艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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開戦 五

金剛と大井が椿と対峙する中長門達は苦戦を強いられていた

それもそのはず、どんなに敵を倒して行ったとしても数が減らず連携を取りながら連合艦隊を追い詰めていってた

 

 

「クソ!制空権は取れないのか!?

瑞鶴!どうだ!」

 

 

「かなりキツいよ!!艦載機を放つにしてもツ級も居るし!何より!!」

 

 

瑞鶴は長門の言葉に海岸で艤装を構えこちらを見ている飛行場姫カナを睨み付ける

 

 

「あれの対空弾がかなりヤバイのよ!あれ一発でこっちの艦載機を全て落とされちゃうんだもん!!」

 

 

カナは艤装をゆっくりと動かしながら連合艦隊に牙を向けていた

その姿を見ていた長門は舌打ちをすると新たに指示を出す

 

 

「奴を叩く!対地上兵器を持ってきている艦娘は私に続け!!

陸奥!比叡!霧島!大和!榛名!付き合え皆を守るぞ!!」

 

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 

長門を筆頭にそれぞれ離れていた艦隊の対地上兵器を持ち合わせている者達は続いていきカナに近寄ろうとする

 

 

「お前達!!奴等をここに向かわせるな!!

潰せ潰せ潰せ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

それに対応するようにカナは指示を出すとバラけていた深海棲艦と地上にいる砲台古鬼は集まり向かってきている長門達を迎撃する

 

 

「退けぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

「邪魔です!!退いてください!!」

 

 

「全艦!WG、及び大発の準備をするのじゃ!

奴に一杯食わせるぞ!!」

 

 

「任せておきなさいよ!あんな奴一撃で仕留めてやるわ!!」

 

 

長門達は対地兵器を持参している艦娘達を守るように輪陣形を取りながら深海棲艦達と対峙する

 

 

「チッ!めんどくさいわね!………まいっかそれの方が好都合だしね」

 

 

それに反するようにカナは艤装のスロットを再び動かし長門達が近寄ってくるのを待っているとその主砲をゆっくりと動かす

そして、長門達はある程度までカナに近寄るとその場で停止し利根達に指示を出す

 

 

「利根!やれ!奴に食らわせてやれ!!」

 

 

「了解じゃ!筑摩!時雨!霞!不知火!最上!

全艦隊、対地兵器用意!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

その言葉と共に各艦隊が持参してきた装備を取り出すとそれをカナに向けるとめんどくさそうな顔をする

 

 

「対地上兵器か、懐かしいわね

昔よくアイツがボロボロにされてたっけ?」

 

 

「余裕そうだな!飛行場姫!撃て!!」

 

 

「行くぞ!!WG砲撃開始!!」

 

 

「三式弾改!一斉射撃!!!」

 

 

「大発!いけぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

対地兵器を持った艦娘達はカナに向けて一斉射をするとカナは逃げもせずにその攻撃を受け地上ば爆煙に包まれる

 

 

「良し!全弾命中!!」

 

 

「これで少しはダメージを稼げたんじゃないかな!!」

 

 

「ふん!そんなところでデカイ態度取ってるのが悪いのよ!!」

 

 

各艦隊の艦娘達は勝利を確信するが長門だけは異変に気付き主砲をカナに向ける

 

 

「どうしたの長門?」

 

 

「………アイツ何で避けようとしなかったんだ?

…まるで私達がここまで来るのを待っていたかの様に構えていたような気がしてな」

 

 

「まさか、そんなことーー」

 

 

「アハハハ!やっぱりこんなもんかあんた達の兵器火力ってのは!!」

 

 

陸奥が話そうとした瞬間爆煙の中からカナの笑い声が聞こえ全艦隊は爆煙に包まれているカナへ視線が集中する

爆煙が晴れていくとその異様な艤装に長門は困惑する

 

 

「な、何だ……あれは!?」

 

 

「………防御壁?でもあんなのさっきまで」

 

 

「ま、まさか全て受け止めたのか!?あれを!!」

 

 

カナの艤装は巨大に伸びた主砲を除いて全ての艤装に鉄の壁の様な物が展開されておりそれに焼け焦げた傷や損傷はしているものの本体のカナには一切ダメージは行ってなかった

そして、攻撃が止んだと確認したカナはその防御壁を解除し再び姿を表す

 

 

「対艦娘用対地兵器防御壁、意外と堅いのね

さってと?こっちに攻撃してきたならあんた達も覚悟はあるのよね?」

 

 

頬を吊り上げながらカナは艤装を動かすと長門達の近くにいる深海棲艦達に指示を出す

 

 

「全艦!今すぐその艦娘共から離れろ!!

