阿武隈と叢雲は戦艦棲姫へ真っ直ぐ走っていき、那智と古鷹は少し離れて援護砲撃の準備をしている
するとケルベロスが主砲の標準を那智と古鷹に合わせ先制砲撃をする
「くぅ!」
「何の!!」
砲撃は二人の横を掠め海面に着弾すると水柱が上がる
その隙に阿武隈と叢雲が距離を詰めようとするが
「沈メテヤルワ!!」
前から突っ込んできた戦艦棲姫が主砲を阿武隈にぶつけ
もう片手で叢雲の首を掴もうと手を伸ばす
「ぐはっ!!」
「阿武隈さん!!」
「余所見出来ルノカシラ!?」
叢雲は戦艦棲姫の手を掴むと投げ飛ばすと阿武隈に当たっていた主砲も離れる
投げ飛ばされた戦艦棲姫は直ぐ様着地をすると叢雲に主砲を構える
「甘いわよ!!」
「ドッチガカシラ!?」
「叢雲!!後ろ!!」
「ガァァァ!!!」
叢雲のすぐ後ろまでケルベロスが迫り拳を振り上げており避けようとするのだが
「っ!!」
足に力が入らない
先程ケルベロスの攻撃をまともに受けており蓄積した痛みと過剰な動きについに耐えきれなくなり足が動かなかった
ドゴッと鈍い痛みと共に叢雲の腹部に拳が当たりそのまま拳と共に主砲が放たれ叢雲に直撃すると爆煙を上げながら宙を舞い海面へと落ちる
「叢雲さん!!!」
「オ前モダ!!」
少しだけ油断した阿武隈に戦艦棲姫は左の主砲を砲撃すると直撃し爆煙に包まれと同時にケルベロスが拳を当て叢雲と同じ場所へと殴り付ける
「ごぼっがはっ……」
二人の連携技を受けた阿武隈は腹部の焼ける痛みと共に喉から上がってくる吐き気に耐えきれず血と共に胃酸を吐き出し苦しみつつある
「阿武隈!!」
「叢雲!!」
「ガァァァ!!」
未だに意識の無い叢雲と苦しむ阿武隈に駆け寄ろうと二人は走るのだがケルベロスが主砲を撃ちその行き先を行かせまいと砲撃をしてくる
「アハハハ!!二人落トシタゾ!!
沈メテヤルワ!」
「誰…を……沈め…る…です…って…?」
その声に戦艦棲姫はぎょっとして二人を飛ばした先を見る
そこには苦しみながら、吐血をし艤装を海に突き立て全身血塗れになりながらも弱々しく立ち上がろうとしている叢雲が居た
『叢雲!無茶をするな!!』
「うる…さ…い…!!」
先程の砲撃で服はボロボロになり艤装のセーフティが無くなり腹部には砲撃の焼けるような痛みと殴られた鈍い痛み
それに加え内蔵も少しやられたらしく口の中に血が溜まり嘔吐するように大量の血を吐き出す
骨も折れており、動かそうとすると激痛が走る
「阿…武……隈!!起き…な…さい…!戦闘は…まだ…続い…て…るわ…よ!!」
その声に何とか立ち上がり、腹部の痛みを抑えながら阿武隈も立ち上がる
こちらも服はボロボロになり、吐き気は止まらず全身焼けるような痛みに耐えながらフラフラと立ち上がる
『阿武隈…無茶は…』
「大丈…夫!それ…に
駆逐…艦…何かに…負け…るわ…けない…でしょ…!!」
「「私達が負けるわけには行かないの(よ)!!
守りたい物があるんだから!!」」
二人は重症なのに立ち上がり、再び気合いを入れる
叢雲は海面に右手の魚雷を突き立て静かに三発全て海中に射出する
「残…り五…分…」
そう呟くと、艤装を構え再びケルベロスと戦艦棲姫にボロボロの状態で向かっていく
「渋イ奴等目!!」
「全艦!!奴等に隙を作るわ!!!
