青葉ちゃんご飯行こうぜ!!」

 

 

「……そう言えば全く食べてませんでしたね

折角ですから行きましょう!」

 

 

若干苛つきながら佐渡達は大書庫を後にしようとすると青葉が何か躓き突然佐渡に倒れかけてくる

 

 

「おっと……ってうわぁ!!佐渡提督避けてぇ!!」

 

 

「うん?っておいおい!こっちに突っ込んでーーー」

 

 

佐渡は突然の事に対処仕切れずにぶつかるとそのまま本棚にぶつかり本棚の上から大量の荷物が落ちてきており咄嗟に青葉を庇うように抱き締める

 

 

「……ふぅ、終わったか

大丈夫かい?青葉ちゃん?」

 

 

 

「は、はい!ごめんななさい!!」

 

 

「いや良いよ、だがこれを片付け………ってうん?」

 

 

倒れてきた荷物の中に不採用報告書と書かれた古い書類をまとめているファイルを確認するとおもむろに持ち上げる

 

 

「あ、それって確か大本営に提出する報告書ですよね?

でも確かそれは送られてきたは良かったのですが意味不明の報告書だからってまとめられた奴ですね」

 

 

「……へぇ…一応見てみるかこれも」

 

 

佐渡は不採用報告書を開いていくと確かに内容が意味不明の者や文字が読めなかったりと中々に中身は酷かった

 

 

「えっと……北方海域を攻略中にストームに襲われ艦隊壊滅

東方海域出撃中にクラーケンに襲われたぁ?

他にもUFOや宇宙人と遭遇??何だこりゃ面白いな」

 

 

「な、何ですか艤装が突然使用不能とか蟻地獄に襲われたとか巨大な鮫とか!こんなの報告書じゃないですよ!!

アハハハ!!」

 

 

内容はどれも酷い物であり青葉はお腹を抱えて笑っており佐渡も一応見ていると一つだけ気になる報告書を見付けた

 

 

 

「………何だこれ、『飛行場姫の縄張りで起きた現象』って」

 

 

「アハハハハ!今度はど、どんな内容なんですか!!」

 

 

『本日未明 我々の艦隊ーーは飛行場姫の縄張りに進行を開始した

ーーから敵艦隊と遭遇したと言う報告があり私は攻撃を許可した

幸い相手はそこまで強くなく我々も勝ちを確信した

 

だがそこで我々は現象に襲われた

………いや撃たれた…だ

 

ーー達の戦闘が終盤に差しかかり我々は勝利を確信した

だが次の瞬間ーーのインカムから耳をつんざく爆発音が聞こえた

私は何度もーーの名前を何回も呼んだ

だが、返事はなく他の艦娘達も慌て狼狽えていると飛行場姫が指揮する艦隊に襲われ撤退を余儀無くした

ーーは帰投後直ぐ様入渠したが何日もかかった

そしてーーが目覚めたとき彼女は震えており何があったか教えてくれた

ーーは勝利を確信しトドメをさす寸前に何かに撃たれたのだと

だが敵は見え無かったらしく更にーーは一撃で大破航行不能まで追い込まれた

 

 

あそこには何か居る、だからこそ飛行場姫の海域に近付くな

あそこには戦艦を一撃で沈められる化け物がいる

海域攻略を停止するように私は進言します

 

ーーーー鎮守府ーー大佐』

 

 

「………何だこれ」

 

 

「…分かりません、ですが飛行場姫の海域には化け物ってことですかね?」

 

 

その報告書は嘘を書いたようには見えずにそれが本当だとも思えず佐渡は疑問に思っていた

(……戦艦を一撃で大破しかも航行不能に陥れる化け物……

あそこにはまだ居るのか?だが問題は……その姿を明確に書いてない所だ)

 

 

姿形が書いておらず、ただ戦艦を一撃で航行不能に陥れる事が出来る化け物が居ると言うこと

だが佐渡はそれが引っ掛かっていた

 

 

「……あの海に、何がいるんだ…一体……」

 

 

「…佐渡提督?」

 

 

「ん?あぁ!ごめんご飯行こうか!」

 

 

 

「は、はい!」

 

 

佐渡その気になる報告書を机に置きっぱなしにすると大書庫を後にし青葉と間宮へと食事をしにいく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、大書庫を調べ尽くしたがそれ以外は見付からず日付が変わり大規模作戦当日になってしまう

その報告書が鍵になるとも知らずに

 

 

 

 

 

 

各々鎮守府、そして艦娘達は秘めた思いと決意と共に作戦に参加する

化け物であり太平洋を支配する飛行場姫に挑むために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、前日の夜一人の男は大規模作戦の作戦を作り上げ部屋に籠り明かりを消した状態で月を見上げていた

タブレットには飛行場姫の写真が映し出されておりそれを睨み付けていた

 

 

「やっと……やっと見付けたぞ……『カナ』…

まさかあの島にまだ居るとは盲点だったぞ

……やっと矢矧達の捜索が身を結んだな…」

 

 

その男は東雲であり何故かカナの名前を知っていた

そしておもむろに鍵の掛かった引き出しを開けると中にある写真を見る

 

 

「………鹵獲は不可能だ、だが奴を倒せばあの島を調べられる

そうすれば……『真実』に近付ける…そうなんだろ」

 

 

そう呟くと持っていた写真を力強く握り締める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………始元……『裏切り者』

……何故だ……何故裏切ったんだ…俺達を!!!」

 

 

その写真には五人が映し出されており左から矢矧、東雲、監視者が並んでおりその真ん中に

優しそうな少女と東雲と同じ『もう一人の大元帥如月』が映っていた

そして東雲は写真を力強く握り潰す

 

 

 





次回

発令!ドレス島攻略作戦

日は流れついに歴戦種飛行場姫討伐作戦決行の日になり選ばれた鎮守府の艦娘達は出立する

E2を何度か挑戦しては試行錯誤し負けてます()
時々ゆーちゃん掘りしては向かってますが陸上型めんどくさいぃぃぃ!!!
でも夏姫は好きです、あの声と絵が凄く好き
台詞の「クラエ!!」とかマジ良い



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