死にたく無ければなぁ!!!

四番から五番スロットに変更!!ぶっぱなすわよ!!」

 

 

カナの指示を受けた深海棲艦達は一斉に連合艦隊から離れていくとカナは主砲を連合艦隊の真上に撃つように構えるとそのまま砲撃を開始する

その放たれた砲弾は異常に大きくまるで砲弾と言うよりは巨大な爆弾が宙を舞っている感じだった

 

 

「な、何だあの砲弾は!?」

 

 

「……対空弾より大きい…」

 

 

「どんだけ弾薬があるのよアイツ!」

 

 

「不味い!連合艦隊退避!!!」

 

 

長門はいち早くその砲弾の危険性を理解すると陸奥や利根達を退避させようとする

だがその放たれた砲弾は膨張を始め利根達の真上に到達した瞬間

 

 

「群衆殲滅型特殊弾頭、流星群(メテオ)!さぁ!爆裂し奴等を殲滅しろ!!!」

 

 

カナが叫んだ瞬間その膨張した弾頭は大爆発を起こし中に入っていた大量の爆弾が長門達に襲い掛かる

 

 

「う、うわ、うわぁぁぁぁ!?」

 

 

「な、何よあれ!?」

 

 

「全艦!上からの攻撃に耐えろ!!」

 

 

「退避!退避!!」

 

 

 

だが、退避しようにも見てからでは一歩遅く連合艦隊に流星群が襲い掛かり多くの駆逐艦や重巡が大ダメージを負ってしまう

しばらくすると爆煙が晴れていき長門は咳き込みながら辺りを確認する

 

 

「な、何なんだ……あれは…ハッ!

各艦隊被害状況を!!」

 

 

「う………うぅ…酷いもんじゃ…

ワシはまだ、何とか…じゃが……」

 

 

利根が何とか立ち上がるがそれ以外の重巡や軽巡は中破状態

更に最悪なのが

 

 

「クソ……クソ!!………動いてよ…!もう!!」

 

 

「痛い……痛いよぉ……」

 

 

「熱い…………熱い……」

 

 

駆逐艦達の艤装が完全に破壊されており身体もかなりの重症を負っていた

その姿を見た長門は歯を食い縛り一人カナに突っ込んでいく

 

 

「利根!重症の者を後ろに下げろ!

少しだけ奴から時間を稼ぐ!!」

 

 

「馬鹿者!!お主一人で何とか出来る相手ではないぞ!!」

 

 

「だが!私が出なくては全滅する!!

それだけは避けなくてはならない!!

連合艦隊を頼むぞ!!」

 

 

長門は一人カナに向かっていくと主砲を構える

 

 

「飛行場姫!私が相手だ!!」

 

 

「あら?戦艦が走ってきたわね?

まぁ良いわ潰してあげる!!」

 

 

カナは右肩にある巨大な主砲を長門へ向け

 

 

「くたばれ!!徹甲弾一斉射!!」

 

 

「防御壁!起動!!」

 

 

 

長門の主砲から徹甲弾が一斉に砲撃されるのだが再びカナの艤装は防御壁を展開しその砲弾を全て防ぐ

 

 

「く!堅いな!!」

 

 

「アハハハ!じゃあ次は私よ!!!

五番スロットから六番スロットに変更!!」

 

 

カナは防御壁を艤装に戻すと巨大な砲身からガコンと音が聞こえ長門は勢い良く右側に移動し主砲を構える

 

 

「この距離なら貴様の弾頭も命中しまい!!」

 

 

「アハハハ!馬鹿じゃないの!?

私には六種類の弾頭があるのよ!!!

くたばりなさい!戦艦長門!!