砲撃用意!!!」
叢雲は叫ぶと痛みのあまり吐血をするが、それに耐え主砲をケルベロスへと当てていくがその前には戦艦棲姫が立ち塞がる
二人は、ケルベロスしか見えておらず戦艦棲姫に気付いていない
「良イ的ネ!!シズ…」
そう言いかけた瞬間戦艦棲姫は砲撃による爆煙に包まれ睨むようにその先へ目向ける
「やらせはせんさ!!」
「やらせません!!」
「コノグズ共ガァァァ!!!」
戦艦棲姫を抜け、ケルベロスへと向かうとこちらに砲主を構え砲撃してくるが何とか二人は避けるのだが
「あっ…」
阿武隈が躓き、フラッと倒れそうになるが叢雲がその手を掴み何とか持ち直す
「ありがと!」
「お礼なら…これが終わってからよ!!」
ボロボロの二人は、何とかケルベロスへとたどり着くと近距離で砲撃を開始する
「ガァァァ!!!」
ケルベロスも応戦するように爪を振り上げ戦闘を仕掛けるが先程より動きが鈍い
三人の攻撃が効いているのか、左脚を気にしながら戦っており叢雲はそこに目をつけた
「阿武隈!!左脚を狙うわよ!!」
「了解!」
「グラァァァァ!!」
二人はケルベロスの猛攻を交わしながら、左脚に集中的に砲撃をするとその痛みにケルベロスは耐えきれず倒れてしまう
「ケルベロス!!ドウシタノ!?」
「時間ね、撤退するわ!!」
「オッケー!!」
ケルベロスの声を聞き付けた戦艦棲姫が駆け付けてきておりその間に二人は離れていく
「アァ、脚ガ…オ前達!!」
だが、その瞬間ケルベロスと戦艦棲姫は海下から来た雷撃に直撃し水柱に包まれる
「雷撃!?一体誰が……」
「阿武隈!!砲撃用意!!!」
阿武隈が驚きながら叢雲を見ると右手の魚雷が全弾無くなっているのに気付きニヤリと笑いながら主砲を戦艦棲姫とケルベロスに向ける
「…流石雷撃姫」
「全艦!!砲撃先ケルベロスと戦艦棲姫!!」
その言葉と共に全ての艦娘が主砲を戦艦棲姫とケルベロスへと向ける
「己レ……雷撃トハ小癪ナ…!!」
水柱が晴れた瞬間、戦艦棲姫の目に飛び込んできたその光景に唖然とした
全ての艦娘がこちらに向け主砲を構えていたのだから
「ケルベロス!!」
「ガァ!!」
ケルベロスは、身を体して戦艦棲姫を守ろうとすると背中のあるものが古鷹の目に映る
「古鷹ぁぁぁ!!!背中を撃てぇぇぇ!!」
「了解っ!」
古鷹は正確に落ち着きながら、主砲を構えると深呼吸をしながらゆっくりと狙いを定める
「……当てる絶対に
砲撃、開始」
静かに呟き砲撃をすると、古鷹は正確に先程叢雲が取り付けた失敗作の魚雷がありそれを撃ち抜くと瞬間大爆発か起こり痛みのあまりケルベロスは手を背中へと伸ばし、戦艦棲姫ががら空きになる
「ガァァァァァァ!!」
「ナニ!?ドウシタノケルベロス!?」
「流石!古鷹!!」
「全艦!!一斉砲撃!!!」
突如起きた爆発に驚き戦艦棲姫も慌ててケルベロスの背中を見ようとするがすぐに叢雲達へ向き直るがもう遅く叢雲がニヤリと笑っているのを見ると睨み付ける
「「「「撃てぇぇぇぇ!!!」」」」
「ヤッテクレタナァァァァァ!!叢雲ォォ!!!!!」
瞬間、九人からの砲撃をまともに受けた戦艦棲姫とケルベロスは砲撃による爆煙に包まれ辺りは静けさを取り戻す
「やったの…?」
「……かしらね」
阿武隈は静かに呟き、叢雲も辺りを確認すると遠くからこちらに来る影を見付け油断してしまう
だが、次の瞬間
爆煙から何かが勢い良くこちらに走ってきており叢雲の首を掴み持ち上げる
「ヨクモ、ヨクモヨクモォォォォォ!!!」
「ガグラァァァァァァ!!!!」
まだ、晴れない爆煙の中ケルベロスは全身を弱らさせては居るものの両手の主砲と脚の魚雷発射菅は壊され黒煙を上げているが肩の主砲は生きておりこちらに向けて適当に砲撃してくる
そして、頭の角を両方折られ左手を主砲と共に無くし、左脚を血で真っ赤に染めているがそんなのを気にしないほどの気迫で叢雲を掴んでいた
「ぐぅ……」
「叢…雲!」
阿武隈も突然の事に驚き、何とか応戦しようとするが身体が動かない
先程からの無茶がたたりもう身体が限界を迎えていた
他の者達もケルベロスの砲撃を避けるのに精一杯であり叢雲の心配なんて出来ないほどである
だが、叢雲は笑っていた
「何ガ可笑シイ!?」
「アハハ…何でって…私達の…勝ち…だから…よ」
『あぁお疲れ様、皆
良く耐えてくれたな
俺達の勝ちだ』
佐渡は、スカウターをデスクに起きため息混じりに息を吐き訳がわからない石澤は佐渡を攻め立てる
「佐渡少尉!!一体どういう…」
「どういうってそりゃ……」
「『時間切れだ(よ)』」
それと同時に佐渡と叢雲はニヤリと笑う
「全艦!!あのデカブツに一斉砲撃!!
撃てぇぇ!!!!」
次回
決着
これで、戦艦棲姫との戦いは終わりになりますがまだ少しだけ続きます!