叢雲が話した内容を聞いた東雲は眉を潜めあからさまに態度が急変する
「だから、ドレス島が欲しいと言ったのよ」
「無理だ、あそこにはまだ調べきれてない物が多すぎる
そんなのをポンとくれてやるほど海軍も甘くない」
「あら?でも奪ったのは私よね?
なら私が所有していても可笑しくないんじゃないの?」
「駄目だ、あそこを易々と渡すわけにはいかない」
叢雲の要求を完全拒否するとお互い睨み合うと東雲が再び口を開く
「……だが、チャンスならくれてやろう」
「チャンス…?」
そう言うと東雲はある地図を取り出しそれを叢雲達の前に手渡す
「現在、制海権を奪われている海域は八つ
白海
北方海域
紅海
東方海域
夜海
西方海域
霧の海
そして、南方海域とハワイ島
この海域を全て我等人間側が取り返した時は話が別だ」
「えっ!」
「そんなの!不可能だ!東雲大元帥!!!」
東雲が出した条件とはこの戦争の火種となっている戦場を支配してる者達を倒し戦争を終わらせることである
「……8つの戦場を制覇しろってことよね」
「そうだな、それほどドレス島は重要だ
あの島には深海棲艦の情報が多く存在しているからな」
その話を聞いた叢雲は立ち上がるとその地図を思い切り叩く
「……良いじゃないの!やってやるわ!!!」
「なっ!?」
「叢雲本気!?」
発言をした瞬間に古鷹は叢雲の肩を掴む
「今、東雲大元帥が言った海域には!今まで誰も倒せなかった姫級や未知の化物達が居るんだ!?
それを全て制覇するなんて!」
「……正直、貴女と二人だけだったら無理だったかもね」
「だったら!」
「でもね古鷹、今私達には
「!!」
叢雲は肩を掴む古鷹の手を取ると肩からおろさせる
「前は二人だった
でもそれから大井が来て三人になった
次に金剛が来て四人になった
次にイムヤ、次にグラーフ
そして最近、長門に夕張が来てくれた
私達は二人きりじゃない仲間が居るわ」
「…そうだけど……」
「恐いのは分かるわ、でも戦わなくちゃいけない
正直、私一人で戦えば」
「駄目!そんなことさせないよ!!!」
叢雲が一人で戦うと言った瞬間古鷹は力強くその手を握り返す
「貴女を絶対一人にはさせない!どんなことがあっても!」
「……ならごめんね、私のわがまま聞いてくれない?
この戦争を終わらせて皆で楽しく過ごしたいの
私も貴女を一人にしないから」
古鷹は複雑な顔をするが頬を叩き気合いを入れ直し東雲へと振り向く
「…私が、叢雲に協力することに異論はありませんよね?」
「ないさ、叢雲単身でなくて良い
何なら
「な!東雲大元帥!!」
「何だ長門?それくらいは必要だろう
お前も叶えたい望み位あるだろう」
「…なら私からも良いですか?東雲大元帥」
「良いだろう、言ってみろ」
東雲の発言に古鷹が反応し手を握り締めると願いを口にする
「……二人の罪を…
「……ほぅ?」
「古鷹……」
「待て古鷹!それは駄目だ!!」
今まで沈黙していた佐渡が声を上げ古鷹の願いに口を出す
「これはお前達に与えられる正当な報酬だ!
お前の為に使え!そういうことは!!」
「良いんです、私は貴方達二人に救われました
だからこれは私の為なんです
私の事を救ってくれた貴方達を今度は私が助けたいんです
だって、この戦争が終われば佐渡さんには極刑が下るんですよね?東雲大元帥」
その話を聞いた瞬間に全員の視線が東雲に集中する
「……誰に聞いた?」
「
「……アイツか、どこでそんなことを…
まぁその通りだ、佐渡はしばらく幽閉されるさ
内容はまだ決まってないがな」
「東雲大元帥!それは横暴ではないか!?
