艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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絶望 二

「全砲門!放て!!」

 

 

「アハハ!当たりまセんねぇ!!」

 

 

椿は笑いながら長門達と対峙しその後ろではカナが主砲を構え長門達に狙いを定めていた

 

 

「次はどうしようかしらね」

 

 

「金剛!大井!飛行場姫を任せられないか!?」

 

 

「了解!!」

 

 

「任せてくだーーー」

 

 

「行かせませんよぉ!!」

 

 

長門が言った瞬間椿は金剛と距離を詰めその艤装を掴むとそのまま持ち上げる

 

 

「なっ!」

 

 

「アハハ!!吹き飛んでいけぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

そしてそのまま、霧島が戦っているところに投げ飛ばすと気付いた霧島が金剛を受け止める

 

 

「お姉様!大丈夫ですか!?」

 

 

「大丈夫デース……全くあの化け物本当にーーー」

 

 

「金剛!避けなさい!!」

 

 

大井の言葉に気付き慌ててカナの方角へ向き直ると金剛を捉え砲撃しようとしていた

 

 

「ナイス椿」

 

 

「霧島!!離れてくだサーイ!!」

 

 

「お姉様!!」

 

 

瞬間的に金剛は霧島を突き飛ばすとそれと同時に金剛にカナの砲撃が着弾し爆煙に包まれる

 

 

「金剛!!!」

 

 

「命中、やりなさい!あんた達!!」

 

 

カナの号令を聞いて深海棲艦達は一斉に負傷した金剛に集まり沈めようとしてくる

 

 

「お姉様の事は!!」

 

 

「やらせませんよ!!!」

 

 

金剛に向かっていく深海棲艦達に比叡、榛名が立ち塞がりその行く手を防ごうとするもその後ろで再びカナが照準を定めており慌てて金剛は起き上がる

 

 

「お姉様!まだ動かない方がーーー」

 

 

「退いて!!霧島!!!」

 

 

「次は……あんたかしらね!!」

 

 

起き上がり何とか動くと榛名の肩を掴むと無理矢理後ろに下げさせる

 

 

「お姉様何をーーーー」

 

 

榛名が言った瞬間再び金剛にカナの砲撃が着弾し爆煙に包まれながらその場に倒れてしまう

 

 

「「お姉様!!」」

 

 

「う……そ…どうして!?」

 

 

「チッ、アイツまた私の弾道を読みやがったわね……」

 

 

金剛は二度の砲撃にボロボロになっており艤装は半分壊れ口から血も流していた

 

 

「ゴフッ……利きます…ね……この砲撃…は……」

 

 

「お姉様どうして!私より重症なのに!!」

 

 

「そんなの……当たり…前デス……妹を守る……のはお姉ちゃん…の……役目…デース…!」

 

 

その言葉と共に金剛はヨロヨロと立ち上がりながら両手を広げるとカナに向けて叫ぶ

 

 

「飛行場姫!妹達には一発も当てさせませんよ!!

私の大切なたった三人しか居ない妹に傷は付けさせません!!!」

 

 

「お、お姉様……」

 

 

「言ってくれるじゃないの……良いわよ…なら次の砲弾で仕留めてやるわよ!!!

第一スロットに変更!葬ってやるわよ!!その身体で耐えられるかしら!?」

 

 

「金剛!!」

 

 

長門は慌てて金剛へ向き直りそのカナの砲撃を病めさせようとするがその前には椿が遮り行く手を阻む

 

 

「退けぇぇぇ!!椿!!」

 

 

「アハハハハハ!!嫌に決まってるでしょう!!

お前達はここで死ぬ運命なんですよ!!!」

 

 

「くっ、なら私が!!」

 

 

「手伝うわ!

大井ちゃん!!」

 

 

「行かせませんよぉ!!

