艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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今回、二人のお話になります!

詰め込みました!!








我、沈マズノ姫 五

『………ここは?』

 

 

長門は暗闇の中目を覚ます

先程まで戦っていた戦場ではなくどこか暗い場所

 

 

『……身体は動くか…ではない!!飛行場姫は!?叢雲達は!?

…どこだここは!?私は何故こんなところに!!』

 

 

《ここはお前の心の中だ》

 

 

声が聞こえその方角に振り返ると深海化した長門の姿があった

 

 

『………成る程、飛行場姫の仕業か』

 

 

《飛行場姫?違う彼女ではない》

 

 

『…なら、誰だと聞きたいところだが今そんな余裕はなくてな

何故出てきた?嫌、何故……主砲を構えている』

 

 

深海化した長門は艤装を長門に構えており当然の事の様に話し出す

 

 

《…分からんのか?お前と言う存在そのものを殺すためさ》

 

 

『…やはりかそう言うと思ったよ

一つ聞かせてくれ、お前は私と言う存在を殺した後どうするんだ?』

 

 

《……死ニ行クオ前ニ言ウ必要ガアルト?》

 

 

その瞬間深海長門は歪んだ笑みを浮かべ艤装を展開すると長門に全砲門を放つ

 

 

 

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『……ここって……』

 

 

古鷹が目覚めた場所は長門と違っていた

そこは牢獄

昔、白鳥達によって捨てられ幽閉されていた場所

最も古鷹が思い出したくない場所であり今の古鷹を作り出した原点でもある

 

 

『……動けない、やっぱり鎖で繋がれてるんだね』

 

 

古鷹の手は鎖で繋がれ近くには拷問器具が置いてある机がありそれを見ると震えが止まらない

そして、牢獄の扉が開かれるとある男が姿を見せる

 

 

『あぁ、起きてたんだ』

 

 

『……拷問官さん…』

 

 

その顔はガスマスクをしており古鷹を最も精神的に肉体的に追い詰めた男である拷問官の姿があった

 

 

『さて、そろそろ認める気になったかい?』

 

 

『……何度同じことを言っても変わりませんよ?』

 

 

『強気だねぇ?その強気がいつまで続くのかな?』

 

 

ガスマスクの拷問官はドリルを取り出すとそれを勢い良く回転させ古鷹に何をするのかを理解させる

 

 

『……さて、今日はあることをしよう

君の手の甲に穴を開けてどれだけ空くかの実験もとい拷問だ』

 

 

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《コノ程度カ!戦艦長門!!》

 

 

『くっ!コイツ!!』

 

 

暗闇の中長門は深海長門から砲撃を受けておりそれを交わしながらも砲撃するがそれは全て深海長門に交わされる

 

 

《弱イ!話ニナランナァ!!大人シクソノ身体ヲ寄越セ!!》

 

 

『断る!!私の身体をお前に渡す気はない!!!』

 

 

《ナラバ死ネェェェェェ!!!》

 

 

深海長門の砲撃が長門に直撃すると焼ける痛みが全身を走ると同時に深海長門が抱えている負の感情が流れ込む

怒り、悲しみ、絶望、失意、恐怖、憎悪

その感情に長門は流されないように頭を押さえていると深海長門が爪を振り下ろそうと近付いてくる

 

 

《死ネェェェェェ!長門!!!》

 

 

『く、私であるものの強いな!!』

 

 

長門はその爪を受け止めるとやはり深海長門から負の感情が頭に流れ込む

全てを奪った怒り

仲間を失った悲しみ

妹を失った絶望

何も出来なかった海軍への失意

強すぎる歴戦姫達への恐怖

深海棲艦達への憎悪

 

それが走馬灯の様に駆け巡り長門は苦しみながらも深海長門の意図を理解する

 

 

『貴様……まさかわざと私にこれを見せているな!!』

 

 

《良ク分カッタナ??オ前ハ忘レテハイケナイ

コレハ全テオ前ガヤッテ見テキタ真実ダ

私ハオ前ノ負ノ感情

オ前ガ忘レヨウトスルモウ一ツノ存在

ダカラ私ニ寄越セ!!全テヲ破壊シテヤル!!!

深海棲艦モ姫モ始祖モ歴戦モ海軍モ人間モ全テ全テ全テ全テ全テ全テ全テ全テ!!!!

壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ壊シテ

殺シテ殺シテ殺シテ殺シテ殺シテ殺シ尽クシテヤル!!》

 

 

深海長門の瞳は怒りに燃えているのが見え長門は後退りをする

(これが私……なのか?…抑えていた怒り?

…そう思えば思うほど自らの事を理解できる

だがこの怒りは…違う八つ当たりだ)

 

 

『……お前の願いは全てを壊すことか?』

 

 

《ソウダ!!!世界ニ生キル者全テヲ殺サイト怒リハ収マラナイ!!》

 

 

『……違うな、お前の怒りはただの八つ当たりだ!!』

 

 

長門は深海長門の爪を強く握り締めると怒号を飛ばす

 

 

『お前の怒りはほとんどが私に向けてだ!!無力で!無価値で!弱い私へ対するな!!』

 

 

《違ウ!!私ハ弱クナイ!!!》

 

 

『良いや!私は弱い!!!

なら!何故あの時私は動かなかった!!助けられる命があったのに!……陸奥を助けられたのに!!!』

 

 

《黙れェェェェェ!!!》

 

 

その瞬間深海長門は爪を離し長門に拳を当てながら怒りを吐露する

 

 

《弱くナイ!!私ハ!あの時ワザト動かナカった!!

アソコデの全滅ハ駄目ダカラ!!ダカラ!!》

 

 

『ではなんで!!あの時私の身体を乗っ取った!!

磯風と二人目の陸奥を助けてくれたんだ!!!』

 

 

《決まっテルダロ!倒セタカラ守りたカッタからダ!!!!》

 

 

深海長門の拳が長門に命中しそれに対して長門も怒りを露にしながら深海長門を殴り続ける

 

 

『なら!何故今の状況で出てこなかった!!』

 

 

《危険ト判断シタカラダ!!!》

 

 

『仲間がやられてるのにか!!』

 

 

《死ンデハイナイ!!》

 

 

『貴様の理念は何だ!!』

 

 

『正義ヲ執行スルコトダ!!』

 

 

『お前は何なんだ!!』

 

 

《私ハ!正義だ!!》

 

 

『正義とは何だ!!』

 

 

《ソンナモノ!!!……ソンナモノ………アレ……?》

 

 

すると深海長門は頭を押さえ長門から後退りとブツブツと話しながら考え込む

 

 

《………何ダ……正義ッテ?》

 

 

『……分からないだろうな今の私には』

 

 

長門はそう言うと額から血を流しながらゆっくりとした足取りで深海長門に歩み寄る

 

 

《クルナ!!撃つぞ!!》

 

 

『撃ってこい!私は逃げない!!』

 

 

深海長門はその瞬間長門に向けて砲撃するが砲弾が何故か長門に当たらない

 

 

《な!何デ!?》

 

 

『…………』

 

 

《クルナ!!来るなァァァァァァ!!!》

 

 

すると深海長門は主砲を長門に向けて砲撃していくがその砲弾は全て当たらず長門は深海長門の目の前まで行くと立ち止まる

 

 

《クッ!死ねェェェェェ!!!》

 

 

深海長門は勢い良く爪を長門の腹部に突き刺すと痛みで顔を歪めるがその爪を長門は握り締める

 

 

《は!離セ!!》

 

 

『断る!!お前が私に「怒り」を見せたんだ!

ならお前も私の中にあるものを見るがいい!!』

 

 

《辞メロ!!辞メロォォォォォォ!!!!》

 

 

深海長門は長門と繋がった状態になると今まで、そして長門を倒した叢雲の事を垣間見ることになる

その光景を脳裏に映しながら深海長門は悔しそうに唇を噛む

 

 

『……諦めろ、お前が今外に出ても負けるんだよ

何も殺せない何も壊せない

あの艦娘は、叢雲は………私達より強い

信念も実力も度胸も覚悟も全て…私達より上だ』

 

 

《…………………分カッテタサ、今出ても意味がないと》

 

 

深海長門は爪を抜くと力なくその場に座り込むと瞳に涙を浮かべる

 

 

『私達は井の中の蛙だ、海軍の中で最強と呼ばれ心酔していたな』

 

 

《……海には私達より遥かに強い奴がいる、今目の前に居る姫もそうだ

私達では勝てない……殺されて終わりだ

ハハハ、やはり弱いんだな私達は、何もかも奪われて終わりだ》

 

 

『……そうか?今、私達には心強い仲間が居るじゃないか?』

 

 

《仲間……?あのお前よりひ弱な奴等が?

