艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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援軍 三

「う、嘘よ!!何で生きてるの!?」

 

 

「当たった…筈……砲撃は命中した筈!!」

 

 

ローマ達が流石の事に驚いていると長門は唇を噛み締めローマ達に指示を出す

 

 

「ローマ!!次発装填を急げ!!!

効いてないわけじゃない!!奴は何らかの方法で砲撃を弱体化させたんだ!!!」

 

 

「くそ!やっぱり駄目デースか!!」

 

 

「何なのよ……何なのよ!!コイツ!!!」

 

 

連合艦隊と援軍に恐怖の二文字が駆け巡る中、椿は身体をくねらせながらカナの姿に幸悦を覚える

 

 

「あぁ!あぁ!流石は私が認めた最強の姫様!!

さぁ!お前達!!今のうちに援軍が持ってきたあの兵器を破壊しろぉぉぉぉ!!!」

 

 

椿の指示により再び深海棲艦達が動きだし62型を狙い出し同じ陸上に居た叢雲達はそのカナの姿に呆然としていた

 

 

「あ、アイツは無敵なのか……?」

 

 

「あれを受けて動けるなんて……」

 

 

「いや、『受けてないわ』アイツは」

 

 

「は?どう言うことだ?叢雲?」

 

 

叢雲の言葉に疑問を覚え尋ねるとその理由を説明していく

 

 

「……アイツの主砲を見てみなさい

さっきまで冷却されていた筈なのに熱を持ち白煙が上がってる

つまり、アイツは自分に砲弾が着弾する寸前で二門の主砲を放ち62型の砲弾を無力化させたのよ……」

 

 

「は、はぁ!?」

 

 

「そんな!それを一瞬で!?」

 

 

「何て奴なの……あぁ言うのの対処法は確かに佐渡聞いてるけど…あれは桁違いよ…

でも確かに私との相性は最悪で最高の様ね……」

 

 

叢雲達がカナの様子を見ていると首をゴキゴキならし艤装の損傷箇所を細かくチェックしていく

 

 

「うーん、やっぱり接射は無茶か……

両主砲はかなり負荷があるか……全くアイツ…今度あったら承知しないわよ……

仕方無い、尻拭いをしますか」

 

 

カナは両主砲を62型に合わせ艤装を地面に固定させるために刺股を突き刺すと再び艤装に座るように動き出す

 

 

「椿!!少しばかり任せるわよ!!!

あの兵器を破壊するわ!!!」

 

 

「はい!!姫様!!!

全艦隊!姫様を援護しろ!!!」

 

 

カナの号令と椿の命令に反応した深海棲艦がカナを守るように動き始め空母達は艦載機を飛ばし他の深海棲艦は62型に向かっていく

 

 

「ローマ!!急げ!!!

奴から何か来るぞ!!」

 

 

「っ!次発装填を急いで!!龍驤!警護をお願い!!」

 

 

「分かったでぇ!全艦!この馬鹿デカイ兵器を守るでぇ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

「全艦隊応答しろ!お前達の中で陸上戦闘出来る艦娘は居るか!?」

 

 

『ーーこちら沖縄艦隊旗艦阿武隈!私は少しばかり出来ます!』

 

 

『ーーこっち北上~、あたしは出来なくは無いけど多分比叡の方が良いと思うよ』

 

 

『ーーこちら横須賀の榛名です!私は出来ませんが夕立さんと時雨さんが確か陸上戦闘経験があるはずです!!』

 

 

『ーーうぅ、こちら呉鎮守府の神通……私が経験があるのですがこの通り基幹をやられているため……代わりに鈴谷さんと熊野さんを打診します…彼女達なら出来る筈です……』

 

 

『ーーこちら、佐世保の不知火私が近接戦闘経験があり陸上戦闘もやったことがあります

後、木曾も自前の剣技があるため戦力になると思います』

 

 

「こちらガングート!すまない!私が出来るのだがコイツを見ていなくてはならなくてな!参加できそうにない!!」

 

 

「分かった!!では、沖縄の阿武隈

佐伯の比叡

横須賀の時雨、夕立

呉の熊野、鈴谷

佐世保の不知火、木曾

今呼ばれた者は、ドレス島に上陸し叢雲達の援護に迎え!!!

万が一がある、それにどうやら三人ではキツいらしい!!

