艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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決戦 陸上姫カナ 三

目の前に立つその姫eliteカナと単身対峙しているだけでその威圧感を感じながら古鷹はすこしばかり怯えていた

(……改めてカナの前に立つけどやっぱり凄い…

殺意と怒り……そして今までに無いほどの圧倒的な存在感に押し潰されそうになる…正直勝てる見込みは無い

この人の砲撃は私より上手くしかも火力も桁違い……身の丈にはあってないけれど!!)

 

 

古鷹は後ろで意識を集中させる叢雲を横目にその砲をカナへと向ける

 

 

「それでも戦うんだ!」

 

 

「アハ!本当お前達は愚か者だな!!

たった一人の為に全員が命を賭けるとはねぇ!!

笑えてくるわ!雑魚共がぁぁぁぁぁ!!」

 

 

古鷹はすこしばかり距離を取ると主砲を脚に向けると同時にカナは近寄ろうとしてくる

 

 

「お前に距離を取るとこっちが危険だからね!

詰め寄らせて貰うわよ!!」

 

 

「やっぱり!接近してきましたか!!」

 

 

それと同時に古鷹はカナの脚を撃ち抜くがやはりほとんどダメージになっておらずカナは主砲を古鷹に向ける

 

 

「くたばりなさい!!」

 

 

「くっ!」

 

 

その瞬間カナは古鷹に砲撃するとそれを交わすと同時に地面を撃ち抜く

 

 

「どこ撃ってるのよ!お馬鹿さん!!」

 

 

「もう一撃!!」

 

 

そしてそのまま顔に向けて砲撃すると艤装を動かしその砲撃を無力化しながら更に接近してくる

 

 

「だから効かないってーー!!」

 

 

と言っている瞬間カナはガクンと体制を崩しその場に転けてしまい地面に顔をぶつけそうになる

 

 

「な、何で……っ!まさかこいつ私の足下にあった地面を撃ち抜いたのか!?」

 

 

「今!一斉砲撃!!」

 

 

体制を崩したカナ目掛けて全砲門から砲撃し命中すると爆煙に包まれるが更に距離を取る

 

 

「上手く嵌まってくれたけど油断は出来ない

叢雲がいつも言ってるもんね、確実に倒したと確認出来るまで油断はするなって」

 

 

「その意気込みは合ってるわねぇ、流石はアイツの仲間と言うべきね」

 

 

その言葉と共にカナは爆煙を切り裂き古鷹を睨み付けていた

 

 

「全く、下手に近寄れないとはねぇ?

本当にアイツの仲間はめんどくさい……」

 

 

「お褒め頂き恐縮だよ」

 

 

素直にそれを誉め言葉と古鷹は受けとるとカナは主砲を後ろの地面へと向けると身体を震わせる

 

 

「そうね、それならもっと早く貴女に近付いてあげる!!」

 

 

「何をする気!?」

 

 

「久しぶりね……でもこれを使うと周りも破壊するから嫌なんだけどあんたには丁度良いわ!!」

 

 

カナの艤装である主砲アブソリュートを半分まで縮小させると地面に向けて砲撃しその爆発で勢いで古鷹と距離を詰める

 

 

「っ!そんな無茶苦茶な使い方!?」

 

 

「私も無事では無いし諸刃の剣だけどこれが一番楽なのよ!!」

 

 

そのやり方は叢雲の脚を撃ち抜き距離を稼いだやり方と似ては居るものの明らかにその火力の物でやるものではなく直ぐ様古鷹に手が届く程の距離まで詰め寄る

 

 

「く、このぉ!!」

 

 

流石の古鷹も慌てて砲撃を撃とうとするがそれよりも先にカナが主砲を弾き飛ばし腹部を思い切り殴りつける

 

 

「ぐぅ!」

 

 

「吹き飛びなさい!」

 

 

腹部を殴られた痛みに耐えながら古鷹は何とか脚に付いている魚雷をカナへと蹴るように放ちそれと同時に勢い良く吹き飛ばされ木に激突し魚雷を見ると不発に終わっていた

 

 

「アハハ!良く飛ぶわーーー」   

 

 

「今っ!!」

 

 

だが古鷹は腹部と背中の痛みに耐えながら肩の主砲を魚雷目掛けて砲撃し爆発させると近距離で爆発を起こしカナはその威力にふらつく

 

 

「クソ!やっぱりただではやられない……か!!」

 

 

だが痛みはほとんど無くカナは再び主砲を地面に向けると砲撃しその勢いで古鷹と距離を詰めると古鷹を踏みつけ主砲を向ける

 

 

「く……こ…この…!」

 

 

「ばーかあんた達がどんだけ足掻こうが勝てるわけないでしょうが

にしても、安心したわ

これで少しは楽になる」

 

 

カナは少しずつ体重をかけていくと古鷹は苦しみに声を上げていく

 

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「このまま!踏み潰してあげるわよ!!」   

 

 

「古鷹さんから!」

 

 

「離れろぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

苦しむ古鷹の後ろから木曽と不知火が襲い掛かるがカナは主砲を軽く動かすとその砲を二人に合わせ接射を放ち二人は爆煙と共に吹き飛ばされていく

 

