艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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夕張 過去編 二

次の日、私は工廠で働くことになった

理由としてはここで働いていた明石がどうやら事故で死んでしまったかららしい

前線で戦わないのかと聞こうとしたがそれよりも先に

 

 

「お前は前線に出る必要がない

手先が器用で兵器開発も出来るって聞いたしな

そこが適任だ」

 

 

と言われてしまい工廠で働いているが実を言うと嬉しくもあった

危険な前線に出たくないと言うのは誰もが思っていること

 

 

「……でも、こんな所で艦娘が事故死なんてするのかな?」

 

 

私がこれから働くことになっている工廠は特段汚いわけでもなくかなり危険な物を扱ってる訳でもない

だからこそここで艦娘が事故死(・・・・・・)なんてありえないと思っていた

 

 

「……艦娘さん……?」

 

 

「あ、妖精さん

初めまして今日からお世話になります!」

 

 

だが、その理由を私は分かってしまった

これから働く妖精達に言われてしまったからである

 

 

「………四人目(・・・)の艦娘さん

頑張ろうね、今度は自殺しないでね」

 

 

「…………え?」

 

 

それから、私の日常……いや地獄…が始まった

まず最初に一日持ってくる艤装の数が百を越えておりそれを二時間で直さないといけないこと

食事は一日一回

寝る時間は……一時間あれば良い位

でも、これが普通だと思ってた

だって戦場に出ないのだから戦争中なのだから

 

 

「………疲れた……なんて言ってられないよね」

 

 

毎日ずっと工廠に籠る日々

曜日の感覚なんて無くなった頃彼女が来た

 

 

「久しぶり、元気に仕事出来ている見たいね」

 

 

「………えっと……」

 

 

「……まぁ、当然だよね

私と会ったのはあの時位だし他の艦娘も極力他人と話すことを禁じられてるし」

 

 

……何人も艦娘を見てきた背中を見てきた

話し掛けてくる艦娘は居ないわけではない

それでも彼女だけは他の艦娘と違っていた

…何かが違う、この時から私は気付いていた

この艦娘は何かを抱えていると

 

 

「ねぇ、貴女の名前を教えてほしいの」

 

 

「……忘れちゃった?」

 

 

「う、うん……ごめんなさい」

 

 

「…その感じだと多分名前は覚えられないんじゃないかな?

まぁそれで良いよ、そうだあだ名で呼んで私のことは」

 

 

「あだ名?」

 

 

「うん、私ね皆に『冷血』って呼ばれてるの

だからそう呼んで」

 

 

「……私にはそう見えないんだけど…」

 

 

「良いからそう呼んで

……お願い」

 

 

「分かった」

 

 

鎮守府で唯一話すことがある艦娘

名前を教えてくれなかった初めての艦娘

 

 

 

彼女は分かっていたのかもしれない

私が壊れかけていたのをだからこそ名前を教えなかった

記憶に残らせないように

 

 

それから彼女は何度か艤装を自分で持ってきた

大半の前線組の艦娘は自分で持ってこず待機している艦娘に任せこちらに持ってくる

でも彼女はいつもボロボロでも自分で持ってきていた

 

 

「夕張ー!ごめんまたお願いできる?」

 

 

「良いよ!ってまたこれ酷くやられ……って!冷血傷!!」

 

 

「大丈夫大丈夫!折れてないから!」

 

 

「そう言う問題じゃない!!」

 

 

この鎮守府で唯一の楽しい時間

私は彼女からその楽しいと言う感情を貰った

普通、この鎮守府では私語をすること自体が許されないが工廠だけは違っていた

 

だからこそ私と冷血は話すことが出来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも分からなかった

何故彼女が冷血と呼ばれているのか

 

 

 

 

 

 





次回



夕張は何とか鎮守府での生活に付いていけていた
一人の艦娘との会話を一時の楽しみに


最近モチベが上がらなくて辛いです()

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