頼むぞ!!!」

 

 

『『『『『了解!!!』』』』』

 

 

 

長門はその報告を聞くと連合艦隊全員に指示を出していきそれぞれの鎮守府に居る陸上でも戦える艦娘を選出し向かわせていき動けなくなっていた金剛を運ぼうとする

 

 

「長門!お姉様は私にお任せを!貴女は椿を!」

 

 

「すまない!頼む!!」

 

 

「はい!お姉様、大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫デース……艤装さえ直れば戦えマース!」

 

 

それと同時に神通と山城も他の艦娘に連れていかれ再び明石達が居る後方へと下がっていく中カナが再び座り出していることに気付く

 

 

「叢雲!今、カナが鎮座している!!倒せないのか!?」

 

 

『無理よ!こっちは敵の艦載機に攻撃されて動けないのよ!!』

 

 

叢雲達も鎮座しているカナを見えているのにも関わらず海上にいる空母艦隊に攻撃を受け全く身動きが出来なくなっていた

 

 

「綾波!装填は出来る!?」

 

 

「はい!もう少しで次発撃てます!!」

 

 

「扶桑!62型の冷却はどう!?」

 

 

「後少しです!もう少しだけ!!」

 

 

ローマ達は62型を庇いながら戦いカナはその様子を艤装から覗きあるスロットに変更していた

 

 

「確か、アイツの話によれば外装は深海棲艦の強化外装を使ってるはず

でもアイツらが持っているとは思えない、だが万が一を備えて第1は辞めておきましょう

……正直これは使いたくなかったんだけどね……」

 

 

カナが呟くと艤装からガチャンと何回か音が聞こえると更に刺股の数が増えゆっくりとその砲門を62型へ向ける

 

 

「ローマさん!装填完了です!!」

 

 

「扶桑!砲撃用意!!」

 

 

「待ってください!まだ、もう少しで終わるんです!!」

 

 

「はよ撃たんか!!敵さん間違いなくそれを壊す気やで!!」

 

 

62型の撃つパネルにはオーバーヒートの文字が出ており砲身が熱を持っていた

二つの兵器がお互い構えているがカナのアブソリュートは62型より冷却時間が短く先にカナが62型を捉える

 

 

「砲撃場所は奴の装甲が薄い両方の側面、そしてそこは砲弾のリロードの為に撃ち抜きやすく誘爆しやすい場所……撃ち抜くわよ第2スロット、狙撃裂傷弾(サイレントエンド)

 

 

カナが完全に主砲を向け62型を破壊しようとする

 

 

「扶桑!早く!!」

 

 

「まだです!あとほんの少し!!」

 

 

「冷却すればエエんやな!?ならこれでどうや!!」

 

 

それよりも先に龍驤62型の真下の海上を爆撃するとその威力で水柱が上がり物理的に砲身を冷却するとパネルに冷却完了の文字が出る

 

 

「っ!!冷却完了!撃てます!!」

 

 

「龍驤!ナイス!!

良し!砲撃用意……撃てぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

「62型水上単装砲!!撃て!!!」

 

 

扶桑がパネルを操作すると砲撃用意に入り静かに動きだし砲撃しようとする

 

 

「良し!ぶっぱなしたれ!!」

 

 

カナより早く砲弾を撃てると確信したローマ達は勝利を確信していた

だが、カナが言った次の言葉に全員が混乱する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「椿!!私の盾となり守りなさい!!」

 

 

「はい!!姫様!!」

 

 

カナの号令を聞いた椿は戦闘を中断しカナの前へと向かっていこうとする

 

 

「待て!誰がいかせーー!」

 

 

長門が何とか椿を捕まえようとするがその行く手を他の深海棲艦に止められてしまっていると椿はカナの前に動く

 

 

「な!アイツ!仲間を犠牲にするつもり!?」

 

 

「流石は深海の姫ですね……勝利の為に仲間を捨てるとは!!」

 

 

「でも、何でや?アイツは飛行場姫のお気に入りやろ?何でそんなことを……」

 

 

と話している間カナは笑いながら椿に問いかける

 

 

「椿、貴女になら出来るわよね?私が思ってることくらい?」

 

 

「えぇ!お任せください、貴女様の無茶振りなんて今更ですからね!!」

 

 

二人が謎の会話をしていると62型が完全にカナを捉えると砲撃準備に入る

 

 

「まぁ、良いこれで戦力を削げる!!

