艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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突破口

瑞鶴とグラーフがカナから制空権を奪い何とか連合艦隊が少しだけ有利になっていた頃長門達は椿と対峙しながら苦戦を強いられていた

 

 

「良くもまぁ、姫様から制空権を奪ってくれましたねぇ……

これは早めに決着をつけないと行けませんねぇ!!」

 

 

「く……化け物め…」

 

 

「ゲホッゲホッ……」

 

 

「何なんデースかこいつ…」

 

 

「これが始祖級…ですか……ゲホッ」

 

 

椿は一人で長門、陸奥、日向、大井、金剛と対峙しながらも余裕な表情で戦い全員を唖然とさせていた

異常なまでの学習能力と相手の行動を記憶する能力はどんなに多くの艦娘が対峙しようとも相手にならず長門は考え込んでいた

 

(何か……何かあるはずだ!

完璧無敵な深海棲艦何てものは存在しない!!

突破口を見付けなくては!!)

 

 

「アハハハハ?まさか私の突破口を見つけようとしてますかねぇ?

なーがーとぉ?」

 

 

「っ!?」

 

 

心を読まれてしまい困惑する長門を椿は嘲笑いながら陸奥へと突っ込もうとする

 

 

「早く私を倒さないと!また貴女は妹を失いますよぉ!!!」

 

 

「貴様ぁぁぁぁ!!」

 

 

その言葉に怒りを覚え長門は全速力で椿に突っ込み拳で殴りかかるがそれを軽く椿は受け止める

 

 

「アハッ!そうですよ!もっと!もっと殺意と怒りを露にして私に向かってこい!!それを打ちのめすが楽しいんですよぉぉぉぉ!!!」

 

 

「そんなことさせませんよ!!」

 

 

だが、次の瞬間椿の横から突然砲弾が飛んでくると着弾し爆発を起こし舌打ちをする

 

 

「リシュリュー!」

 

 

「……痛いですねぇ、戦艦ですかねこれは

しかも日本製じゃない……驚きました…まさか海外の奴まで居るとはね……」

 

 

先程赤城を連れていったリシュリューが戻ってきており更にその後ろから二人の戦艦が椿に向かっていく

 

 

「行くぞ!ウォースパイト!!」

 

 

「えぇ!先程はやられましたが挽回しますよ!!」

 

 

「ガングート!ウォースパイト!お前達、他の深海棲艦達は!?」

 

 

「羽黒や他の重巡達に任せている!コイツは強いのだろ?赤城に言われてな助太刀に来た!!」

 

 

二人は艤装を椿にぶつけるとその隙にリシュリューが装填し再び砲撃しようと構える

 

 

「驚きましたねぇ……まさかロシア艦も居るとは…

だが良い!!それでこそお前達(艦娘達)だ!!!

楽しませてくださいよ!!精々ねぇ!!」

 

 

「ほう?随分と好戦的だな!貴様!!」

 

 

「私みたいに好奇心旺盛なのは構いませんが私達の事を倒せるんですかね!!」

 

 

「倒せますよ?舐めないで欲しいですねぇ!!」

 

 

ぶつけてきた二人の艤装を椿はおもむろに掴もうとするが

 

 

「ウォースパイト!ガングート!そいつは軽々と私達の艤装を持ち上げます!!掴まれないでくだサーイ!!」

 

 

金剛に言われ慌てて距離を取ろうとする二人であったが

 

 

「逃がしませんよぉ!!」

 

 

「きゃっ!嘘!」

 

 

ウォースパイトの艤装だけ掴まれてしまいそのまま軽々と艤装を持ち上げる

 

 

「な、何だ!こいつ!!」

 

 

「アハハハハ!意外と軽いもんですねぇ!!」

 

 

艤装を掴むとそのままガングートに向けて振りかざすのだが

 

 

「離しなさい!!」

 

 

「これ以上はやらせまセーン!!」

 

 

「チッ!めんどくさいですねぇ!!」

 

 

金剛て大井が掴んでいた手に集中攻撃をしウォースパイトを離させると金剛がウォースパイトを助け出す

 

 

「大丈夫デースか?」

 

 

「え、えぇ、ありがとう」

 

 

椿は依然変わらず陸奥達を相手しながらもかなり余裕に戦っており長門は歯を食い縛りながら考えていた

 

 

(何か!何かあるはずなんだ!考えろ!!

