艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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欠落した感情と護る者

「これが私の過去かな

ごめんね、他の艦娘とか違ってそんなに酷くなくてさ」

 

 

「おいおい、謝らないでくれよ?

むしろそう言うのが無い方が嬉しいんだからさ」

 

 

夕張の過去を聞いた佐渡はいくつかの違和感を感じていた

 

 

(彼女の過去……冷血と呼ばれる艦娘と提督が鍵であることは確かなんだけど……

何で彼女は今まで殺されなかったんだ?

少しでも深海側の情報を持っているなら海軍でも無事ではすまないはず……何だが……)

 

 

「佐渡…提督?」

 

 

「ん?あ、あぁすまんすまん

ちょっと考え事気にしないで!」

 

 

佐渡は考えてるうちに一つの答えに辿り着く

その答えは夕張に伝えずに留めておくことにすると珈琲を飲み干す

 

 

「んー、正直に言うと夕張ちゃんの価値観に関しては俺はどうにも出来ない…が現状かな」

 

 

「や、やっぱりですか……」

 

 

「下手にそれを崩したりすれば君の自我が耐えきれずに壊れてしまう可能性があるからね」

 

 

「……え?それってどういう…」

 

 

夕張が疑問に思っていると佐渡は珈琲のカップを置く

 

 

「君はそもそも生まれた環境が他の艦娘と違いすぎるからね

物として扱われ、突然それを失った

そして助けてくれていた艦娘の名前を覚えてない…

 

いや違うね、君は覚えようとしていない思い出さないようにしている無意識に」

 

 

「なっ!そんなこと!!」

 

 

「残念ながらあるんだよ

だって君はその艦娘が新しく生まれたときそれを受け入れられないと感じているから

違うかい?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

反論しようとする夕張だったが口ごもってしまい俯く

 

 

「…でもそれが悪いことではない」

 

 

「……え?」

 

 

「君は自分でその過去に自分の間違いに気付き前を向こうとしている

今無理にその事を思い出さなくてもね」

 

 

「…そ、そうなの…かなぁ?」

 

 

「そうそう、それに……」

 

 

夕張が不安がっていると佐渡は近付くと夕張の手を取る

 

 

「正直俺はそれを解決することは出来ない

不甲斐ないけどね」

 

 

「………」

 

 

「傷が付いた心は当人達しか完全に癒すことは出来ない

俺が出来るのはその後押しをすること

古鷹だってそうだった

俺達が出来たのは彼女の傷を出来るだけしか癒せなかった

完全に治すためにはその過去を乗り越えるしかない」

 

 

夕張は佐渡に言われているとそっぽを向いてしまう

 

 

「……俺の予想が正しければ君はいつかその過去に直面しなきゃ行けなくなる

だから俺が出来るのはそれまで君を癒すことだけだ

 

でも俺は君を裏切らない信じてほしい」

 

 

「……ふふ、大丈夫ですよ

私は貴方を信じてます

何人も救ってきた貴方が言うならばその時を待つことにします

でもその間お願いしますね?」

 

 

「おう!それぐらいは任せろ!

さーてと、じゃあそろそろお風呂入って寝なさい?」

 

 

「ええー、もう少し弄ってたかったのに……

ま、仕方無いか!」

 

 

佐渡に言われると夕張は渋々言うことを聞き工廠を後にすると静寂に包まれしばらくすると

 

 

「居るんだろ、エア」

 

 

一言だけ呟くと機材の影からエアが現れる

 

 

「良く分かったわね、私が居るって」

 

 

「お前の事だ、どうせ聞いてると思ってな

……俺の聞きたいこと分かるよな?」

 

 

「分かるわよ、分かってて言うわ

駄目よ教えられない」

 

 

エアが佐渡の聞きたいことを断ると大きく溜め息をつく

 

 

「どうしてもか?」

 

 

「えぇ、これ以上教えられないわ

ただし一つだけ言えることがあるのは、あんたの予想は当たってる

 

アイツは、彼女を狙っている

時期に痺れを切らせて攻めてくる可能性がある」

 

 

「……やはりか、そりゃそうだよな

お前を護衛に付けるほど気に入ってるんだもんな」

 

 

佐渡はそう呟くとエアは近くの椅子に座るとポッキーを食べ語りだす

 

 

「…彼女は…いえ、夕張は元々深海棲艦に関わっていた鎮守府出身なの

でも、ある艦娘の裏切りによって鎮守府が崩壊した」

 

 

「…その裏切った艦娘が」

 

 

「…そう、名前は教えられてないけど夕張が言っていた『冷血』

彼女は元々提督の秘書を勤め大本営を欺き、深海側に艦娘を売っていた

何人もの艦娘を深海側に提供することで鎮守府の安泰と成果を不正に受け取っていたらしいわ」

 