吹き飛ばせ!!62型水上単装砲!!!」

 

 

その瞬間62型から砲撃音と衝撃がローマ達を襲うと同時に椿が海上より飛び上がる

 

 

「やりなさい!!私の最強の部下よ!!」

 

 

「お任せあれ!カナ様!!!」

 

 

そして椿は自らの両腕を異常なまでに巨大化させると砲撃されてきている62型の砲弾両腕で掴む

 

 

「なっ!?あ、アイツ!!砲弾を両腕で止めた!?」

 

 

「ば!馬鹿な!有り得ない!!」

 

 

「ぐぎぎぎぎぎぎぎ!!!!」

 

 

椿はギリギリ砲弾の信管に当たらないように掴みその威力を押さえその砲弾を何とか動かそうとする

 

 

「ふ、フル……パワー……!!!

どっっっっっっせい!!!」

 

 

そして全力の力を込めてその砲弾をカナから反らすと島の左半分に命中しそこにあった森が大爆発を起こし燃え盛っていく

 

 

「は、弾き飛ばした!?」

 

 

「嘘……嘘嘘嘘!!有り得ない!!有り得ない!!!!

何なの!アイツは!?」

 

 

「くふぅ……では姫様後はお願いします……」

 

 

「えぇ、助かったわよ私の秘書艦ちゃん

さてと、じゃあ次は私の出番ね!!!」

 

 

椿の有り得ない程の力に圧倒されているとカナが続けて砲撃体制に入り62型を狙いを定める

 

 

「不味い!62型を動かしーーー」

 

 

狙撃裂傷弾(サイレントエンド)……発射!!!」

 

 

そしてカナの砲撃が始まり二発のライフル弾の様に鋭い弾丸は真っ直ぐ62型に向かっていき見事狙いを定めていた場所に命中する

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「くぅ!かなり来ますね!衝撃が!!」

 

 

「綾波!扶桑!大丈夫!?」

 

 

「命中、ま、こんなもんか」

 

 

その命中した砲弾の衝撃に綾波と扶桑がやられており心配するが62型を見ると二つの砲弾が中心まで突き刺さった状態で止まっていた

 

 

「扶桑!状況確認!」

 

 

「62型損傷大!ですがもう一撃は撃てます!!」

 

 

「分かったわ!ごめん綾波お願いできる!?」

 

 

「わ、分かりました!!」

 

 

「何や不発弾かそれなら良かっーーー」

 

 

と龍驤が安心していると妙な音に気付きローマに問い掛ける

 

 

「………ローマ、あんた何か時計なんて持ってる?」

 

 

「何を言ってるの!?持ってるわけ………」

 

 

ローマと龍驤が話している最中どこからかカチカチと音が二人の耳に聞こえその音がどこから聞こえるか探ろうとする

 

 

「馬鹿ねぇ、私が不発弾なんて撃つわけないじゃない?

どんなに硬い兵器でもね必ず弱点や壊せる方法がある

それに第二スロットは対人ではなく対兵器用

それが着弾した時点で負けなのよ」

 

 

カナは笑みを浮かべているとその音の正体を龍驤が突き止める

 

 

「砲弾や!さっき飛行場姫が撃った砲弾から音が聞こえる!!!」

 

 

「な!まさか!?で、でもそんな砲弾有り得ない!!」

 

 

「ローマ!!!今すぐその兵器から離れろ!!!

巻き込まれるぞ!!」

 

 

その様子に気付いた長門は精一杯の力を込めてローマ達に避難を呼び掛ける

そしてカナは主砲をしまい刺股を解除すると指を兵器に向けると一言呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狙った獲物は逃がさない

さぁ、起爆しなさい狙撃裂傷弾(サイレントエンド)

 

 

そして着弾した砲弾から音が聞こえなくなると同時にローマと龍驤は頭を伏せ綾波と扶桑も62型から全速力で離れ先程の砲弾が膨張し起爆すると62型が内部から大爆発を起こし辺りに居た援軍達に大ダメージを負わせ62型を木っ端微塵に破壊する

 

 

「ばーか、私に兵器は効かないわよ

私を倒したいなら直接来なさい」

 

 

 

 

 




次回

陸上最強姫カナVS陸上連合艦隊

62型を破壊され落胆する援軍達、それでも叢雲達は諦めずカナを倒そうと努力する
そして、長門が通達した各鎮守府の援軍が叢雲達と合流する

カナ強くし過ぎた感が凄い()
でもまぁ、これぐらい強くないとね!!
そして秋刀魚と言うよりは鰯が足りねぇ!!



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