戦艦部隊!!そこの戦艦と軽巡を止めろ!!」

 

 

椿の指示でル級とタ級が動きだし二人の行く手を阻む

 

 

「邪魔よ!!退きなさい!」

 

 

「私達の邪魔をしないで!!!」

 

 

二人が助けに行こうとする中カナは着実にその砲を金剛に向けておりそれを止めようと榛名達は金剛を動かそうとする

 

 

「お姉様辞めてください!!そんなことしたら!!」

 

 

「そうです!お姉様が犠牲になる必要は無いんです!!」

 

 

「私!装甲にも痛みにも耐える自信があります!!だからどうか!!」

 

 

だが金剛は血を流しながら淡々と続ける

 

 

「無理デース、あの砲撃からは誰も逃げられません

もしここから私が一歩でも動けば多分三人が狙われます

だから」

 

 

そして、心配そうにする三人にニカッと笑かける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんに任せて

妹達に頼ってばかりの駄目なお姉ちゃんだからさ」

 

 

「「「お姉様!!」」」

 

 

「覚悟は決まった様ね……なら死になさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グ……ゴホッ……ごほ…私は……そうだ!飛行場姫を!!ぐぅ!!」

 

 

「うぅ……痛い…でも起きなきゃ……!!」

 

 

カナの主砲が金剛に向いている頃、気絶していた古鷹と磯風は同時に意識を取り戻し何とか立ち上がろうとしていたが受けた傷が痛み動けないでいた

 

 

「叢雲が……やられても…我々だけでも……!!」

 

 

「そうだ…よ……私達だけでも……アイツを……!!」

 

 

だが二人は後ろから聞こえる足音に驚き頭だけを向けるとそこには

 

 

「……な……な……な!!!」

 

 

「う……嘘…どう……して……!!」

 

 

一人の艦娘が二人の間をフラフラと通り抜け地面に突き刺さっていた薙刀を手に砲撃をしようとしていたカナの背後を見ると睨み付け薙刀を握り締める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………やら……せない!!」

 

 

そしてボロボロの身体に鞭を打ち走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冷却完了!!さぁ金剛型!!

その耐久でコイツを受けたらどうなるか見物だわ!!!」

 

 

カナの艤装が完全に砲撃体制に入り刺股を地面に突き刺すと同時に金剛はその砲撃を受ける覚悟を決めニヤリと笑う

 

 

「やっと……榛名…比叡…霧島……

お姉ちゃんらしいことが出来るね

見ててね、私が皆を守るから!!!」

 

 

「駄目です!お姉様!!」

 

 

「動いてください!!お姉様!!」

 

 

「いや、いやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

三人は全力で金剛を動かそうとするが全く動かない金剛に悲鳴を上げる

(ごめん、叢雲……私こんなことしか出来ない…や

でも貴女なら許してくれるよね?

それに信じてるよ、叢雲が飛行場姫を倒してくれるってだから)

 

 

「私は!!喜んで盾になります!!

こい!飛行場姫!!!」

 

 

「良いわよ!死になさい!!

金剛型!!砲撃用意!放ーーー」

 

 

そして金剛に向けてカナが砲撃しようとすると一人の艦娘が勢い良くカナの上に飛び上がりその砲身に向け落ちていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させるわけ!!ないでしょうがぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

「なっ!!な、な、な!!!!」

 

 

 

「叢雲!!!」

 

 

 

そしてカナの砲撃より瞬間的に早く到達した叢雲は主砲に踵落としを食らわせ無理矢理その砲の軌道を反らす

放たれた砲弾は金剛の目の前の海面に着弾し巨大な水柱を上げ何とか着弾を避けることが出来た

 

 

「あんたの相手は私よ!!!

カナぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「ば、馬鹿な!!何であんたがここに居るのよ!!!

叢雲!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 





次回

あり得ない

カナから砲撃を受け何とか再び立ち上がった叢雲
そして満身創痍のままカナと対峙するがカナ本人が大混乱に陥っていた

これでやっとこのお話……と言うより戦闘が半分ですね!
ぶっちゃけカナ戦は長期化しちゃいますね……強すぎますからねコイツ(作者ですが)



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