艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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チェックメイト 二

「宮古島がここ、うちの艦隊はここ、連合艦隊はこの多良間島」

 

 

佐渡は、マグネットを置いていき現状と敗北の原因を説明する

 

 

「まず最初に、アイツらは連合艦隊を全ての深海棲艦で殲滅しますと仮定します

そして、その間に戦艦棲姫が沖縄を一体で落とします

もう既にこの状態で我々の敗北は確定的です」

 

 

「だが、奴は一体しか来ていない

何とか出来るのではないか?」

 

 

「嫌、一体で来てるからこそです

奴はかなりの自信があると言うことです、それに奴の目的は島ではありません少しでも良いから島民を確保したら奴の勝ちです」

 

 

佐渡のその発言に、元帥や他の提督は顔を曇らせる

 

 

 

「まさか……戦艦棲姫の目的は…」

 

 

 

「そう、《島民の捕獲》です。

つまり、私達が必ず全員避難仕切ることが今回我々の勝利となります

そんなこと出来ますか?」

 

 

提督達は、一斉に黙ってしまう。

不可能だ、今からどんな勢力を使ったとしても島民全員を全て避難させるのは

 

 

「そ、そうだ!!大和!!戦艦大和が居るじゃないか!?

こいつをぶつければ…」

 

 

白鳥は、大和を見るが首を横にふり猿橋がその理由を説明する

 

 

「大和は……艤装を持ってきてないんだ……

今の彼女は、ただの女性と変わらない」

 

 

すると、唐澤はこの鎮守府の主石澤に迫ると肩を叩く

 

 

「阿武隈や他の艦娘はどうした?」

 

 

「……彼女達は入渠しております

確かにもう少しですが間に合いません」

 

 

各員はそれぞれ、案を出しては行くだがどれもこれもやはり駄目な物ばかり

そうしてる間に、佐渡が一つの打開策を出す

 

 

「……一つだけ、あると言ったらあります

ただし、これは不可能に近いです」

 

 

 

その言葉に、部屋に居る提督達は佐渡に視線が集中する

 

 

「あるのか!?何か!!」

 

 

「佐渡、言え」

 

 

「多良間島の連合艦隊が、全ての深海棲艦を倒し、

戦艦棲姫をどうにかし足止め、そしてぶつけるですよ?」

 

 

その発言に再び各提督は黙ってしまう

出来るわけがない

今多良間島には、70を越える深海棲艦が連合艦隊を相手にしている

ただし、主力の戦艦達は陸地向こうは奇襲により大混乱状態

それを撃破出来たとは言えど沖縄へ戻り戦艦棲姫の相手なんて出来るわけがない

 

 

確かに少し戦力はある、ただしそれはたった三人だけで戦艦棲姫を足止めなんてそんなことを出来るわけがない

 

 

それに足止めしたとしても歴戦の可能性が高い戦艦棲姫止められる時間なんて数分程度

 

 

「元帥、つまりですね

我々は奴等との知恵比べで負けたんですよ

 

 

チェックメイトです

我々の敗けです」

 

 

そう言い放つと元帥は、力無く椅子に倒れるように座り、唐澤は拳を握り締め唇を噛んでいる

この場に居る提督全てが諦めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんなことかの様な笑い声がインカムから聞こえてくる

 

 

 

 


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