近距離特殊弾頭!斬裂(ショット)

逃がすな!!」

 

 

主砲を長門に直接向け砲撃するとその弾頭は勢い良く迫るのだが何とか長門は交わそうと左にステップを踏むのだが

 

 

「馬鹿ね!逃げられないわよ!!」

 

 

その弾頭は長門の避けた瞬間爆発し中から刃の様な物が飛び出し前方に向けて飛んでいく

 

 

「ぐう!き!貴様!!」

 

 

当然長門は避けきれずにその刃が直撃し主砲の艤装に刺さり砲弾が撃てなくなり身体も深く突き刺さっていく

 

 

「私に近寄れると思ってるの!?

本当に艦娘って馬鹿よねぇ!!」

 

 

「そうとも言えませんよ!!

徹甲弾一斉射!!」

 

 

その声は長門の後ろから聞こえ轟音と共にその砲弾はカナが居る陸上へと着弾すると爆煙に包まれる

 

 

「……大和…!すまない……」

 

 

「いえ、こちらこそ遅くなりました!

長門さん大丈ーーー」

 

 

と長門に駆け寄ろうとした瞬間目の前の陸上からの轟音と大和が爆発する音が同時に聞こえカナへ向き直ると主砲から砲撃された砲弾で爆煙が消し飛ばされていた

 

 

「へぇ?それが大和型の砲撃?

良い火力だけど、どこ狙ってるのよぉ!

無駄弾お疲れ様ねぇ!アハハハ!」

 

 

爆煙が晴れた陸上ではカナの目の前に弾着した後が残っており砲撃を受けた大和は頭から血を流しながら睨み付ける

 

 

「固いわねぇ?やっぱり四番スロットじゃ火力が足りないのかしら?」

 

 

「大和!」

 

 

「大…丈夫です!次は外しませんよ!!

一斉射!撃て!!」

 

 

その言葉と共に大和は再び主砲を放つとカナは頬を吊り上げると主砲を動かす

 

 

「面白い事してあげるわ!!ほぉら!!」

 

 

大和が主砲を放ったとほぼ同時に砲撃しカナも砲撃するとお互いの丁度真ん中でお互いの砲弾が直撃し大爆発を起こす

 

 

「う、嘘!?」

 

 

「ば、馬鹿な!砲弾を相殺しただと!?」

 

 

そして爆煙が晴れる前に再び陸上から巨大な砲撃音聞こえると再び大和が後ろに吹っ飛ばされる

だがそれは先程受けた攻撃とは比べ物にならないほどの火力であり大和の艤装が完全に破壊されていき口からは黒い煙を吐いていた

 

 

「大和ぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

「これが撃つってことよ

勉強になったかしら?お代はあんたの艤装と命ってことで

やっぱり大和型は一番スロットね」

 

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「や、大和さん!?」

 

 

 

吹き飛ばされた大和は艤装が完全に破壊されており気を失っていた

その戦闘を見ていた榛名が慌てて助けに来たのだが

 

 

「榛名!!大和を連れて離脱しろ!!」

 

 

「は、はい!!

大和さん!しっかりしてください!!」

 

 

榛名はぐったりとした大和を引き連れその場を離れていくと長門は刃を引き抜き痛む身体を動かし再びカナに挑む

 

 

「まだ戦うつもり?戦艦長門、お前達に勝ち目は無いわよ?」

 

 

「黙れ!!貴様に勝敗を決める権利はない!!」

 

 

長門の言葉にカナは頬を吊り上げながら笑うと艤装のスロットを変更しながら長門と対峙する

 

 

「アッハッハッハ!!あんた面白いわねえ!!

 

良いわ!!なら教えてあげるあんた達がどれほど無力で無価値で愚かなのかを!!

 

最初からあんた達艦娘に勝ち目なんか無いのよ!!」

 

 

 

 

 

 




次回

絶望的な戦い 一振りの希望

圧倒的な火力と自衛力を誇る陸上最強深海の姫カナ
カナのお気に入りにして深海棲艦達を指揮する椿

ドレス島を支配する二人の深海棲艦に苦戦を強いられる長門達連合艦隊
そして彼女達は追い詰められていく


堀を一旦中断して資材回収~
一週間で二万近くは回復するから日曜日に全力で掘るぞ!
ネルソン!グレカーレ必ず確保せねば!!

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