「佐渡!!!!!!!
貴様!!!何してやがる!!!!」
さっきまで話していた東雲さんがいつの間にか廊下の窓から身体を乗りだし叫んでいた
佐渡……そう言ってた
確か今日どっかの
その怒号に廊下を歩いていた人達も足を止め処刑場を見ているが海上に降り立っているその男は不敵に笑いながら東雲さんに食って掛かる
「だーかーら!!この艦娘は俺が頂いていく!!
これが俺の願いだ!!」
「そんなこと!!許可出来るわけ無いだろうがぁぁぁぁぁ!!!!」
東雲さんがいつにもなく怒鳴り声を上げており驚いていると明石が私の肩を叩く
「ね、ねぇ!ちょっと夕張!!
あ、あの艦娘って!!」
「え?」
佐渡と呼ばれた新人提督の後ろに居るのは恐らく初期艦でありこのとんでもないことに巻き込まれてる可哀想な艦娘……のはず…だったのだが
「え………あ、……あれって?」
「ま、間違いないよ!だって!同じ艦娘は建造されない!!
彼女だよ!叢雲だよ!!!
あ、有り得ない!!あの誰にも懐かず言うことを聞かない艦娘で有名な!『一匹狼』の叢雲!!」
叢雲……一応初期艦として元帥から送られる五人の艦娘の内の一人
でも『今大本営に居る叢雲だけは違う』
彼女は東雲さんの命令でこの大本営に配属される前に戦場に駆り出されてしまった言わばイレギュラーの艦娘
その証拠に彼女は配属される日に大本営から姿を消し3ヶ月に再びここに召集され配属された
空白の3ヶ月間に何があったかは知らないが彼女はここに配属されてから今まで『誰の艦娘にもならなかった』珍しい艦娘
実力はかなり高く下手をすれば一人で戦艦を倒せるほどであり上層部も彼女の扱いに困ってるだとかはこの前愚痴を言ってたっけ?
戦闘方法も変わっていて彼女は持久戦がかなり得意としており駆逐艦ならではの速度を利用し相手を様々な方法で弱らせていき確実に倒せると判断したときのみ一気に攻め落とす
ずる賢く確実に仕留める狼の如く
そして影で呼ばれている名が『孤高の一匹狼』
「あの娘が……何で……」
あんな男に従ってるの?
本気でそう思っていると東雲さんが処刑を諦めて佐渡さん?を呼び出す
当の本人は自分が何をしでかしたのか分かってないのか笑っている
「明石!!」
「あれ?大淀どしたの?
と言うかさっきの見た!?」
明石さんと大淀さんが話しているのを横目に私は窓に手を付き犯罪者…処刑されるはずの艦娘を助け出すあの人を見ていた
途中、長門さんに主砲を突き付けられても怯むことなく笑みを浮かべるその人
私の目は釘付けになってしまった
だって、だって、だって、だって
そんな人誰も居なかった
ここにいる人は誰も上に…東雲さんに楯突かない
従うことしかしない
如月さんも東雲さん位しか知らない
でもあの二人は勝算があるから楯突いていた
あんな、あんな……あんなあんな!!!
何もなく無策で!馬鹿げた事はしない!!
…好奇心、私は忘れていた…嫌、忘れようとしていたその感情を思い出しつつあった
「ばり……ゆ……り!!」
「凄い……何なの…あの二人」
凄い……そうとしか言えない正しく反逆
二人はとんでもないことをしているのにも関わらず笑みを絶やしておらず私は……
「夕張!!」
「え?あ、え?ご、ごめん?どしたの?」
「聞いてなかったの!?」
大淀さんと明石がため息を付いていると大淀さんが話し出す
「すみません、もしかしたら長門さんが古鷹さんを単独で処刑しようとするので助けてあげてほしいんです!」
長門さん……そうかあの人は『正義の戦艦』…悪を…許すわけがない……
「で、でもさ大淀…私達どうすれば……」
「憲兵を連れて彼女を探してほしいの!お願い!!」
「えぇ……で、でもあの正義の戦艦だよ?私達が…」
「分かった、任せて」
……何で?
私は今自分で言った言葉に疑問を抱いた
何故、私はそれを『分かった』と答えたの?
いつもなら『私には関係ない』で済ませるのに
物珍しさから?
叢雲が動いたから?
あの男が他の
分からない…分からない
でも、ほんの少しだけ……ほんの少しだけ…
この時私の中での価値観が変わった瞬間だった
次回
中途半端の思い
夕張は反逆を起こした二人に惹かれその姿を目で追うようになる
それが彼女を少しだけ狂わせる理由になるとも知らずに
久しぶりの投稿でーす!!!
ぶっちゃけ忙しくて忘れてた!!!
コロナ?俺の仕事にほとんど関係ないですねぇ!!!
ゴールデンウィークくそったれぇ!!!(虚しき叫び)