二人は、巡航を続けながら辺りの近海を哨戒していく
「…古鷹さん、水上偵察機の方は?」
「……飛ばしては居ますが居ませんね」
だが、警戒は解かない。
前の出撃で警戒を怠り被弾したことがあるのだ。
しかも、真後ろから唐突に
『あー、あー、二人とも聞こえる?』
叢雲や古鷹には、インカムを耳に装着しており、それから佐渡の声が聞こえる
「ええ、聞こえるわ」
「大丈夫ですよ、提督聞こえてます」
二人は、佐渡の声を聞くとどこか安心した気持ちになり、警戒を少し解いてしまう
『古鷹、水上偵察機はどうだ?引っ掛かったか?』
「いえ……今のところは」
『叢雲、今どこらへんを巡航してるんだ?』
「そうね……」
叢雲は、辺りを見渡し、それらしいものを探すが生憎、海上故に全く分からない
鎮守府は見えるからそこまで遠くでは無いということだけは辛うじて分かる
「鎮守府がまだ見えるからそんな遠くでもないわね。
大体、島の入り口かしらね?」
『そうか……』
佐渡は、提督室で小笠原鎮守府近海の海図を広げながら、叢雲達の現在地を割り出す
大体入り口……となると、ここら辺か
大体の位置が分かった佐渡は、二人に指示を出す
『叢雲、古鷹もう少し鎮守府から離れて偵察を行ってくれ。さっきの警報からはまだ時間が経ってないから、恐らく奴等の居場所は、そこから約4キロ圏内
こちら側に向かっているなら恐らく3キロ圏内には居る
もう少し走ればそいつと御対面だな
戦闘準備をしておけ』
佐渡の正確な指示を聞いていた二人は、顔を見合せ相変わらずだなと言う感じになり、指示通りに進んでいく
「ねぇ?司令官」
『ん?何だ叢雲』
「あんた……『あんなこと』しなかったらもっと良い所の司令官になってたんじゃない?」
叢雲は、半笑いになりながら佐渡を茶化す、それを聞いた古鷹もフフフと微笑みながら、佐渡と話す
「そうですね、私何かを助けなければ……」
そう、古鷹が言いかけた瞬間
『ふざけるな!!!!』
インカムから割れんばかりの声量の佐渡の怒号が聞こえる
二人はあまりの大きさにインカムから耳を外してしまう
『あんな奴等みたいになるんだったら!!俺は提督なんてやってたまるか!!!
艦娘に責任を押し付け!!!自分の昇進の為に使ってるクズ共と一緒になってたまるか!!!
良いか!!俺はお前達と歩んで行きたいんだ!!!
それを邪魔するなら誰だろうが許さねぇ!!!』
いつも温厚な佐渡が、声を荒げて叫んでいると、インカムから二人の笑い声か聞こえてくる
「アハハハ!冗談よ!
悪かったわね司令官」
「フフフ、ごめんなさい、提督
悪ふざけが過ぎましたね」
二人が笑っているのを聞いた佐渡は、へなへなと力が抜けて椅子に腰かける
『……叢雲、今日ピーマンの肉詰めな
古鷹は、納豆オムレツな』