艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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戦艦棲姫迎撃戦 八

指示と共に叢雲は、戦艦棲姫へと向かい突っ走り二人はある程度の距離を取りつつ砲撃をしている

 

 

「……ソロソロ本当ニヤバイナ」

 

 

戦艦棲姫は時計を艤装から取り出し、直ぐにしまうとケルベロスの肩に乗り始める

 

 

「ケルベロス!!叩キ潰セ!!」

 

 

「ガァァァ!!!」

 

 

向かってくる叢雲へ命ずると戦艦棲姫も主砲を構え迎撃体制を取るがそれ同時に援護している二人を見るとニヤリと笑う

 

 

「ソウ言エバ叢雲ト言ッタカオ前」

 

 

「それが何!!」

 

 

主砲を構え、ケルベロスに向かい走る叢雲に戦艦棲姫が話しかけてきており主砲を叢雲とは別の方角へ向ける

 

 

『!!

古鷹!大井のカバー!!』

 

 

佐渡からの不穏な指示を聞くと、叢雲は勘づき急いで主砲を戦艦棲姫へ向け砲撃をするがケルベロスがそれを阻む

古鷹も全速力で大井のカバーをしようとするが間に合わない

 

 

 

「アンタノ仲間ノ一人ハ使イ物ニナラナイミタイネ!!」

 

 

 

戦艦棲姫は、大井へと主砲を構え両腕で砲撃をすると佐渡の声がインカムから大声で聞こえ大井は避けようとするが

 

 

『大井!!避けろぉぉぉ!!』

 

 

「きゃあぁぁぁぁ!!」

 

 

戦艦棲姫は、正確に大井の足と胴体を撃ち抜き大井は被弾してしまう

足は幸い艤装に当たり爆発を起こしただけだが、鋭い痛みに襲われ海面に膝をついてしまう

胴体に関しては円を書くように服が破け、所々火傷の後がある

服の艤装によるセーフティが働き最小限の損傷に押さえていたが艤装はボロボロであり状態は中破である

 

 

「ヤハリ、ソイツハオ前達トハ違ウナァ?」

 

 

「あんた!!」

 

 

叢雲は、古鷹が大井のカバーに入るのを確認すると戦艦棲姫に単艦で突っ込んでいく

 

 

「援護モ無シニ来ルノカ

愚カ者メ!!」

 

 

「黙れ!!沈めてやるわ!!」

 

 

『大井!大丈夫か!?』

 

 

「問題ありません…

まだやれます…」

 

 

佐渡からの言葉に痛みを耐えながら立ち上がり、古鷹と共に砲撃を構えるがやはりふらついてしまう

 

 

『古鷹、大井の状態は?』

 

 

「良くありません

これ以上の戦闘は困難かと……」

 

 

 

古鷹は主砲を構えながら、大井の肩を支えると大井は唇を噛み締める

目の前では、叢雲が戦艦棲姫とケルベロスの相手をしているが全くダメージを負えさせてないのを見える

 

 

「もっと……強くなりたい…

二人に迷惑かけないほどには……」

 

 

大井の言葉に、古鷹は微笑みながら叢雲を見る

 

 

「私も……強くなりたいな」

 

 

その言葉に大井は驚きを隠せない

今でも充分強いのに、何故こんなことを?

そんなことを考えていると二人の目の前に、叢雲が吹き飛ばされて来る

 

 

「いったいわね!!!」

 

 

 

叢雲は、主砲を構え戦艦棲姫に撃つがケルベロスが手で防いでしまうと舌打ち君に立ち上がる

 

 

「あぁ!!うざったいアイツ!!

何とかあれを引き剥がせないかしら!?」

 

 

頭をかきむしりながら、考えていると古鷹が指をさしながら叢雲に提案する

 

 

「……戦艦棲姫とケルベロスを繋ぐ首のコード

あれ撃ち抜けないかな?」

 

 

古鷹の指先を見ると、確かにケルベロスと戦艦棲姫の首はコードで繋がっておりそのコードはそこまで長くない

確かに二人はある程度の距離から離れようとはしないが恐らくあれが原因であろう

 

 

「……やってみる価値はあるわね?」

 

 

叢雲は古鷹、大井の順番に頷くと再び走り出し艤装を展開し主砲をケルベロスへと撃ち始める

 

 

「私が隙を作る!!古鷹頼んだわ!!

大井!無茶しないで休んでなさい!!」

 

 

 

その合図と共に古鷹は、叢雲の後ろで主砲を構え、大井はフラフラとはしているものの立ち上がり主砲を構える

 

 

 

 

 

 






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