艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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墜ちた姫 二

「カナ!!」

 

 

「おい佐渡!!」

 

 

「う、嘘!さっきまで倒れていたのに!!!

まだ動けるわけがないのに!!」

 

 

カナは佐渡を床に押し倒し爪で捉えた状態で居るともう片手を爪に変化させ佐渡へと振り下ろそうとする

 

 

「ぐぅ………ぬぁぁ!!」

 

 

「ぐふっ!」

 

 

だが佐渡は鳩尾に思い切り殴るとカナは苦しむが腕の力を弱めず睨み付ける

 

 

「…へぇ……!これで…離さないか!!」

 

 

「はぁ……敵を目の前に……そんな馬鹿な事を……するか!!!」

 

 

「待ちなさい!カナ!!!ソイツは敵じゃない!!」

 

 

「…はぁ……はぁ……エア…?」

 

 

カナの意識は少しばかり混乱しておりエアの姿と言葉を聞くと頭を横に振るう

 

 

「違う!こんなところに……エアは居ない!!

お前!!私に……はぁ…幻覚を見せて何を私に……はぁ…打った!!!」

 

 

(何の話だよ畜生!!と言うかコイツ何か……やけに疲れてると言うか…焦ってると言うか…)

 

 

佐渡は混乱しているカナを見ると瞳は濁りかなり疲弊している様に見えまだ身体が完全に回復していないようだった

 

 

「お前…まさか無理矢理動いてるのか?だったら!」

 

 

「っ!うるさい!お前なんかに……言われる筋合いは無い!!!」

 

 

カナが叫ぶとその瞬間佐渡の頭へと爪を振り下ろされるが寸前で佐渡はカナの横腹を蹴ると体制を崩すと立ち上がり少し離れる

 

 

「うぅ……!!」

 

 

「全く!!少しは俺の話を」

 

 

「っ!アァァァァ!!!」

 

 

だが、カナは佐渡の話を聞かずに爪を再び振り上げると佐渡は交わしそれが他の浴槽に当たるとカナの爪で浴槽が切り裂かれる

 

 

「くっ、駄目そうだなここじゃ狭すぎるし親方に迷惑をかけちまう!!

エア!!親方退いてくれ!!」

 

 

佐渡は怒りの矛先が自分にだけ向いていることを理解すると入渠施設を飛び出すと出た先でソラに出会う

 

 

「あれ?佐渡様どうかしまし」

 

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

「危ないソラさん!!!」

 

 

入渠施設からカナが飛び上がり勢い良く佐渡とソラに向けて爪を振り下ろされ佐渡は慌ててソラを押し倒すとソラと佐渡の居た廊下に大きな爪痕を残し切り裂く

 

 

「カ、カナ様!?も、もうお目覚めに!!

で、ですが何故こんなことに!?」

 

 

「話は後だ!!すまないがカナは暴走してるから何も刺激するなよ!!!」

 

 

「待てぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

それだけを言うと佐渡は慌てて押し倒したソラを置いていくとその後ろをカナが追い掛けていく

 

 

「チッ!相手は姫の壊滅種!エアと同じタチの悪い奴だなおい!!!」

 

 

「逃げるナァァァァァァ!!!」

 

 

カナは廊下にあった花瓶を掴むと思い切り佐渡の進むべき方向の天井に当て佐渡の真上からは水と花瓶の破片が落ちてくる

 

 

「しかも頭がキレやがる!畜生!!」

 

 

だが、佐渡は急ブレーキを掛けると何とかそれを交わし走っていると目の前に扉が見える

 

 

「ごめん親方!!後で直しといて!!」

 

 

佐渡は両腰に付けていたホルスターから銃を取り出すと扉の鍵穴と取っ手を撃ち抜くと扉が半分開きそのまま扉を蹴り飛ばし外に出ると走るのを止める

 

 

「はぁ、はぁ……久しぶりだな、ここまで全力疾走は!!」

 

 

「追い付いたぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「………はぁ…全く仕方ねぇな……相手してやるか」

 

 

深く溜め息を付くと銃をホルスターに仕舞うとカナが襲い掛かってくる

 

 

「…お前の動きは既に叢雲達の動きで覚えている

特別に見せてやるよ飛行場姫その誇り高き精神に敬意を表して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本物の先読み(未来予知)ってのをな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エア!もっと走ってくれ!!」

 

 

「これが全速力!これ以上は不可能よ!!!」

 

 

エアと親方はさっきの出来事を唖然と見ていたが先程ようやく動けるようになり佐渡が走っていった外へと向かっていた

 

 

「アイツはあんな状態でも姫なんだろ!?

いくら佐渡でも一撃でも当たれば!!」

 

 

「分かってるわよ!!!」

 

 

(あれでも佐渡は人間!でもカナは深海棲艦!確かに艤装が無いから少し人より強いだけだけど私達eliteは違う!!

アイツがその気になれば簡単に佐渡の身体を真っ二つに出来る!!)

