「ナッ!!」
「深海棲艦!!」
突如として現れたその深海棲艦に二組は慌て艤装を構えるがその者は両手を上げ降伏の態度を取る
「……なんのつもりだ貴様」
ル級達はケルベロスを囲うように動き完全にその回りを固定すると一切動かなくなりその深海棲艦は両手を上げながら長門に近付きル級の隣まで来ると止まり首を傾げる
「ふーむ…?両手を上げるのは降伏の表れだと聞いたのだが間違っていたかな?
私は君達と戦う意思はない」
その深海棲艦の姿は、空母ヲ級と酷似していた
だがヲ級とは違い頭に艦載機を発艦させる艤装が無く代わりに腰に飛行場姫と同じ様なカタパルトだけを装備しており他に艤装が見当たらない
口元は真っ白なマフラーで隠れており半分くらいしか見えていないが無表情であることだけは分かる
そして、普通に人間の言葉を喋れるところを見ると通常のヲ級とは考えられない
「戦う意思はない……?
なら何故戦艦棲姫を庇う?」
「何故なんて分からないのか?
《ユリ》とケルベロスを回収しに来たのさ」
「待テ《監視者》!!嫌待ッテクダサイ!!」
ユリと呼ばれた戦艦棲姫は、ケルベロスの側に立ちながら傷口を抑え監視者と呼ばれた謎の深海棲艦に顔を向ける
「私ハマダ戦エマス!!
ネェ!ソウデショ!!ケルベロス!!」
「ガァ…ァァ!」
ケルベロスもボロボロの身体を動かし、再び動きだそうとするが監視者はル級へ合図を出すとケルベロスの脚を蹴り飛ばす
「ガァァァァァァァ!」
「ル級貴様!!」
ケルベロスは痛みの余り脚を抑え苦しんでいると監視者はユリとケルベロスを睨み付ける
「黙れ、このまま沈めてほしいのか?
貴様ら」
その顔に恐怖したケルベロスとユリは萎縮しケルベロスも倒れてしまう
監視者は長門に振り替えるがやはり無表情のまま杖に手を当てる
「と言うわけだ、我々は帰らせて頂こう」
「何がと言うわけよ!!」
長門の隣で弓を目一杯引き艦載機を飛ばそうと瑞鶴は監視者を睨み付ける
「あんたが!!多良間島を占拠してたんでしょ!!
冗談じゃないわ!!
ここでみすみす逃がすわけないでしょ!!」
瑞鶴は、弓を空に放つと弓矢は艦載機に代わり監視者に向け爆撃をしようと突っ込んでいく
近くのル級がそれを阻止しようとするが監視者はそれを制止し腰から数機の艦載機を飛ばす
「航空戦か、それにその艦載機
成る程、お前のだったのか貧乳ツインテール」
「っ!!蜂の巣にしてやるわ!!!」
瑞鶴の放った艦載機は十機に対し監視者が出した艦載機は三つどう考えても勝てるわけがないと言うのに監視者は落ち着いていた
「だが下手だな貴様」
「っ!!なによその機動!?」
監視者が放った艦載機は通常ではあり得ない動きをしながら確実瑞鶴の艦載機を全て撃ち落とし、空に滞空している
通常艦載機はその場に滞空何て物は出来ないのだが、監視者の艦載機はそれが出来ていた
「満足したか?」
「こんのぉ!!」
「面倒だな」
瑞鶴が再び弓を引き艦載機を飛ばそうとしてくるが、先に監視者の艦載機が瑞鶴を正確に狙ってくる
「瑞鶴!!」
「ふむ……そのツインテールは瑞鶴と言うのか」
長門が間に入りその攻撃を自分で受けようとするが、監視者の艦載機はそれを避け回り込み正確に瑞鶴の飛行甲板を破壊し爆煙に包まれる
「きゃあぁぁぁぁ!!!」
「貴様ぁ!!」
長門は怒り主砲を監視者に向けるが、監視者は右手を上げ弁明する
「待て、黒いの
私は攻撃をされたから返したまでだ
それに瑞鶴と言ったか
そいつには怪我はないはずだ」
長門が瑞鶴を見ると確かに正確に飛行甲板と弓を破壊しており本人にはほとんど怪我がない
その言葉を信じ主砲を下ろす
「……だが確かに逃がすわけにはいかない
大人しく我々に捕まるなら話は別だがな」
「それは困るな、私も任務なのだ
逃げさせてもらおう
だがまぁ、少し話そうではないか?
黒いの」
次回
女王(クイーン)
因みにこの監視者は実際の艦これには出てこないのでご了承を
完全なオリジナルでございます