艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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勝利を確信したときこそ、大きな隙が生まれる


多良間島奪還作戦 七

「なん……だと?」

 

 

長門は予想外の深海棲艦に唖然としていた

その様子を可笑しく思った外に待機していた戦艦や旗艦達が一斉に体育館へ入ってくる

 

 

「戦艦……タ級?」

 

 

「あれ?戦艦棲姫は?」

 

 

「妙高!!どう言うことだ!!」

 

 

「え……どうして?嘘よ!!今朝まで居たって瑞鶴が!!」

 

 

一同が慌て混乱していると、その最中に戦艦タ級は頬を吊り上げ怪しく笑っている

 

 

「フフフ、アハハハハハ!!!」

 

 

「何が可笑しい!!!貴様!!!戦艦棲姫をどこにやった!!!」

 

 

長門は、主砲を撃つのを忘れタ級に近寄り胸ぐらを掴み持ち上げる

その最中でも、タ級はずっと笑っていた

 

 

「磯風!!電探に反応は!?」

 

 

「いや……この島のどこにも…」

 

 

すると笑っていたタ級が、おもむろに天井に主砲を向け、長門を嘲笑う

 

 

「バカドモメ、オマエタチハオワリダ」

 

 

「何…?」

 

 

長門がそれを問い詰めようとした瞬間、タ級が天井に向け主砲を数発連続して撃つ

撃たれた弾道は、そのまま体育館を突き抜け空へと登りある程度まで上がるとまるで花火のような爆発を見せる

 

 

「貴様!!!何をした!!!」

 

 

「ハハハハ!!オワリダ!!オマエタチモワタシモ!!!」

 

 

タ級は、それからずっと笑っており長門はタ級を投げ捨てると直ぐ様唐澤に連絡を取る

 

 

「こちら長門!!応答してくれ!」

 

 

『どうした?長門報告しろ』

 

 

「現在、多良間島中央の体育館。

在住している最後の深海棲艦戦艦タ級と接触

だが、肝心の姫級

戦艦棲艦が何処にもいない!!」

 

 

その報告を聞いた、会議室にざわめきが生じる

そして、その視線は沖縄鎮守府石澤に向けられる

 

 

「石澤大尉これはどういうことですか?」

 

 

石澤大尉は、唖然と口を開けその場から崩れ落ちる

 

 

「嘘だ……だって今朝瑞鶴の報告では…」

 

 

その姿を見るに他の提督も察していた

彼は嘘などついていない、我々が一杯食わされたと

だが、唐澤は落ち着きながらも長門の報告を聞く

 

 

「長門、なにか奴は言っていたか?」

 

 

『確か、終わりだお前達も私もと………』

 

 

その言葉に、一番反応したのは悩んでいた佐渡だった

終わり、艦娘達だけなら分かる

だが何故わたしも?

その瞬間、佐渡は急いで立ち上がりマイクを手に取ると叫ぶ

 

 

「長門さん!!!罠だ!!!急いでその島を離れろ!!!」

 

 

長門は耳から叫ばれ、耳を痛くしながらも佐渡からの声を聞き直す

 

 

「佐渡提督?何だ、罠とは……」

 

 

だが、それを聞き直す前に各艦隊の旗艦に砂浜で休んでいる者達から緊急連絡の回線がはいる

 

 

「どうした?伊58」

 

 

その連絡は、この状況そしてこの島に仕掛けられた最悪の罠の発動を報告するものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長門!!!緊急連絡!!!

深海棲艦が深海より浮上!!多良間島を囲む様に展開してるでち!!!

奴等!!私達を待ち伏せしてたんでちぃ!!!」

 

 

 

「何だと!?」

 

 

「なんだ……この数は!?」

 

 

磯風が弄っていた端末に、一気に反応が入りそれは島を囲う様に展開されておりその数ざっと70はくだらない数が反応を示していた

しかも、まだ更に増え続けている

 

 

 

 


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