艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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不沈姫 歴戦飛行場姫カナ

叢雲が走り出すと自然も自分の身体が軽く感じ同時に振り下ろされるカナの爪の動きがゆっくりに見えた

 

 

異常(イレギュラー)ガ!排除シテクレル!!!」

 

 

「遅い!!」

 

 

カナの爪を薙刀で弾き飛ばすとその状態から腹部に刃を突き立てると石にでも当たったかの様に弾かれる

 

 

「硬っ!」

 

 

「ソンナ刃効クカァ!!」

 

 

「叢雲!ソイツ二通常ノ攻撃ハ効カナイ!!」

 

 

「そう言うことは早めに言いなさいよ!!!」

 

 

カナの硬い皮膚に叢雲が頭を悩ませていると艤装からノイズと共に声が聞こえた気がした

 

 

『ザザ……刃二血ヲ捧ゲヨ』

 

 

「っ!!誰!?」

 

 

叢雲はその声に驚き辺りを見るがその声の主は居らず不思議に思うがそうも言ってられずに後ろに一歩下がる

(誰かは分からないけれどそんなこと考えてる暇はない!!!)

その声に従い叢雲は手に薙刀の刃を当てると勢いよくそれを引き抜く

 

 

「っ!」

 

 

「叢雲!?」

 

 

「何してるんだ!!」

 

 

だが、すぐに変化が起きる叢雲が流した血は海面に落ちること無く手に停滞していた

そしてその血液が刃に吸い込まれてい薙刀をコーティングしていくと手の傷口が消えていく

 

 

「へぇ、あながち私の中に何か居るってのも嘘じゃないかもね!!」

 

 

刃が真っ赤に染まると叢雲はそれをカナに向けて振りかざそうとすると

 

 

「チッ!姫騎士(プリンセス)ト同ジ技カ!!」

 

 

カナはその刃を見ると舌打ちと共に爪でそれを弾くと叢雲の血液が弾かれカナの身体に付着すると白い肌が少しだけ肌色に変化する

 

 

「っ!あんた……成る程ね!!」

 

 

「気ヅイタカ!!」

 

 

その瞬間叢雲とカナは激しく打ち合い深海長門達はほとんど攻撃できそうに無く離れていた

 

 

「凄い……あのカナと打ち合えてる……」

 

 

「これが…叢雲の力…」

 

 

「……違ウ…叢雲ダケデハナイ……」

 

 

深海長門は呟くと叢雲の見た目が変わっている中に一つの影が見える

それはまるでカナの攻撃を全く通しておらず遊んでいるように見えた

(……何なんだ、叢雲の中にいるソイツは……叢雲に助力してる化け物…一体)

その瞬間深海長門は身体がぐらつき倒れそうになると

(…すまない、長門変わってくれ……これ以上はキツイ…)

(大丈夫だ、ゆっくり休んでくれ)

長門達が入れ替わるとカナと叢雲の打ち合いに決着がつく

 

 

「クタバレ!!叢雲ォォォォ!!!」

 

 

「くたばるのはそっちよ!!カナぁぁぁぁ!!」

 

 

カナの爪が叢雲に当たる寸前でそれを交わし叢雲は刃を下から振り上げカナの身体を切り裂く

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「ガァァァァァァ!!!!」

 

 

今までどんな攻撃も通すことが無かったカナの身体に大きな切り傷が入ると叢雲が叫ぶ

 

 

「長門!磯風!古鷹!行くわよ!!

今コイツの装甲を破壊したわ!チャンスよ!!