 

「まだ動けたのか、全くめんどくさーーー」

 

 

「この!!」

 

 

二人に少しだけ意識を反らしたカナの腹部に向けて古鷹は接射をすると叢雲が付けた傷がすこしばかり開き血が吹き出す

 

 

「………こいつ!!!」

 

 

「はは……やっぱり傷は痛むんだね!」

 

 

「ふざけやがってぇ!!」

 

 

その砲撃がカナを完全に怒らせてしまい古鷹の首を持ち上げるとそのまま思い切り空へ投げ付けると跳躍し再び地面に叩き付ける

 

 

「ガハッ!」

 

 

「このクソ餓鬼!私に更に傷を付けるとは!!ぶっ殺してやるわ!!」

 

 

背中に異常な負荷がかかり激痛に襲われていると再び磯風達が立ち上がりカナへと向かっていこうとする

 

 

「それ以上古鷹に手出しはさせん!!」

 

 

「雑魚は黙って倒れてろぉ!!」

 

 

そして再び二門の主砲を磯風に向けると砲撃し吹き飛ばすと再び古鷹を踏みつけようとするのだが

 

 

「っ!居ない!!アイツどこに!?」

 

 

薄れている意識の中古鷹は誰かに抱え込まれておりゆっくりと地面に下ろされる

 

 

「……叢…雲…?」

 

 

「えぇ、ごめんなさい

少し遅くなったわ

安心して休んで良いわよ古鷹」

 

 

「……うん…後はお願い……」

 

 

「時雨、夕立

古鷹をお願い」

 

 

「分かったよ!」

 

 

「了解っぽい!」

 

 

古鷹の頭を優しく撫で二人に古鷹を任せると叢雲は立ち上がり艤装を構えるとカナを睨み付ける

 

 

「なぁんだ?戻ってきたの?

怯えて震えるのは終わりかしら?」

 

 

「……………」

 

 

カナの言葉に耳を貸さない叢雲の瞳は赤く染まっておりその姿に嫌な予感が直感を刺激し叢雲へ襲い掛かかる

 

 

「お前!何をした!!その瞳は何だ!!

やっぱりお前を先に!!」

 

 

「…………踏み込みからの右手からの左手での切り裂き」

 

 

「っ!?」

 

 

カナは全速力で叢雲に近寄りその呟きの様な声を聞くとすこしばかり困惑するが踏み込み右手で切り裂こうとするが叢雲は簡単にそれを交わし再び左手で切り裂こうとする

 

 

「遅い」

 

 

「っ!!」

 

 

叢雲はその左手を動かさないようにするために先に左主砲を左の二の腕に命中させ再び艤装で腹部の傷を抉ろうとする

 

 

「く!こ、こいつ!!」

 

 

「…主砲でガード、からの反撃せず後ろにバックステップ」

 

 

「っ!!!????」

 

 

その呟きと自分の行動が一致していることに気付く事は出来た

だがそれでもそれしか動けることが無くカナは同じ行動をしようとするが主砲でガードする前に叢雲は薙刀を放し脚で思い切りカナの右足を蹴り飛ばし転げさせると薙刀を拾い思い切りカナの右腕を突き刺す

 

 

「ぐ!こ、コイツ!!」

 

 

カナは突き刺さった状態で主砲を動かし叢雲に当てようとするがそれを軽々と叢雲は交わし伸びた主砲を踏みつけながら薙刀を引き抜き振りかざそうとする

 

 

(こ、こいつ!可笑しい!さっきから私の行動を!!)

 

 

「切り裂く!!」

 

 

「クソが!!」

 

 

思い切り振り下ろした刃はカナが自爆覚悟で残していた最後の副砲を地面に押し立てながら接射し無理矢理艤装を動かす事で叢雲の体制を崩させることで何とか防いだ

 

 

「まだ、そんなのを!」

 

 

「離……れろ!!」

 

 

そして地面を思い切り蹴ると艤装を反転させ叢雲もそれを理解しているかの様に後ろへと飛び回避する

カナは刺された痛みと叢雲の行動が先程と全く変わってることに気付き困惑していると叢雲は静かにカナを睨み付ける

 

 

「お前……何を得た(・・)!!あの少しの時間に何をしたんだ!!」

 

 

「…………私は負けない…自分の全てを犠牲にしても…絶対に仲間を守って見せる」

 

 

カナは初めて未知(・・)と言うものを知る

その力は深海側には無く叢雲と佐渡にし得られていない力

そして、それを初めて敵であるカナへとぶつける

 

 

 

「お前はもう、私に攻撃を当てることは出来ない(・・・・・・・・・・・・・・)

行動も攻撃も回避も私はお前の先を読む(・・・・・・・)!!カナ!!!」

 

 

その瞳は真っ赤に染まり少しだけ髪先が朱色に変化していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『サァ見セテミロオ前ノ最後ノ足掻キヲ』

 

 




次回

発動 叢雲最強の能力先読み(未来予知)

叢雲は奥の手であり最後の力先読みを発動させる
そして着実に決着の時とタイムリミットは迫っていた

やっとここまで来ましたね!
今年中には終わるかな?

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