あんなのは仲間なんて……》

 

 

『呼べるさ、弱いとか強いとかは関係ない

私達と共に戦い繋げてくれた仲間だ』

 

 

長門は微笑みながら話していると深海長門もクスッと笑う

 

 

《……お前は敗北から変わったな、お前を縛り付けていた正義はなくなったと言うことか………ハハハ、凄いな駆逐艦叢雲は》

 

 

『そうだ、アイツは凄いんだ

小さな身体の癖に大きな背中に諦めの悪さ、絶望に打ち勝つほどの勇気

………私の憧れだ』

 

 

その姿を見ていた深海長門は呆れたように溜め息を付くと立ち上がる

 

 

《辞めだ、お前の身体を乗っ取っても私は簡単に殺されそうだ

それに、お前の執念はどうやら壊されたみたいだしな》

 

 

『あぁ、見事大火力の雷撃でな

流石に死ぬかと思ったけどなあれは』

 

 

《言えてる》

 

 

深海長門と長門は笑い合うとお互い手を取る

 

 

『すまない、私はまだ弱いのは分かっている

でも任せてくれないか?私はこれからもっと強くなる

お前の世話にならないほどに』

 

 

《ハハハ、そうだな

私の力は禁忌だ使わないが吉

………でも今は違うな?》

 

 

『流石私だな、分かってくれている

頼む、力を貸してくれ

今奴と戦っても勝てる見込みが無いんだ

いくら叢雲達でもアレを倒せるとは思えん』

 

 

《……まぁ、無理だろうな

奴は姫であって姫ではない

正しく化け物(災害)と言うほどだ

良いだろう今回だけだ

ただし、後で対価は貰うぞ?》

 

 

『その時は言ってくれ、出来る限りの叶えよう』

 

 

《はは、では楽しみにしておこう》

 

 

長門と深海長門は握手をしていると妙な浮遊感に襲われ二人は共に浮上していくと深海長門がまるで幽霊の様に身体が透けていく

 

 

《私の力はかなり反動がある

その代わり、それに対した力を与えてやろう》

 

 

『あぁ、助かる

では共に行こうではないか、(深海長門)よ』

 

 

 

 

 

 

 

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『へぇ?今回は泣かないんだね?』

 

 

古鷹は手の甲に大きな穴を開けられ全身も焼け焦げて居るのにも関わらず涙も声も上げなかった

 

 

『つまらないなぁ、もっと泣いて見せてよ!!』

 

 

拷問官が古鷹を蹴り飛ばすが古鷹はうんともすんとも言わない

 

 

『全く気味悪』

 

 

『痛みには……馴れました』

 

 

『………は?』

 

 

古鷹は焼け焦げた身体を動かし立ち上がると手の甲から血を流しふらつく脚にムチを叩く

 

 

『肉体の痛みはいずれ消えます、私達は艦娘(兵器)ですから

だから、こんなの痛い内に入りません』

 

 

『…………へぇ?じゃあ何なら痛いのかな?』

 

 

『…知ってますか、艦娘ってかなり感情が豊か何ですよ

希望、勇気、嬉さ、悲しみ、絶望

負の感情にも支配されやすいんです』

 

 

『…何が言いたいんだ?』

 

 

『簡単な事です、私を屈服させたいなら痛みは効かないと言うこと

もう……私に痛みは効きません

貴方に散々苦しめられ痛め付けられましたからね』

 

 

『……そうだね?君はいつも泣いていたね?

提督ー衣笠ー青葉ー木曾ーっていつもいつもいつも』

 

 

 

『えぇ、あの時の私は皆が助けてくれるって信じてました

私が助けたんだから助けてくれるって』

 

 

『でもだーーーーれも来なかったよねぇ!!お前は見捨てられて!ここで拷問を受け続けてたよねぇ!!