私がカバーする!あんた達は撃ちなさい!!」

 

 

「了解!!」

 

 

「流石だな!叢雲!!」

 

 

「行くぞ!奴を倒す!!!」

 

 

叢雲が切り裂いた傷口から血が溢れて居るのを確認したカナは再び艤装を構えると怒り狂う

 

 

「ヨクモヨクモヨクモ!!!この私二傷ヲ付けてくれたなぁ!!!!」

 

 

その瞬間カナは右主砲を構えると長門達に照準を合わせると長門達は一瞬躊躇う

 

 

「良いから進みなさい!!」

 

 

叢雲が叫ぶとその前に移動するとカナの主砲からガチャンと音が聞こえる

 

 

「クタバレ!!第1スロット!即撃弾(アンリミテッド)!!!」

 

 

「叢雲!」

 

 

「私に任せなさい!!」

 

 

アブソリュートから辺りを震動させる程の音が響き渡ると同時に鉄同士がぶつかり合う鈍い音が聞こえ全員は目を疑う

 

 

「……………は?」

 

 

「…………嘘……だろ?」

 

 

それもそのはず叢雲はカナの砲弾を血の薙刀で一刀両断し砲弾が真っ二つされ海面に落ち海中に沈んでいく

 

 

「ふん、こんな所ね」

 

 

「………………ハハ…何て奴だ」

 

 

「……ふふ、流石は私達のACEだね」

 

 

その光景に長門は呆れながらも笑い、古鷹は微笑んでいた

 

 

「行くわよ!あんた達!!」

 

 

叢雲は微笑むとカナは事態を理解すると大混乱に陥り暴走状態が解除されてしまう

 

 

「ば、馬鹿な嘘よ!嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘!!!!

私の砲弾を切り裂くなんて!!そんな!!あり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない!!!!」

 

 

「それが叢雲だ!覚えておけ!飛行場姫!!」

 

 

「ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

長門達が迫る中カナは主砲を展開するが叢雲がその主砲を切り上げ向きを無理矢理変える

 

 

「やりなさい!あんた達!!」

 

 

「「「了解!!」」」

 

 

叢雲の合図と共に長門達は主砲を構えると叢雲が居るのにも関わらず砲撃しカナへとダメージを与えていく

 

 

「こいつらぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

「あんたの終わりよ!!カナ!!」

 

 

「調子に乗るなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

カナが再び主砲を構えようとすると次は空からカナへと爆撃が入りカナの身体が傾く

 

 

「今度は何だぁぁぁ!!!」

 

 

「艦載機!まさか!」

 

 

「ちょっと叢雲!私達の事忘れてない!!」

 

 

「全く英雄だけにええ顔させんで!!」

 

 

先程まで休んでいた瑞鶴に龍驤が参戦し更に赤城が残っている空母達を集めカナへ爆撃を開始する

 

 

「叢雲さんを援護します!空母艦隊艦載機を発艦してください!!」

 

 

「クソ共がぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

叫んでいるカナに対し長門達とは別の方向から砲撃が加わると舌打ちと共にその方角を睨み付ける

 

 

「私達を忘れてない!叢雲!!長門!!」

 

 

「陸奥!」

 

 

「さぁ!最後の敵よやってやるわ!!」

 

 

 

「戦艦共がぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

カナがその矛先を向けようとするも叢雲がそれをさせない様に動いていると更にカナへと雷撃が命中する

 

 

「今度は何だ!!」

 

 

「雷撃……この威力は!!」

 

 

「へぇ、あれを受けてもほとんど傷受けてないのはヤバイねぇ

お待たせ、雷撃姫」

 

 

休んでいた北上も合流し全ての艦隊がカナへと矛先を向けるとカナの額に汗が見え始める

 

 

艦娘(略奪者)共がぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

全ての戦力が集まりカナを囲む形を取っていると叢雲が空に薙刀をかざしその矛先をカナへと向ける

 

 

 

「さぁ、終わりにしましょうカナ

暁の水平線に勝利を刻むわよ!!!」

 

 

 

 

 




次回

届カヌ願イ

全ての戦力が仲間が集まりカナを追い詰めていく連合艦隊
絶対的な防御を誇るカナを前に全員は希望と言う叢雲と共に最後の戦いを仕掛ける

次回ドレス島最終決戦!
果たして叢雲達は最強と呼ばれる歴戦の姫を倒しきる事が出来るのか!!



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