「あぁ~……疲れたぁ……」
時は真夜中二時をとっくに回り、三日間の憲兵達の尋問を受け、佐渡は帰還した
それから服を粗方脱ぎ、シャツ一枚でそのまま布団に倒れ、久しぶりの柔らかい感触を楽しむ
「叢雲あんにゃろう……
しかも、変な事まで言ってやがって………
今度ピーマン炒めだけにしてやろうか」
布団に倒れ込み、感触を楽しんでいると睡魔に襲われ、寝る寸前になったとき不意に扉をノックする音が聞こえる
「誰だぁ~
今日は休ませろよ~」
佐渡は、立ち上がりドアを開けるとそこには前に来たときと同じワンピースを着ながら大井が立っていた
「………おう?また来たんか?」
「えぇ、お邪魔しますね」
この前と違うのは、佐渡をしっかりと見て、返事を待たずに部屋に入る
扉を締めると大井はソファーでは無く、ベットに座りながら外を眺める
「何だ?今度は?」
「……二人きりで話したいんです」
「二人きりでの話?何だよ?」
大井は、深呼吸をすると立ち上がり佐渡を真っ直ぐ見ると口を開く
「……私を抱き寄せてください」
「…はい?てか、お前男嫌いだろ?無理すんなって……」
「良いから!!」
頭をかきながら、この我が儘お嬢様の言う通りに大井を抱き寄せようと腰回りに手を伸ばす瞬間やはり大井はビクンっと震える
「だから無理するなっ…」
「早く!!!」
「はいはい……」
大丈夫なのか?と思いながらも佐渡は大井を抱き寄せるとやはり震えている
大井は黙り身体を震わせているが、しばらくするとそれが止まり落ち着いたらしく深呼吸をする
「……お願いがあります」
「何だ?俺の出来る範囲なら聞いてやるぞ?」
佐渡は、お腹に当たる大きいものの感触に関して欲を無にするのに必死になっているが何とか返事を返す
「私は、男嫌いの欠陥兵器です」
「だからお前は…」
「聞いてください!」
大井が声を荒げて、佐渡の言葉を遮ると深呼吸を再びして口を開く
「それでも、貴方は私を使ってくれると言ってくれました
だから、私は貴方の為にこの男嫌いを直したいんです……
手伝って頂きませんか?私のこの欠陥を直す事の?」
佐渡は、そんなことかと思いながらも大井の頭を優しく撫でるとベットに座り大井を笑顔で見る
「俺で良ければいくらでも手伝ってやるよ」
その返事を聞くと、大井は満面の笑みを浮かべ佐渡を真っ直ぐに見る
「これから、よろしくお願いいたしますね!
提督!」
「おう!改めてよろしくな、大井!
ようこそ、小笠原鎮守府へ!」
こうして、小笠原鎮守府に三人目の艦娘
軽巡 大井 が新たに仲間に加わったのである
その日は、綺麗な満月であり、窓から入る月の光が二人を照らしていた
秘密の夜会end
この後、めちゃくちゃ夜戦は……してませんよ?