いやほんと!笑えてくるよ!!いつもいつも泣いてる君を見て俺は楽しかったよ!!最高だった!!アハハハハハハハハハ!!!!』

 

 

拷問官が大声で笑う中古鷹も微笑むと頭を下げる

 

 

『そうですか、それは良かったです

貴方を楽しませられてたんですね』

 

 

『………あ?』

 

 

『いえ、私は少しは貴方の役に立ててたんですねと思いまして』

 

 

古鷹の言葉に苛つくと懐から銃を取り出し古鷹の脚を撃ち抜く

 

 

『…てめぇ、ふざけてるのか?』

 

 

『ふざけてませんよ、だって私は艦娘(兵器)なんですから』

 

 

『ならここでお前を殺しても良いんだよなぁ!!』

 

 

『構いませんよ、ただし覚悟してくださいね』

 

 

古鷹はその言葉と共に血が滴る脚を引きずりながら拷問官へと歩き出す

 

 

『はぁ!?兵器を殺すのに覚悟!?舐めてるのかぁ!!』

 

 

『いいえ、私の命は私の物ではないということです』

 

 

『は?何言ってるんだお前は!!』

 

 

『私の命は佐渡さんと叢雲の物です

だから私はここでは死ぬことはない、貴方が殺そうとしても私はここで死ねないんですよ』

 

 

『そんなわけ!!!』

 

 

『ありますよ、あの人達は約束してくれました

私を助けてくれるって

どんなことになっても守ってくれるって

だから私はここでは死なない!!!』

 

 

『ヒッ!』

 

 

古鷹の気迫にやられ拷問官は後退るが古鷹は前に進み続ける

 

 

『どうしたんですか!撃ってみてください!!私は死にません!!心臓を撃ち抜かれようとも!頭を撃たれようとも!!目を取られようとも!!私はここで死ぬことはない!!

さぁ!撃ってみなさい!!』

 

 

『辞めろ!辞めろ来るなァァァァァァ!!!』

 

 

拷問官はすっかり変わったしまった古鷹に怯え銃を乱射するもその弾丸は古鷹の服を掠め一発も当たらない

後退りを続けていると背中のドアにぶつかり古鷹は目の前まで到着し最後に胸に銃を押し当てる

 

 

『は!ハハハハ!!退けよ!兵器風情が!!

このまま撃ったら死ぬぞ!いくらお前でも!!』

 

 

『なら撃ってみなさい!ほら!!ここですよ!!』

 

 

だが古鷹は全く臆することなく拷問官の銃を持つと自らの心臓の場所に押し当てる

 

 

『ほら!撃ってみなさい!!拷問官!!!』

 

 

『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

 

その瞬間拷問官は銃の引き金を引くがカシャンと空発の音が響き渡り古鷹は笑みを浮かべる

 

 

『ね、私は死なないでしょ?』

 

 

『あ…………あぁ……』

 

 

古鷹の度胸に感服した拷問官はその場に崩れるように座り込むと楚々をしてしまい笑みを浮かべながら部屋を開ける

 

 

『では、失礼しますね拷問官さん』

 

 

笑みを浮かべながらその言葉を告げると拷問官は唖然とした状態で拷問室に残される

 

 

『……ここってそう言えば何処だろ?、でもさっき拷問室だったしもしかして大本営?……え?もしかして飛行場姫や佐渡さんは夢の出来事!?

え?え?じゃあ、私まだ捕まってる状態!?

………どうしよう…私…』

 

 

《……違うよ、ここは貴女の意識の深層》

 

 

『え?』

 

 

古鷹が振り返るとそこに拷問室は無く代わりに古鷹と瓜二つの深海化した古鷹が居た

 

 

《貴女は今海上で》

 

 

深海古鷹が説明しようとした瞬間古鷹はダッシュすると深海古鷹の肩を掴むとグラグラと揺らしながら必死に聞く

 

 

『じゃ、じゃあ佐渡さんや叢雲は本当の事なんだよね!?居るんだよね!?私の妄想じゃないよね!?』

 

 

《違う!違うから!貴女に起きたことは事実!拷問官は!私が用意したの!!だからお願い!離して!!》

 

 

『そうだよね!そうだよね!!!はぁ…………良かった……あ、ごめんなさい!!大丈夫ですか!?』

 

 

《ゆ、揺れる……世界が…揺れる……》

 

 

