二人は海に面したドッグから、自らの艤装を取り出し装着する
艤装(ぎそう)とは、艦娘が唯一装備することが出来る、対深海棲艦用の兵器である
その形は様々で、その艦娘にしか使えずそれぞれの使い方がある
人間が持つことが出来ないのは、この艤装はかなりの重量で一つ艤装を持ち上げようとすると20キロ以上の力が必要になる
叢雲は、腰周りに大きな鉄の塊と薙刀みたいのをドッグの艤装置き場から取り出す
鉄塊からは二本の鉄の管が伸びており、その先に主砲が両脇に来るように操作する
先程佐渡の背中に押し当てた魚雷を左手に付けると、手を握りしめ感覚を確かめる
そして、薙刀みたいのを右手に構え準備を整える
古鷹も同じように、ドッグから自らの艤装を取り出すが、こちらは全く違う
古鷹の艤装は、右腕全体に付ける物で、その艤装には叢雲とは違い多くの砲門が付いており、正に右腕だけで戦闘をするような物だ
古鷹は、艤装を右腕に通した瞬間、艤装がそれに反応するように古鷹の右腕にガッシリとくっ付く
そして、その右腕の艤装から二つの砲門が、左肩に回り正面を向く
最後に、二人は海上に浮くための脚の艤装を付け、海の上へと歩いていく
「あれ?叢雲?あれって艤装じゃなかったの?」
「あんたねぇ……流石に司令官を艤装持って殴らないわよ
模擬艤装よ」
「それもそうか、っと叢雲こっちこいこれ付けろ」
佐渡は、海の上に向かう叢雲の左目にあるものを付ける
それはまるでどこぞのドラ◯ンボールのスカウターの様な見た目をしたものである
「あんたねぇ……
大丈夫だって、言ったでしょ?」
叢雲は少し呆れながらも、そのスカウターの電源を入れる
スカウターは、電源が入ると何の映像も流れるわけは無いが、少し視界が見辛くはなった
「なら、俺もいくぞ?」
「………分かったわよ」
叢雲は、渋々理解し海上に向かって歩いていく
先に古鷹が、ドックの海上に立っており、叢雲を来るのを待ちながら、自分の艤装のチェックなのか右手を少し上下に降っていた
「何で、こんなものを……」
「提督も心配性なんですよ、それに少し頑固ですからね」
古鷹は、微笑みながら叢雲に言うとまるで仕方無いかと言いたげな顔をしながら、頭をポリポリとかきながらハッチが開くのを待つ
ハッチが完全に開くと二人は出撃体制をとる為少し中腰になる
「行ってこい!!!そして!!必ず帰ってこい!!!」
「はい!!提督!!」
「分かってるわよ!!!司令官!!」
そして、二人は各々出撃の合図であるかの様に叫ぶ
「重巡古鷹!!出撃します!!」
「特型駆逐艦叢雲!!!出撃するわ!!!」
そう叫ぶと、二人は海上を走行し、ドッグの外へと出撃していった
「……頼む、神様居るなら二人を無事に返してくれ……」
二人が居なくなったドッグで、小さく佐渡は呟くと、ドッグから離れ提督室へと走る