艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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最終局面 六

磯風が再び戦線に復帰しカナと戦いを繰り広げている最中他の艦娘達はまだ動けずにいた

磯風同様カナの実力と気迫にやられ恐れていたからである

だが、その中で磯風は自らに向き合い本当の覚悟をし一人抜けだした

 

 

その姿に誇り高さを感じた阿武隈は一人歩き始める

 

 

「阿武隈さん!行っては駄目です!!」

 

 

「どうして?死ぬから?」

 

 

「そうだよ!あんなの勝てるわけない!!

確かに磯風は強いし小笠原は強い!!でもその皆が押されてるんだよ!!分かるでしょ!?」

 

 

本物の化け物に成り果てたカナは確かにとんでもない

金剛の砲撃も大井の雷撃も磯風の接射も叢雲さえも効かず全てを破壊しつくす勢いで六人を殺そうとしている

 

 

「……ねぇ、あたしね一度失いかけたんだ

大切な物を

……皆を、沖縄鎮守府を」

 

 

「それは知ってますわ!!でもあの時は状況が違う!!

あの時居た歴戦の戦艦棲姫何かとは比べ物にならないですわよ!!」

 

 

「そうです!あれとは違いすぎます!!

あれは叢雲さん達と貴女達が居たからなんとかできました!でも今回は違う!!」

 

 

阿武隈が歩き出していると他の艦娘から弱気な声が聞こえてくると唇を噛む

 

 

「そうだよ!あれは耐えれば良かったんだ!!

でも今回はあれを倒さないといけないんだ!!それに攻撃は全く通用しないのに!あっちの攻撃で一度でも受ければ瀕死なんだよ!!

あんなの!勝てるわけないよ!!」

 

 

「だから阿武隈!叢雲達に恩義があるとかで行ってもーーーー」

 

 

「違わなくないよ!!だって!今私はその大切な物を失おうとしてるんだもん!!」

 

 

阿武隈の声に時雨達は驚くが阿武隈は続けて時雨達に言い放つ

 

 

「だって!今あの姫を倒さないと次に狙われるのは私達の鎮守府何だよ!!

次に狙われるのは私達の大切な物と大切な人なんだよ!!

だから!あの時と変わらない!!全く!!

私達が援軍として到着するまで戦艦棲姫を押し止めていたのは叢雲達だ!全く関係ない!私達の為に!!

あの人達は!小笠原の人達は命を掛けてくれたの!!

それなのに私達は何!?ここで叢雲達の戦闘を傍観することしか出来ないの!?」

 

 

阿武隈に言われてしまうとそれぞれ顔を伏せてしまう

そんな姿を見ていた阿武隈は一人走り出そうとする

 

 

「呆れた!何が連合艦隊なの!!!艦娘として誇りはないんだ!!貴女達の守りたいものってのはそんなものなんだ!!!

失っても良いと思える物なんだ!!自分の命すら掛ける価値が無いならそこでずっと傍観してなよ!!

私は違う!叢雲達が命懸けで守ってくれた物を今度は私達が守る!!」

 

 

そう言うと阿武隈は一人カナへ向けて走りだしてしまう

そしてその言葉を聞いて何人かが笑いだす

 

 

「……木曾、死ぬ覚悟は出来ますか?」

 

 

「今更だな、いつでも行けるぜ!!」

 

 

「では、行きますよ!!」

 

 

阿武隈に続いて木曾と不知火が走っていくとその後ろで鈴谷達が覚悟を決める

 

 

 

「言われちゃったね……でもその通りっしょ」

 

 

「す、鈴谷!?」

 

 

「アハハそうだね、お姉様に甘えてたのかな

お姉様なら勝てるって」

 

 

「ちょ!ちょっと比叡さん!?」

 

 

「あそこまで言われてしまうと倒さないと行けませんね」

 

 

「ちょっと神通本気?」

 

 

阿武隈、そして不知火、木曾に焚き付けられた鈴谷、比叡、神通は戦う意思を見せ歩きだす

 

 

 

「だってさ熊野、今勝つ可能性で死ぬか後で仲間を失って死ぬかだよ?だったら今やらない?」

 

 

「……それもそうですわね…私としたことが…やってやりましょう!鈴谷!!」

 

 

「その意気だよ!熊野!!」

 

 

「だって!私達は守るものの為に戦ってるんです!それなら今戦わないと!!」

 

 

「で……でも…」

 

 

「……そうだよね、戦うしか無いっぽい!!」

 

 

「夕立!君までも!?」

 

 

「だって!大和だって力を貸してくれるんだよ!やるしか無いっぽい!!」

 

 

「山城、めんどくさいとは思いますが付き合ってくれませんか?」

 

 

「………はぁ…そうね、それにこれ以上姉様が傷付くのは見たくありませんし貴女を一人で行かせるわけにはいかないしね」

 

 

そして全員が覚悟を決め再びカナへと向かっていき接戦を繰り広げている叢雲達と合流する

 

 

「叢雲ー!!私達も手伝うよ!!」

 

 

「阿武隈!……全く来なくて良かったのに!」

 

 

「阿武隈さん!助かります!!」

 

 

「ちゃっちゃと倒して皆で帰ろう!!」

 

 

「行きますわよ!!鈴谷!」

 

 

「お姉様!!私も共に戦わせてください!!」

 

 

「比叡!……全く良い妹デースね!!」

 

 

叢雲と磯風の二人がカナと近接戦闘をしている中に不知火、木曾、阿武隈、夕立、時雨、神通が加わり中距離で戦っている古鷹達に鈴谷達が合流し援護に加わる

 

 

「さてと、これでさっきと一緒ね!カナ!!」

 

 

「ドレダケ雑魚が増えヨうと変わらないわよ………お前達をここで逃がセばいずれ脅威二なる……

必ずこの海デ沈めてクレる!!」

 

 

全員の決意と覚悟の中カナは主砲と爪を向けると叢雲達はカナへと走り出す

 

 

「この化け物を倒すわよ!!一瞬でも気を抜いたら死ぬと思いなさい!!」

 

 

「あぁ!」

 

 

「了解!!」

 

 

「分かったぜ!」

 

 

「行きましょう!!」

 

 

「やってやるっぽい!!」

 

 

「行くよ!!」

 

 

 





次回

命を掛けろ

全員が覚悟を決め再びカナと対峙する
だが覚悟を決めただけでカナを倒せるほどこの化け物は甘くない

この話イベント終わるまで書き終わるかな……
既にイベント一つ越えてるしなぁ……
作者だけど…



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