しばらくした後、深海古鷹が咳払いをすると古鷹は正座をさせられながら起こられていた

 

 

《私が幻覚を見せたのも悪かったけど、だからと言えど説明中の私に攻撃とは良い度胸ですね全く》

 

 

『ごめんなさい……』

 

 

《はぁ……

今、貴女は始原の力によってこの意識の深層に引きずり込まれた形になってます》

 

 

『始原の力…?』   

 

 

《えぇ、その力は海上に生きる深海棲艦を操り操作することが出来る覇者の力

だから今貴女は私によって強制的に深層に囚われている状態ということです》

 

 

『そんな力が……じゃ、じゃあさっきのは!』

 

 

《……貴女を試したんです、変わったのかどうか》

 

 

『どうして?』

 

 

《……この深層は、(深海古鷹)貴女(古鷹)のどちらかが負けを認めるか死ぬまで出れないからです

深海棲艦に蝕まれている者の落ちる場所、それがここです》

 

 

『……そう、何だ

じゃあ貴女は私を殺すの?』

 

 

深海古鷹は首を横に振るうと哀しそうに笑う

 

 

《いいえ、私は貴女の負の感情である『絶望』によって生まれたもう一人のもう一つの可能性(姿)です

……それに私はもう貴女に負けています》

 

 

『え?』

 

 

《私は貴女の感情と言いましたよね?だからあの時、青葉を殺そうとした時既に力を解放していました

貴女を乗っ取ってたんです

ですが貴女は自力……いえ、あの二人(佐渡と叢雲)に繋がれていた鎖で私を抑え込んだんです

貴女の心にあった積み重ねられた殺意と怒りと憎悪を全て》

 

 

古鷹は胸に手を当てあの時の事を思い出す

(……そうだ、あの時間違いなく青葉を殺そうとした、頭の中には怒りと憎悪だけになって私を裏切った人を……)

 

 

《あの時私は貴女を奪い取ったと思いました、ですが貴女は再び抑え込み自らの力で倒したのです私を》

 

 

(……あの時、佐渡さんの声が頭に響いて殺しては行けない助けなきゃって…思ったとき既に身体が動いていた

そうか…そうだったんだ……)

 

 

《そして、私は完全に貴女に敗北し消える寸前でした

貴女の中にある絶望も怒りも憎悪も同時に消えていき、今ここにいる私はその残りの様な物です

ですが、先程始原の力により私は再び姿を取り戻した……いや取り戻してしまった》

 

 

すると深海古鷹から鼻を啜る音が聞こえ古鷹が見上げると泣いていた

 

 

《……ごめんなさい……ごめんなさい…私は……あの力が来たとき……消えたくないと…願ってしまった……私の役目は終えたのに……貴女が見る世界が……楽しくて……まだ見ていたくて……》

 

 

『………そっか、私が本当の意味で壊れなかったのは貴女が居てくれたからなんだね

…貴女が肩代わり…してくれてたんだね…私が本当の意味で壊れるのを寸前で止めてくれてたんだね』

 

 

その言葉と共に古鷹は壊れそうになっている深海古鷹を優しく抱き締めると頭を撫でる

 

 

《ごめんなさい……私は……》

 

 

『ありがとう

私に取り付いてくれて』

 

 

《……え?》

 

 

深海古鷹は涙を流しながら古鷹を見ると笑みを浮かべており優しく頭を撫でていた

 

 

『…貴女が私に取り付いてくれなかったらね、私はもう死んでいたと思うの

だってあの時私はこの世界全てに絶望して希望も何も無かったんだから

深海化しなければ私は何もかもから逃げ出して死んでいたと思う』

 

 

《違う…!私が取り付かなくても貴女は!!!》

 

 

『違わないよ、だって私は深海化して暴走してきた艦娘を見たことがあるから

その艦娘達は怒りや憎悪に満ちていた、深海棲艦がそうさせてきたんだって思ってた

……だからいつか私もそうなると思っていた

でも貴女は違った』

 

 

《ち、違う!私は貴女の絶望によって生まれて……だから!》

 

 

『じゃあ、何であの時最後に佐渡さんの言葉を思い出させる為にほんの少しだけ私の意識を戻したの?』

 

 

《そ、それは……貴女を…試した……だけ…》

 

 

