艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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鎮守府近海防衛戦 四

 

佐渡から、伝達を受けた二人は先程より速度を上げて、深海棲艦改め、島流しにあった艦娘を探す

 

 

「大本営!!本当に私達(艦娘)をただの兵器と思ってるみたいね!!」

 

 

「叢雲!!急ぎましょう!!その子が危ないです!!」

 

 

二人は焦りながらも、速度を上げ海を航行する

すると、古鷹が何かを見付けた様に叫ぶ

 

 

「敵影確認!!、もうすぐです!!」

 

 

すると、海原の向こうから砲撃音が聞こえてくる

 

 

「お願い……間に合って!!」

 

 

叢雲は、更に速度を上げ、その砲撃音に向かっていく

すると、確かに敵は確認できた

 

 

だが、その敵は一人の少女を集中的に狙っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘っ……魚雷発射管が……」

 

 

少女の目の前には、戦艦ル級一体重巡リ級二体、軽巡ヘ級二体、駆逐ハ級二体が少女に向けて砲門を向けていた

 

 

「私もここまでね……

ごめんなさい…」

 

 

少女は目の前の死を受け入れていた、自慢の魚雷が使い物にならなくなっては私は何にもないのだから

 

 

「最後に北上さんに……

会いたかったなぁ……」

 

 

だが、自らの行いに悔いはない、あんなクソ男にヤられる位なら、自らの死を選ぶ

それが、出来ないからここ(小笠原鎮守府)に飛ばされた

力が抜け、少女は海面に倒れ込む

 

 

「さようなら……

北上さん…」

 

 

少女は涙を流し、その時を待つ

そして、深海棲艦達は一斉砲撃をする瞬間

 

 

 

 

 

 

 

駆逐ハ級二体と軽巡ヘ級が一体突如としてきた雷撃によって一撃で激沈したのだった

 

 

 

「……え?」

 

 

少女は横たわりながら、その光景に驚いていた

自らが戦っても全く歯が立たなかった相手を一撃で……

一体誰が……

 

 

「私の縄張りで何してやがるのよぉ!!!!」

 

 

その声を聞いた戦艦ル級達は一斉にその声に振り向く、少女も最後の力を振り絞り、その方を向くと凄い形相と剣幕でこちらに向かってくる、自分より一回り小さい女の子だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「軽巡1!駆逐撃破!!!後、四体!!」

 

 

叢雲は、自らより早いと確信していた酸素魚雷を撃っており、それを見事三体に直撃させ、撃破していた

 

 

「叢雲!!援護するよ!!」

 

 

古鷹も叢雲に追い付き、右腕を戦艦ル級に標準を合わせ

 

 

「よぉぉく狙って……撃てぇ!!!」

 

 

唐突に来た援軍に、深海棲艦達は驚き、一瞬動きが遅くなる。

その隙に、古鷹は重巡リ級目掛けて主砲を撃つ

撃たれた砲撃は、見事リ級を直撃、当たり所が悪かったのか、これも一撃で沈めてしまった

 

 

「ガァ!!!」

 

残された三体の深海棲艦は、援軍の二人に向けて航路を変更し、突っ込んでいく

 

 

少女は、それを見て安心からかそれとも、疲労と傷からかそこで意識が途絶えてしまった

 

 


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