艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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艦これ初めて一ヶ月
初のイベントにwktk しております!


不穏な影

時は流れ、六月二六日

ここは沖縄宮古島多良間島正面海域

時計が十二時を回っており、海は砲撃音と爆音により騒がしかった

多良間島の住民から、沖縄鎮守府へと『深海棲艦が出現』の緊急伝達が行き現在

深海棲艦と沖縄鎮守府在住の艦娘達は戦闘を行っており、その状態は劣勢

こちらの戦力は、旗艦軽巡一人 駆逐艦三人 軽空母一人 重巡一人

に対し夜間故に灯台からの光でしかほとんど見えないが深海駆逐艦十体 軽巡八体 重巡七体 空母五体 戦艦三体 そして、奥に黒い巨影一体の大艦隊だ

戦力差が酷く、多良間村の正面まで後退しながら戦うざるを得なかった

 

 

 

『阿武隈さん!多良間島の住民は全て避難させました!!』

 

 

ある、駆逐艦が旗艦阿武隈(あぶくま)に通信を入れると砲撃をしながらこちらは沖縄提督へと連絡を入れる

 

 

「提督!多良間島の住民避難完了!

どうされますか!?」

 

 

阿武隈は、耳に付いてるインカムで話かけるがその瞬間深海駆逐艦が海の中から飛び上がり阿武隈に襲い掛かるが、飛び上がり海上の上に出た深海駆逐艦の下に滑り込み、主砲を押し付け零距離砲撃を当て深海駆逐艦は胴体から木っ端微塵に吹き飛ぶ

 

 

『状況はどうだ!?被害状況は!』

 

 

 

「よろしくありません、向こうの戦力が分からず後退しながら戦闘を行っておりましたが、遂に多良間島正面海域付近までの進行を許してしまいました

被害状況は、阿武隈小破 潮(うしお)小破 龍驤(りゅうじょう)中破 朧(おぼろ)中破

那智(なち) 中破そして……」

 

 

艦隊の奥で一人、潮に抱き抱えられながら悔し涙を流し右腕を真っ赤な血で染め、左足の太股から下を無くし唇を噛み絞めている少女

 

 

「……曙(あけぼの) 大破重症です」

 

 

 

曙と呼ばれた少女は、真っ直ぐに深海棲艦を睨みながら痛みに必死に耐えていた

 

 

 

「曙ちゃん……大丈夫?」

 

 

「こんなの平気よ……

クソ……あんな奴等に…」

 

 

必死に強がるがそんなわけは無い、先程から左脚には潮風が当たり痛覚だけが刺激しており

右腕に関しては痛みが麻痺しているが、全く言う通りに動こうとしない

 

 

『すぐに帰投しろ!!

曙の守る用に輪陣形を取りながら、沖縄まで戻ってこい!!』

 

 

「ですが提督!!それでは多良間島を見捨てることに!!」

 

 

『バカ野郎!!向こうの戦力が分からないのにこれ以上戦闘をしても何の成果も得られんぞ!!

住民は避難が完了してる、これ以上君達が傷を追ってもこちらが不利になる一方だ!!

それと、誰一人として轟沈は許さん!!』

 

 

沖縄提督の必死さがインカム越しにでも伝わり、阿武隈は納得し、全艦隊に指示を出す

 

 

 

「通達!戦闘を中断し、全艦沖縄鎮守府へと帰還せよ!!

損傷が酷い艦を庇いながら撤退してくださーい!!!」

 

 

『『『了解!!!』』』

 

 

阿武隈が、インカムで指示を出すとインカムから今出撃している艦娘達はその指示を聞き命令通りに撤退する

 

 

「潮ちゃん、曙ちゃんは私に任せて」

 

 

「ありがとうございます、阿武隈さん」

 

 

大破している曙を抱き抱え、走り出そうとすると那智が忌々しく深海棲艦を見ながら何かの準備をすると龍驤がそれを静止する

 

 

「那智!何やっとるんや!!

撤退するで!!」

 

 

「なぁに、私は小破だ最後にあの巨影の姿を見てやろうと思ってな!!」

 

 

那智は、艤装から探照灯を取り出し脚に付けると正面にいる奥の巨影を照らしその正体を確認する

 

 

「なんだ……あれは…」

 

 

「うちが見たことある奴と大分違うで……」

 

 

その正体を見た二人は、探照灯の先を見て呆然としているのを見た阿武隈は二人の側に行く

 

 

「二人とも!!撤退だってば言うことを聞いてくださいよ!!!」

 

 

「阿武隈……あれを見ろ…」

 

 

「あれって………え?」

 

 

那智が照らす、その先には確かに深海棲艦が堂々といたが実際は本体よりはその後ろにいる艤装を見て唖然としていた

その艤装とは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手は鋭い爪の様になっており、手の甲に恐らく戦艦の主砲であろう物が二門ずつあり、両肩にはそれよりも巨大な主砲を四門ずつ背負っており腹部には頑丈そうな鎧を身に付け左脚には魚雷発射官まである

口半分開きっぱなしで、深海棲艦の本体が腕を撫でている

まるで暴れるのを抑えてるかの様にも見える

そして、何よりもそいつはデカイ

従来のその深海棲艦が所持してるものより倍近くでかく、恐らく人間なら丸呑みに出来るほどである

 

 

「あれ……『戦艦棲姫』…だよな?」

 

 

「あぁ……うちの記憶が確かなら…やけど」

 

 

戦艦棲姫

深海棲艦の上位個体

人間の女性と同じ見た目ではあるが、頭には角が生え、肌は雪の様に真っ白である

この姫自体は武器を携帯しておらず、管が繋がっており動く艤装と共に活動する

その艤装とは、まるでゴリラの様な見た目と目の無い口だけの顔と背中に巨大な主砲を背負った物で、基本的には遠距離からの砲撃を得意とする

そして、姫級は他の深海棲艦を操ることが出来るため良く艦隊での発見報告が上がっている

 

 

「グァァァァァァァ!!!!!」

 

 

探照灯の光が眩しかったのかは分からないが艤装は咆哮をすると両肩から主砲を那智達に向け、斉射してくるが運が良かったのか那智達の周囲に着弾し水飛沫が上がる

 

 

 

「那智!!すぐに探照灯を捨てて!!

逃げるよ!!」

 

 

「わ、分かった!!」

 

 

那智が探照灯を投げ捨て、全速力で航行し始めると再び深海駆逐艦や重巡達から砲撃を避けながら撤退する

 

 

「逃げるでぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸いなことに、今回の深海棲艦の目的が多良間島だったらしく向こうがこれより彼女達を追撃してくることはなかった 

 

 




戦艦棲姫より戦艦水鬼の方が強いとつい昨日初めて知りました……

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