その言葉に驚いた戦艦棲姫は、叢雲の手を放しケルベロスへと向き直るとケルベロスへと大量の砲撃が降り注ぎ大爆発を起こしている
「ケルベロス!!」
「ガァ……アァ…」
先程古鷹達のより火力の高い砲撃にケルベロスは耐えきれず、その場に倒れてしまい海面が水飛沫と共に血を流している
肩の主砲もその砲撃で破壊され、ケルベロス自体もボロボロの状態である
「マサカ!!嘘デショ!!アレヲ抜ケテキタノカ!?」
「遅いのよ……全く…」
「あれって……」
「凄いな…あれを抜けてきたのか…」
戦艦棲姫は驚きながらもその姿を見るとその顔は絶望に染まり、叢雲達は歓喜に震える
「連合艦隊到着!!これより戦艦棲姫の迎撃を開始する!!!」
多良間島に居たはずの連合艦隊であった
長門を筆頭に全旗艦が前に並びこちらに向けて進軍してきておりその内の不知火、北上が叢雲達へ飛び出してくる
「不味イ!!セメテコイツダケデモ!!」
戦艦棲姫は、何とか叢雲だけは仕留めようと再び手を伸ばすがそれよりも早く不知火が叢雲の前に飛び出し手を近距離で撃ち抜く
「往生際が悪いですね
沈め!!」
「駆逐艦ガァ!!」
不知火の砲撃を避け、後ろに下がると見せかけ不知火の腹部に蹴りを入れると苦しさのあまり腹を抑え後ろに飛ばされてしまう
「ぐっ」
「沈ムノハ貴様ダァ!!」
戦艦棲姫が不知火を再び殴ろうとすると真下からの雷撃により吹き飛ばされてしまう
「クソ!!マタ雷撃カ!」
「へ~、あんたが戦艦棲姫何だー?
まぁどうでも良いけどさ?
良くも大井っちをこんなにしてくれたね
流石に私も怒っちゃうよ」
先に撃っていた雷撃が命中し、北上は大井達の前に立ち塞がりその顔は珍しく怒りに満ちていた
「ヒーロー到着何てね
大井っち助けに来たよん
……今度は助けるからね」
「北上さぁぁぁん!!」
大井はボロボロになりながらも北上に抱き付くと北上が大井の頭を撫でていた
そして、戻ってきた不知火も主砲を戦艦棲姫へと向けていた
戦艦棲姫は膝をつき集まりつつある連合艦隊を睨み空に向かい叫ぶ
「ケルベロス!!」
「ガァァァ!!!」
ケルベロスは、ボロボロになりながらも戦艦棲姫へとたどり着き北上達へ威嚇しているがその姿は先程より驚異とは呼べないほどに痛々しかった
「お前の負けだ戦艦棲姫よ」
戦艦棲姫とケルベロスの前に長門が立ち塞がり主砲を向け睨みを効かせていた
後ろに居る横目で見ながら叢雲と阿武隈に一言呟く
「良く耐えたな
後は、我々連合艦隊に任せろ」
「お願い…します!!」
「……ふん、遅いのよ」
阿武隈は安堵し、海面に座り込み叢雲は嫌味を言う様にそっぽを向いてしまう
だが、長門は前に居る戦艦棲姫に振り返り主砲を構える
「全艦!!目標!戦艦棲姫!!
主砲準備!!」
「ケルベロス!!」
「ガァ!」
どうやら、まだやる気のあるらしいケルベロスはまだ使えそうな主砲を構え長門達へと向けている
「そこまでだ」
突如として聞こえたその声と同時に長門達と戦艦棲姫の間に海中から水柱が上がり深海棲艦の艦隊が六体の姿を現す
その編成は全て戦艦ル級であり主砲が無い盾を装備していた
次回
邂逅
新種の深海棲艦現る?