コイツの弱点を!こいつと…同じ…………)

 

 

長門がそんなことを考えていると一つだけ思い出す

 

 

「……こいつの能力…佐渡提督の『先読み』に似てないか?」

 

 

そう思い付くと長門は陸奥達にいい放つ

 

 

「陸奥!金剛!大井!ウォースパイト!ガングート!日向!リシュリュー!すまない少しだけ時間をくれ、そいつの足止めを頼む!!」

 

 

「「「了解!!」」」

 

 

「ほほう?何かするつもりですかぁ?やらせるとでも!!」

 

 

椿はその言葉を聞くと真っ直ぐ長門に向かっていくがその間をリシュリューと陸奥が止める

 

 

「行かせないわよ!!」

 

 

「貴女の相手は!私達よ!!」

 

 

「相変わらずウザいですねぇ!!」

 

 

二人が椿を止めていると長門は急いでインカムを使い佐渡と連絡をとる

 

 

「佐渡提督!!居るか!?」

 

 

『おう!どうした長門?』

 

 

「もし!もしもだ!全てを一瞬で記憶出来二度と攻撃が当たらない相手が敵となった場合どう戦う!?」

 

 

『………そうだな、まずその相手のトラウマや受けたくない攻撃方法を探す…かな?』

 

 

「トラウマ…だと?」

 

 

佐渡はインカム越しにその相手(椿)の対処法を話していく

 

 

『一瞬で記憶できるとき覚えていると言うことは受けた傷や痛みを覚え続けると言うことだ

その中には何かトラウマになってるものがあるはずだ

忘れたくても忘れられない痛みが』

 

 

「トラウマ………」

 

 

長門は考える、ここまでの戦いとその記憶を

この場に居ない者、椿の言動、攻撃、動き全てを

 

 

(考えろ…考えろ…考えろ……何があったいまここに居ないのはさっき飛行場姫の攻撃を受けた大和、瑞鶴、グラーフ………それより前を…視野を広げて…何か………)

 

 

一人戦場で深く息を吐きながら考えていると一つだけ疑問を思い出す

 

 

(………飛行場姫の謎…そうだ!何故佐渡提督は分かったんだ!?)

 

 

「佐渡提督!まだ、聞きたいのだが良いか!?」

 

 

『お、おう?どした?』

 

 

「何故貴方は飛行場姫の謎を解き明かした!?

教えてくれ!!」

 

 

『あ、あぁ実はな飛行場姫の縄張りで昔出撃した人の報告書があってな

それに書いてあったんだ

戦艦タ級を瀕死に勝つ寸前まで行ったのだが飛行場姫の砲撃にーーー』

 

 

「誰だ!その艦隊の砲撃を受けた艦娘と言うのは!!」

 

 

『いや?そこまでは記載してないんだ』

 

 

「すまないが調べてくれ!そいつだ!そいつが突破口になる!!」

 

 

『分かった!少しだけ待ってろ今すぐ調べる!!』

 

 

その言葉と共に通信を切ると長門は一人で戦い続けている椿を睨み付ける

 

 

(誰だ…誰がお前に傷を付けたんだ!!)

 

 

 

 

 

 





次回

弱点

昔、椿に傷を付け瀕死にしたものが居る
その情報は藁にもすがる思いで佐渡達に尋ねる
果たして彼女を瀕死にしたのは誰なのか?


一応これもフラグでしたが気付いた方はいらっしゃいましたか?
翔鶴さんをレベリングして装甲にしようとしたらカタパルト足らねぇ!!
なんてことだ!!


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