艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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切迫

次の日の早朝4時頃、まだ外は暗い状態で佐渡の携帯が突然鳴り出し佐渡は飛び起きる

 

 

「んっ!この時間に電話!?

緊急召集!!……って部隊じゃあるまいし気のせいか……

どうせエアのイタズラアラームだろう」

 

 

そう思い再び眠りに付こうとするのだがふと気付く

 

 

「………嫌、待てよ?こんな時間にあるのか?

…一応見るか」

 

 

そして起き上がると携帯が置かれている机まで歩みを進めていくとアラームではなく大淀からの電話であり驚きながらも電話に出る

 

 

「はいはい?こちら小笠原鎮守府提督佐渡ですが?」

 

 

『あっ!良かった!佐渡提督出てくださいましたね!!!

朝早く申し訳ありません!!大淀です!!』

 

 

「ほいほい、どったの大淀さん

こんな朝早くから……ふわぁ……クソネミ……」

 

 

『本当に申し訳ありません!実は小笠原鎮守府へまた新しい艦娘が流されておりまして!!』

 

 

大淀の言葉に佐渡は一瞬で意識が覚醒する

 

 

「何だって?

だが、今回は叢雲達がそっちに居るだろう?」

 

 

『そ、それが!叢雲さん達や私達の同伴は一切禁止されておりまして………』

 

 

「まさか!!!一人でここまで来るつもりなのか!?」

 

 

『は、はい……なのでそちらに残ってる』

 

 

「マジかよやべぇな!!!ありがとう大淀さん!ちょっと出てくる!!」

 

 

『佐渡提督待っ』

 

 

佐渡はその言葉と共に慌てて着替えると扉を勢いよく開け全速力で鎮守府内を駆けていく

 

 

「んん……なぁによ……こんな朝早くから…」

 

 

「敵襲!?」

 

 

 

その音に起こされたのかエアとカナ、そしてソラが目を覚まし鎮守府の中を走っている佐渡を探し見付けると敬礼をする

 

 

「佐渡様!どうかされましたか!?

敵襲でしょうか!?」

 

 

「い、いや違うよ!ごめん起こしちゃって!!

寝てて良いよ!」

 

 

「なぁによ佐渡……こんな朝早くから慌てて……」

 

 

「人間!!敵襲か!?深海棲艦か!?それとも何かか!?」

 

 

「あー…ごめん三人とも…実はね」

 

 

佐渡は起きてしまったエア達に慌てている理由を話すとソラが慌てて走ろうとする

 

 

「ちょっとソラ?何処に行くつもり?」

 

 

「どこって!α達を起こしてきます!!

私達が迎えに行けば恐らく」

 

 

「駄目だ!今回ソラさん達は協力しないでくれ!!」

 

 

「な、何故ですか!?」

 

 

ソラが疑問に思っているとエアがその質問に答えていく

 

 

「……あんたねぇ、仮にも私達は深海棲艦側よ

しかも、今小笠原周辺を警備してるのは別の艦隊

あんたが出たら私が小笠原で艦娘を匿ってる事になる

そうなったらどうなると思う?」 

 

 

「あ………で、でも!それでも!!」

 

 

「良いんだ、気持ちだけありがたく受け取っておくからさ!」

 

 

ソラがエアの反対を押しきって行こうとするが佐渡がそれを制すると武器を装備しながら海岸へと走っていきエア達も佐渡を送っていく

 

 

「……うん、準備完了!良し、行きますか!!」

 

 

「佐渡様!本当にお一人で行くつもりですか!?」

 

 

「あぁ!多分死ぬことは無いと思うがもしもの時は……エア!頼んだぞ!」

 

 

「………はぁ…分かったわよ

でももしもの時とかは辞めてよね、絶対帰ってきて」

 

 

「おう!任せとけ!小笠原鎮守府の提督さんは他の鎮守府とはちょっと違うんだぜ!!」

 

 

佐渡がボートのエンジンを掛けるとカナがボートを掴む

 

 

「待ちなさいよ佐渡」

 

 

「ん?どうしたカナ?」

 

 

「……お前が行った所で助けれる保証は無いし、非力な人間ごときに何か出来るとでも思ってるの?」

 

 

「…………」

 

 

カナは佐渡の事を睨み付けると更にボートを掴む力を上げていく

 

 

「知ってるよね?深海棲艦はお前達人間が作り出した兵器はほとんど通用しない

人間ごとき下等生物に私達は殺すことも傷を付けることは出来ない

お前が行った所で無駄よ、ただ惨めに残酷に死ぬだけ」

 

 

「……正論だな、確かに俺が行った所で何の助けにもならないのかも知れないな」

 

 

「だったら」

 

 

「だがな、俺はここで動かない事を後悔したくないんだ

もし、ここで俺が行かなかったら助けられない命なのかも知れない

俺が行ったことで助けられる命なのかもしれない

だから俺はここで動きたい、助けたいんだよ」

 

 

佐渡はカナの説得に笑みを浮かべながら答えカナは溜め息を付く

 

 

「……馬鹿ね、底抜けの」

 

 

「はは、良く言われるよ」

 

 

そう言葉を交わすとカナはボートを掴んでいた手を放し佐渡は出発する

 

 

「艦娘が今深海棲艦の艦隊と交戦してるわよ

大した艦隊じゃないけど一人だとキツイんじゃない」

 

 

「っ!ありがと!カナ!!

よっしゃ!待ってろよ!!!」

 

 

 

戦闘をしている流されて来ている艦娘を助けるために佐渡はボートを走らせると運転を自動に切り替え武器の整備を行う

 

 

「……久しぶりの海上戦闘だ…さてどこまでやれるかな…」

 

 

 

「……エア、ちょっと来て」

 

 

「は?え?ちょ、ちょっと!?」

 

 

佐渡が見えなくなるとカナはエアの手を引くと工廠へと走っていきソラもその後ろを追いかけていく

そして扉を勢いよく開けると親方が目を覚ましカナの前に降りてくる

 

 

 

「ん……どうした?カナ……こんな時間に…」

 

 

「ちょっと良い?エア、あんたにお願いしたいことがあるの」

 

 

「はぁ?な、何よ?お願いって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中小笠原近海の海上では一人の艦娘と深海棲艦の艦隊が戦闘を行っており劣勢を強いられていた

 

 

「簡単には小笠原に行けないって事ね…

このルートは外れだったかしら!!」

 

 

 

 





次回

海上戦

カナの問題が解決もしていないのに突然の電話に佐渡は驚愕と焦りながらも流されてきている艦娘を助けようと奔走する

果たして流されてきた艦娘とは?


久しぶりの投稿です!!!
失踪?しませんよ!
ちょっとゲームの育成とかリアルが忙しかったりだとかで書けてませんでしたすいません!!





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