『他の深海棲艦はそんなことしない、だって貴女達は私が器にし殺すために居るんだから』

 

 

《………無理だよ…貴女を殺すなんて……あんな……あんな酷い事をされて……貴女を殺すなんて……出来ない…!他の奴がどうか何て知らない!……貴女は仲間に対しての殺意が無く…ただ……ただ苦しんでいた…!だから…私は……貴女を助けたかった……そして二人が来てくれた…それでも貴女は自分のせいだと言って……恨んでほしかった…殺意を抱いてほしかった……そうすれば私は貴女を支配できた…でもそうしなかった…だから私は……過去に打ち勝って欲しくなったの……

私は貴女に向き合ってほしかった…!》

 

 

 

『ありがとう……私を見守ってくれてたんだね…本当にありがとう…ごめんね…苦しい思いをさせちゃったね……』

 

 

古鷹は自分だけが苦しんでいたと思っていた、だがそうではなかった

自分に取り付いてしまったが故に深海古鷹も同じ様に苦しんでいたと知り涙を溢す

 

 

《……でもそれも終わり、私はもう貴女の中には居られない》

 

 

『……え?』

 

 

すると深海古鷹は半透明になっていきその姿が光に消えていこうとしていた

 

 

《私は……私のやるべき事を終えた……始原の指示で貴女を倒し器を奪えと命じられた……でもそれは出来ない…だから貴女の覚悟を見たかった…ごめんなさい……また貴女に辛い思いをさせてしまった…でもこれで安心して私は消えることが出来る》

 

 

そう言うと深海古鷹は古鷹を突き放し空を指差すと真っ白な光が見えてくる

その光は暗闇の中にある一筋の光

 

 

 

《さぁ、貴女はここに居てはいけない

このまま浮上すれば意識を取り戻せる》

 

 

『貴女は……どうなるの?』

 

 

《私?私は……どうなるんだろう…でも私と言う存在は無かったことになるかな

貴女と言う器に入りきれなかった私はどこにも行く場所がない

存在という概念である私は多分消えてなくなるんだと思う》

 

 

『そんな!!』

 

 

《大丈夫、もう私は消えかけた存在

居てはいけない存在だったの

それに願いは叶えられたしね、始原様に……いや監視者様に感謝しないとね》

 

 

『……願い?』

 

 

《うん、貴女(表の私)と話すこと

だからもう思い残す事はないの》

 

 

『っ!!』

 

 

古鷹は次第に浮遊感に襲われていき地面から白い光に吸い込まれそうになる

 

 

《ありがとう、(古鷹)貴女に出会えて良かった

貴女に取り付けて良かった

色々な世界を……見せてくれて楽しかったよ

じゃあね》

 

 

『……駄目だよ…そんなこと!!』

 

 

深海古鷹は泣きそうな顔で笑っていると古鷹は歯を食い縛ると無理矢理でも足場を蹴り深海古鷹に抱き付く

 

 

《な!こっちに来ちゃ駄目!貴女は!》

 

 

『駄目だよ!貴女は私なんでしょ!なら貴女も死ぬことは許されない!!』

 

 

《な、何を言って!!》

 

 

『あの人達は言った!私を死なせないって!!

なら貴女も同じです!貴女を消させやしない!!存在を消させやしない!』

 

 

《無、無理よ!私はもう!!》

 

 

『なら!私の器に半分入ってよ!!』

 

 

《……え?》

 

 

古鷹が深海古鷹を抱き締めると浮遊感が無くなり強く強く抱き締める

 

 

『貴女は私なんだよ!私と同じ様に苦しんでたのにこんなのあんまりだよ!!

私達はこれから楽しい生活を送っていくんだよ!!なのに役目を終えたら消えるなんて!そんなことさせない!私が許さない!!』

 

 

《………駄目……私は…深海棲艦…だから》

 

 

『関係無い!それも私何だから!そんなこと関係無いんだよ!!だから!一緒に生きようよ!!!

誰が何と言おうと私は貴女を見捨てない!!絶対に!!

小笠原の皆と仲間達と!佐渡さんと!叢雲と!!』

 

 

《…………何で………私は……ワタシは………》

 

 

古鷹は泣きそうな顔にしながら強く抱き締めていると深海古鷹も抱き締めようとする

 

 

『もう良いんだよ……苦しまなくて…これからは私と一緒に楽しく生きよ?』

 

 

《………良いの?だって……ワタシは……》

 

 

『良いの!私達は同じ何だから!!