 

 

エアは走っていくと破壊された扉を見付けそれを蹴り破る

 

 

「佐渡!無事なの!?」

 

 

「おい!佐渡!!!」

 

 

二人が息を切らしながら佐渡に追い付くと佐渡とカナは近接戦闘に入っており佐渡の雰囲気が少し変わっていた

 

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

「カナ!やめ」

 

 

「ま、待て!エア!良く見ろ!!」

 

 

「……え?」

 

 

親方がエアの声を止めさせるとエアは良くカナと佐渡の動きを見るととんでもないことに気付く

 

 

「…………嘘……嘘嘘!」

 

 

「………アイツ…マジか……」

 

 

二人がその戦闘を唖然と眺めていた

それもそのはず二人の戦闘は圧倒的に差があった

拮抗でも劣勢でもない、片方が圧倒的に相手を押しておりその姿を呆然と見るしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐふっ!……に、人間!!!」

 

 

「やはり硬いし耐久も高いな、姫級は

全く俺の相手はいつも人外か?勘弁してほしいなっ!!」

 

 

そう佐渡の方がカナを圧倒していたのだ

カナの爪による攻撃は振り下ろそうとする瞬間に佐渡に関節と腹部を攻撃されカナは全く身動きが取れずに居た

 

 

「こ、この!口だけの雑魚がぁぁぁぁ!!!」

 

 

「果たしてそれはどっちだ、飛行場姫!!」

 

 

「お前だよ!提督!!!」

 

 

その瞬間カナは回し蹴りを当てようとするが佐渡はそれを交わし更にその蹴りの回転を更に強めるために脚を蹴り飛ばすと体制を崩しその場に倒れる

 

 

「くぅ!こ、コイツぅぅぅぅ!!!」

 

 

「諦めろ、お前じゃ俺には勝てん」

 

 

「クソがぁぁぁぁ!!!」

 

 

カナは再び立ち上がると佐渡を切り裂こうとするがそれを交わされ鳩尾と関節を攻撃され全く反撃が出来ない

 

 

「う…そ……あれ…人間…?」

 

 

「確かにアイツ、反射神経とか運動能力とか、戦闘技術高かったけど……え?アイツ本当に人間なの?

ワケわからねぇんだけど?」

 

 

佐渡の絶対的な状況にエア達が唖然としているとカナは佐渡を睨み付ける

 

 

「お前の技……どこかで見たことあると思ったら……お前!!叢雲と同じ技を!!!」

 

 

「正解と言うかアイツは俺の艦娘だ

これを教えてるのは俺だよ、ま、アイツのは未完成だけどな

本物はこっちだぜ」

 

 

「っ!クソォォォォォ!!!」

 

 

「エアも来たしそろそろ眠ってもらおうかな?飛行場姫」

 

 

カナが両爪で襲い掛かろうとすると佐渡は踏み込みカナの目の前に行くとカナの鳩尾を殴る

 

 

「ガハッ……!!」

 

 

「まだ行くぜ、死ぬんじゃねぇぞ!!」  

 

 

そして、その手を開くと勢い良く顎をかち上げる

するとカナの脳と視界が揺れぐらりと身体が揺れた瞬間両手で思い切り肺を叩くと息が出来なくなる

 

 

「ガッ……!!!」

 

 

カナが苦しんでいるのを他所に佐渡はカナの顎に回し蹴りを与えるとそのダメージが直接脳に行き脳震盪を引き起こし身体が動かなくなりその場に崩れ落ちそうになるが

 

 

「まだ倒れるのは早いぞ飛行場姫」

 

 

佐渡はそのままカナの首を掴むと地面に叩き付けるが再び腕を引っ張りあげると持ち上げカナの腕の関節を思い切り叩くと腹部を押さえ付けながら再び地面に叩き付ける

 

 

「ガッ……アァ………ァ……」

 

 

その連続攻撃に流石のカナも倒れると最後の力を振り絞って佐渡を見上げる

 

 

「その心意気と誇り高いプライドは認めてやる

だが、人の話は聞くものだ飛行場姫

海では強くとも陸では勝てまい、諦めて這いつくばってろ深海棲艦

ゆっくり休め」

 

 

佐渡の冷酷で冷たい眼差しを見上げながらカナは最後の言葉を佐渡に投げ掛ける

 

 

「…バ……ケ…モ……ノ……」

 

 

そしてゆっくりと意識を手放し気を失っていく

 

 

「ったく、お前が言うか?俺より充分化物じゃねぇかよ……うん?」

 

 

佐渡がカナを見下ろしているとエア達が呆然としているのに気付き首を傾げる

 

 

「どした?二人とも?」

 

 

「ど、ど、ど、どうしたじゃないわよ!!!

あ、あ、あ、あんた!本当に何者なの!?」

 

 

「そ、そ、そ、そうだ佐渡!!!

お、おま、お前!姫を意図も容易く!!!」

 

 

「いや、容易くって言うけどコイツかなり疲弊してたんだぜ?そりゃ俺でも倒せるってもんでしょ?」

 

 

「「いやそれは可笑しい!!!」」

 

 

「……そうか?」

 

 

二人が騒いでるのに対し佐渡はキョトンとしており再びカナを背負う

 

 

「ま、とりあえず飛行場姫制圧完了っと

後で叱らないとな」

 

 

そう言いながら佐渡は眠っているカナのおでこにデコピンをするとゆっくりとした足取りで歩いていく

 

 

 

 

 

 





次回

対話

何とか?カナの暴走を止めた佐渡は再びカナを入渠施設に預け目を覚ますのを待っていた
そしてカナは二度目覚醒と共に自分がどうなったのかを改めて理解する

え?佐渡さんが可笑しい?
……普通じゃない?(すっとぼけ)
イベントでの雲龍堀が終わらねぇ!!!






叢雲&佐渡の過去編を書こうか悩んでますのでアンケート取らせて頂きます!!

  • 見たい!
  • 見たくないから続きはよ

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