佐渡提督は今まで我が軍に大きな利益を!!」
「悪いな長門、これは体裁の問題なんだよ
佐渡と言う異端児を裁かないといけないと言うな
………だが、古鷹お前の願いを聞くと言うならそれも無くなるな
本当に良いのか?」
「はい、私の願いは二人に課せられた罪
反逆罪の帳消しです」
古鷹の話を止めようとするが叢雲がそれを制止させ取引が成立する
「…良いだろう、なら戦争が終わった暁には佐渡と叢雲の罪は帳消しだ」
「ありがとうございます!」
古鷹が頭を下げるとにこやかに笑っており佐渡は深くため息を付く
「長門、お前はあるのか?」
「……今の所は何もありません
いつか話します」
「良いだろう」
東雲は再び立ち上がると叢雲達を指差す
「お前達の願いは聞き届けた!
ならば成してこい!お前達のやるべきことを!!
今!我等の戦況は劣勢だ!八つの危険海域に八つの化物達!!
これを倒さねば我々の海は取り返せない!!!
願いを叶えたくばそれを制覇してこい!!グズ共!!!
俺に力を見せてみろ!!貴様ら全力とやらをな!!」
「はい!」
「言われなくても!」
「あんたに言われなくてもやってやるわよ!!!」
四人が東雲の部屋から出ていくと深く息を吐きながら椅子に座り直す
「ふふ、提督大分期待してるんだね
小笠原に」
「あー?まぁ、そりゃあな
あの化け物姫を倒したんだ、精々使い倒してやるさ」
「それって飴と鞭って奴ー?」
「ま、そんなところだな」
島風も椅子を持ってくると東雲の隣に座りお茶を飲む
「………で?どうだった島風」
「……そうだね、とりあえず二人はフェイズ3確定だね
深海の支配を乗り越えてる
問題は叢雲…ねぇ本当にあの艦娘って深海化してるの?」
「どういうことだ?」
東雲の質問に羊羮をかぶり付きながら答える
「だって、二人からは感じたけど叢雲は全く感じなかったよ?
あの時、戦ってる時は凄く濃く感じられたのに」
「……と言うと?」
「うーん、分かんない
こんなの初めてフェイズ1でも少しは違和感として感じるのに叢雲からはそんなの全く感じなかった
正直、普通の艦娘だよ?」
「………調べる必要がありそうだな」
東雲がお茶を置くと島風はそんな様子を見ながらニカッと笑う
「お仕事増えて楽しいねー!」
「んな訳あるか、只でさえ元帥共の相手で」
「失礼致します!」
突然扉が開くと大本営の職員が入ってくる
「どんなに急いでいてもノックはしろ常識知らず」
「も、申し訳ありません!ですがこれを見てください!!」
大本営の職員から渡された資料を目に通すと東雲の顔が歪む
「………やはり動いてるか白海め」
「は、はい!再びの活動です!!
今度は北方海域近海を!!」
「…分かった、何とかしよう」
「し、失礼致します!」
大本営の職員が去っていくと島風が棒付きの飴を加えながら机に突っ伏し東雲を見上げる
「どーすーるーのー?」
「辺りの避難を指示する、そして早急に対処する艦隊を」
険しそうな表情を見ると島風がニヤリと笑う
「……私、行こっか?」
その発言に東雲はハッと我に帰り頭を横に振るう
「…嫌、出る必要はない
やはり様子見といこう」
「なーんーでーよー!私一人で行けるもーん!」
机に突っ伏しながら手足をじたばたさせると頭を撫でられる
「お前が出るときは本当に危なくなった時だ
だからそれまで俺を守っててくれよ『神速』」
「ぶー……てーとくが言うなら仕方ないなー
でーもさ」
島風は不意に棒付きの飴を噛み砕くと笑う
「アイツらを殲滅したいってたまに思うよ
東雲さんの友人である如月さんを傷付けた奴等をね」
暖房が効いた暖かい部屋だと言うのに口から白い息を吐きながら島風は笑う
「お前が出るときは必ずあるさ
だからその時は期待してるぞ
我が艦隊のACE」
次回
打ち上げパーティー
東雲の呼び出しから少したった頃佐渡達は再び本土に来ていた
東雲が開催するパーティーに参加する為なのだが少し佐渡だけは警戒する
イベント始まりましたねぇ!!
まず、初手はいつも通り甲ですかねぇ
対潜水武器が手に入るならやらなくては←