 

「らしい?知らないのか?」

 

 

「まぁねー、私はまだ生まれてなかったから

で、その取引は深海側の一部で行われていてその男は知らなかった」

 

 

「……狐の男」

 

 

「そ、アイツはそう言うの嫌いだからまず耳に入ったら深海側も艦娘側も滅ぼしに掛かるわ

そしてそれを知ってたのか冷血はアイツの元に駆け込んだ」

 

 

「そして情報を流し鎮守府を滅ぼさせた」

 

 

「そゆこと

…もしかしたらだけど、その冷血って娘は深海側にもそう言うのが居ると思ってたのかしらね」

 

 

「だが、何で大本営にそれを伝えなかったんだ?」

 

 

佐渡が疑問を投げ掛けるとエアは立ち上がり佐渡の側に向かっていく

 

 

「当時、大本営では艦娘を軽視する傾向にあったらしいわ

それこそ道具としてしか見てない人が大半

そんな所に駆け込んでも艦娘である彼女の話を信じてもらえないと思ったんでしょ?

信じて貰えても証拠を消されていたから」

 

 

「……でも何で夕張ちゃんはそれに巻き込まれたんだ?」

 

 

「運が悪かったんじゃない?

元々アイツと連絡を取った方が早かった……とか?

ま、今考えても仕方ないわよ」

 

 

エアは佐渡の肩を叩き工廠から出ていこうとするが

 

 

「待て、前から聞きたかった事があるんだ」

 

 

「あーらー?なにかしら?私に」

 

 

エアが振り返らずに言おうとするがそれを遮る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、何を探してる?

大本営とここで」

 

 

その言葉にピクンとエアが反応するとゆっくりと振り返る

 

 

「お前が夕張ちゃんだけの監視だとは思えない

他にも何かあるはずだお前ほどの『エース』を送り込んでくるんだからな」

 

 

「……何が言いたいの?」

 

 

「これはただの仮説だ、戯れ言かもしれないがお前は二人から依頼を受けているんじゃないか?

一つは、狐男から夕張ちゃんの監視

 

そしてもう一つ、恐らくこっちが本命だ

『誰かを見付け出せ』と言う依頼」

 

 

佐渡の言葉が図星だったのかエアは艦載機を取り出そうとするが

 

 

「………お前には関係のない話よ

もう一つの方はね」

 

 

「やはりか…なら取り引きをしないか?」

 

 

「…あら、私と?あんたが?」

 

 

「あぁ、その探し人を手伝う

その代わりお前も狐男の情報を俺に流す

どうだ?」

 

 

その言葉にエアは揺れ動くが直ぐ様振り返り工廠を後にしようとする

 

 

「待てよ!エア!!

お前だけが頼りなんだ!!」

 

 

佐渡の呼び掛けにエアは動きを止め頭だけ振り返る

 

 

「………考えとくわ

じゃあお休み」

 

 

「…あぁ、頼む」

 

 

それだけを言うとエアは工廠を後にする

そして誰も居なくなった工廠で佐渡は呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……夕張ちゃんの過去を知る深海の人間……

予想は付いてる…いつか対峙するときが来るはずだよな……

 

 

深海提督よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………信じられるわけないでしょうが人間なんて

見つけ出さないといけない奴……無理よこれだけは誰にも頼れない

見付けられてはならない

私が見付けて……問いたださないといけないの……」

 

 

エアは一つの写真を服から取り出し月明かりに照らしながら見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、貴女は何処にいるの

革命者(フィリア)

始原(ピース)に追放されし始祖たる深海棲艦」

 

 

その写真には一人だけ姫級の少女が映し出されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃本島にて

 

 

「さてと、そろそろ抜け出すわよあんた達」

 

 

「ちょっと本気なの?」

 

 

「決まってるでしょ、こんなところに長くは居られないわ

司令官が心配だし」

 

 

「まぁそれは分かりマースが……」

 

 

「ま、仕方無いさ罪は私も被るとしよう」

 

 

「長門さんには秘密ね!……絶対止められるし」

 

 

「さ、行くわよあんた達

 

 

 

 

 

 

 

小笠原へ帰るわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 





次回

出会い

夕張を完全に治すために深海側の狐男だけだと踏んだ佐渡はその男と会うまで彼女を癒すと決めた
そしてその男の情報を知るためにエアに迫るが交わされてしまう
そんな中本島に居るある艦娘達が小笠原へ来てしまう


イベントが近付いてる最中、思い出したかの様に5ー3を攻略してます
夜戦きつい…あ、ガンビアちゃんドロップしましたやったぜ!!!


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