次の日、佐渡達は大本営に呼ばれ東雲の部屋の前で待機していた
古鷹は少し震えておりその手を叢雲が取り微笑む
「なぁ、長門
お前の深海化はアイツ知ってるんだよな?」
「アイツって……相変わらず貴方の度胸は凄いな…
あぁ、知ってる
それを知っても尚私は正義の戦艦と言う名を貰っている
だが、恐らく佐渡提督が隠していたと言うことが原因かもしれないな」
「チッ、めんどくさいな
相変わらずあの野郎」
『入ってこい、佐渡、叢雲、古鷹、長門』
長門との会話を終えると中から東雲の声が聞こえ佐渡達は部屋に入っていく
「失礼します」
「来たな、そこに掛けろ」
部屋に入ると東雲が座るデスクが一つと四人が座れる椅子、そして東雲の傍らに
「……あれ?矢矧さんじゃない?」
「やっほー、叢雲達~
久しぶり」
何故か島風が立っており笑顔で挨拶をしてくれる
「矢矧は別の事を任せてるからな
今回だけ島風が代理なんだよ
とりあえず、座って菓子でもつまみながら聞け」
東雲は別に不機嫌と言うよりは佐渡達の事を全く目の敵にしておらずむしろ少しご機嫌な様子だった
「……何で呼ばれたんですか、俺達は」
「決まってるだろ、お前達の深海化についてだ」
「「「!!!」」」
その話を聞いた瞬間古鷹は固まりそうになるが東雲が手を出す
「と、言うのは建前だ」
「「「……は?」」」
突然先程の発言を覆す言葉を言われ全員ポカンと口を開ける
「え……東雲大元帥…違うのか?」
「違うぞ、別にお前達の深海化について現状はない」
「いや……いやいやいやいや!!おいおい!!あんたそれでも大元帥なのか!?
仮にも深海化何だぞ!?」
「まぁ、実際何人か深海化した奴は見てきたし殺してきたからな
俺としては全く珍しくないのさ
妙に含みのあるような話をし珈琲を飲む
「で、では……今回我々が呼ばれたのは…」
「あぁ、ただの建前で呼んだだけだ
ま、いつも通り佐渡が解体宣言を取り消すように騒いだとでも元帥共には言っておくさ」
「おい待て大元帥、いつも通りとは何だ?」
「どうせお前なら騒ぐって元帥の中では周知だからな
それなら納得するんだよ」
「………凄く納得できないのだけど?俺は?」
「知るか反逆者が、黙って納得しとけ」
東雲は無理矢理佐渡を納得させようとすると煎餅を齧りもう一枚を島風に渡す
「……ねぇ、今貴方深海化した艦娘を見てきたし殺してきたって言ってたわよね?」
不意に言葉の内容に引っ掛かった叢雲が東雲に尋ねる
「あぁ、言ったぞ」
「それって深海化にも殺す基準が存在するってこと?」
「あぁ、あるな」
「「「っ!?」」」
叢雲の質問に淡々と答える東雲はため息を付きながら立ち上がる
「深海化にもフェイズと言うものが存在する
それを大本営の研究チームが見つけ出した」
「フェイズ…?」
「そう、合計で三つに分かれている
第1フェイズ、初期の深海化
戦闘中の激昂、危機的状態に陥った時に無意識に発動する深海化
ただし、対象が死ぬ、又は逃走時に解除される
その最中の記憶は残らない」
その話を聞いた長門は思いだすことがあり自らの手を見ながら震える
「第2フェイズ 末期の深海化
ここで殺すか生かすかが決まる
自らが危機的状態に陥った時無意識に発動する物と
自らの意思で発動する深海化
一つ目ならば何とか止められる、第三者によって止められるか何らかの原因で動きを停止させればとりあえず収まる
問題は二つ目だ
深海化は大きな力を得られるがその反面、身体と心が成長仕切ってないと意識が完全に深海棲艦に呑まれる
呑まれた艦娘は自らの内にある憎悪と怒りに任せ手当たり次第殺しまくる
こうなったら終わりだ殺すしかない」
第2フェイズの一つ目は長門が
二つ目は古鷹が起きた状態であった
「……それ以上があるの?」
「あぁ、第3フェイズがある
だがこれはお前達の事でもある」
「私達……」
「だと…?」
東雲の言葉に顔を見合わせると最後のフェイズを話し出す
「第3フェイズ、深海越え
こうなる艦娘はほとんど居ない
自らの意思で深海化を行う事が出来る少数の艦娘
外部の影響か、それとも自分との決別によって深海化の能力を充分に発揮できる状態
そして唯一、歴戦、壊滅種の姫と対峙出来る人類の最後の希望」
「「「!!!」」」
東雲の言葉に全員がビクンと跳ねると三人を指差す
「つまりお前達だ」
「……だが!艦娘は誰でも第3まで」
「いけねぇよ、大半が第2フェイズで意識事深海棲艦に呑まれる
力と負の感情に押し潰されて手放してしまうのさ
自らが艦娘であることを」
長門の希望を一刀両断するとある本を取り出し長門に見せる
「これが、そのリストだ
今まで深海化し、呑まれ、殺してきた艦娘のな」
「………こんなに…」
リストには様々な艦娘の名前が書いてありその中に
「……おい待ってくれ東雲大元帥…これ…この名前……!!」
「…あぁ、
「何故だ!?アイツは轟沈したって!!」
「…嫌、違う
俺が殺させた」
その言葉に長門は立ち上がり東雲の胸ぐらを掴もうとするが寸前で止める
「…悪いな、もう手の施し様が無かったんだよ」
「………くっ……」
二人が話す中そのリストを佐渡が受け取りまじまじと見ていく
「…ほとんどが轟沈で処理された艦娘ばかりだな」
「あぁ、表向きにはな
裏で俺達大元帥達が殺してきたのさ」
リストを見ながら佐渡はあることに気付くが東雲の表情を少しだけ見るとリストを閉じる
「……完全な深海化になったら助けられないのか?」
「不可能だ、憎悪と怒りに任せ手当たり次第殺しまくるからな
……何度か止めようとしたんだがな無理だった」
リストを東雲に返すとそれを本棚にしまい再び座り出す
「ま、そう言うことだ
深海化を乗り越えたお前達は解体する必要がないのさ
解体すればこちらの損失だからな」
「成る程ね
そう言えば、私、飛行場姫を討伐したのよね
それに対する何か戦果報酬見たいのはないの?」
「嫌、今回だけはある
正直、あの化け物姫を倒せるとは思ってなかったからな
それにドレス島での情報はかなり大きい
特例中の特例だがお前の願いを一つ叶えよう
俺が出来る範囲でな」
「そう、なら私一つだけ願いがあるの」
「待って!叢雲!」
「そうだ!叢雲早まるな!」
叢雲の発言に古鷹と長門は察しそれを止めようとする
だが、その制止を振り切り叢雲は言い出す
「ドレス島を私に寄越しなさい」
「……何だと?」
次回
取引
カナとの約束であるドレス島の返却を求める叢雲に東雲は猛反対する
だが、一つだけ無理難題を突き付けそれをクリアしたら返却すると言う
最近色んなゲームのイベントが重なった時間が足りないですわぁ……
つらひ()