だから』

 

 

古鷹は抱き締めていると手を離すと深海古鷹に手を差し出す

 

 

『生きよう?共にこの世界を私達と仲間達と』

 

 

古鷹に言われると深海古鷹はゆっくりと手を伸ばし涙を溢す

 

 

《……うん…!生きたい…!私は……消えたくない…!!》

 

 

それと同時に古鷹と深海古鷹は共に手を取り浮上していくと深海古鷹が涙と共に消えていく

 

 

《私の力を貴女にお貸し致します、私の力は必ず貴女の役に立つはずです

そして貴女ならこの深海の力を使いこなせるはずです》

 

 

『ありがとう…使わせてもらうね!!』

 

 

《私達の敵を!!》

 

 

『倒そう!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……ヤバイわねこれ以上は……」

 

 

「ゲホッゲホ……」

 

 

長門と古鷹が気絶している中叢雲達は二人でカナと対峙していたが全く歯が立たなかった

 

 

「『今の』あんた達二人なら余裕ね……

そろそろトドメいこうかしら!!」

 

 

その瞬間カナは主砲を構えると叢雲と磯風が構えると

 

 

「………ん……」

 

 

「長門!目が覚めたのか……!!」

 

 

長門がピクンと動きゆっくりと起き上がる

だがその身体は真っ白に染まっていき頭からは二本の角が生える

 

 

「まさか!!」

 

 

「不味いわね、こんなときに!!」

 

 

「アハハ!!堕ちた見たいね!!!さぁこれで二対……」

 

 

とカナが言った瞬間長門が二人をすり抜けて走るとカナに向けて思い切り拳を当てるとカナの爪と鈍い音がする

 

 

「なっ!コイツ!!」

 

 

「長門!!」

 

 

「ふん、どうやら大丈夫見たいね」

 

 

「すまない待たせたようだな!!安心しろ私だ!!!

少し力を借りているだけだ!!」

 

 

すると長門は手をカナと同じ爪状に変えるとカナを切り裂こうとするが跳躍と同時に交わされてしまう

 

 

「チッ!逆に支配されたか!仕方無いこの状態から撃ち抜いて」

 

 

とカナが主砲を空中で構えた瞬間何者かがカナを撃ち抜くと大爆発を起こし体制を崩す

 

 

「なっ!何だこの威力!?」

 

 

「長門!」

 

 

「違う!私じゃない!!」

 

 

「皆さん無事ですか!?」

 

 

すると後ろから真っ白な髪と左目が真っ赤に染まった古鷹が駆けてきており二人は驚き叢雲は笑みを浮かべる

 

 

「古鷹!?、お、お前もなのか!!」

 

 

「うん!大丈夫この娘は悪い娘じゃないし、私に力を貸してくれてるの!

終わらせよう!この戦いを!!」

 

 

「ハハ……驚いたな…流石は佐渡司令……か」

 

 

「……流石ね、古鷹」

 

 

「くそ!コイツもか!!監視者めぇ!!余計なことだったわね!本当に!!」

 

 

先程より遥かに火力が上がった深海化した古鷹に力自体が上がった深海化した長門が加わる

 

 

「さぁ!終わらせようこの戦いを!!!」

 

 

「あぁ!やってやろうじゃないか!!!」

 

 

「行くぞ!我々連合艦隊に…海軍に勝利を!!!」

 

 

「行くわよ!最終決戦!!!」

 

 

四人は再び戦闘を開始するとカナは苛つきながら主砲を構える

 

 

「たかが、二体増えただけで勝てると思うなよ!!!艦娘(略奪者)共!!」

 

 

 

 




次回

守る者奪う者

自らに向き合う事で乗り越えた二人
そして深海化した古鷹と長門は再びカナを倒すために立ち上がる
少しずつ情勢は有利になりつつ中でカナは胸の内を話だしてしまう


すっごい詰め込みましたねぇ……初めて一万文字近く書いてしまったとぶっちゃけ思ってますはい()
あ、イベントは順調に進んでますわ、後最後の海域か……アトランタ?は欲しいなマジで…

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