「話…だと?」
監視者から言われた提案に長門は不審がりながらも主砲を完全に下ろす
「そう、私はお前達に興味がある
我々の作戦を看破した君達にね」
そういい終わると同時に監視者は両手を叩き純粋に長門率いる連合艦隊とユリを迎撃した叢雲達と阿武隈達を褒める
「見事だったよ、君達の足掻きと信念とやらは
我々も見習わなくてはね
特に、そこの叢雲
君、この前も私達のル級を撃破した駆逐艦は
今回の戦いも見事だった
良くもまぁユリとケルベロスを相手取れた物だ
それに加えそこの黒いの
名前は分からないが君が多良間島の戦いの火付け役だった
私は全て見ていたからね
いやーお見事お見事感服したよ」
「敵に褒められるとはね……
変な感じね」
「同感だ」
そう長々しく監視者は今回のMVPを褒め称えると、両手を叩くのを辞め人差し指を立てる
「さて、では君達に特別に報酬を与えよう」
先程からかなり友好的な監視者に全員はすっかり気が抜けてしまい
その言葉に喜びすら覚えていたところに更に向こうからの報酬と言う言葉の誘惑に乗ってしまう
「何だ報酬とは」
「黒いのと叢雲の質問に一つだけ正直に答えよう
何でも、な」
その言葉に全艦娘と提督達はざわめきだす
深海棲艦との会話、これ自体すら珍しく大きな情報になると言うのにも関わらず向こうから情報を聞き出すことが出来るのだからざわめきだすに決まっている
「本当に…何でもか?」
「あ、一つ訂正しよう
私でも分からないものがある
その場合、私は分からないと答えよう」
その話を聞いていた作戦会議室の提督達はざわめきだしそれぞれ案を出しあっているが唐澤はそれを押しきり長門へと指示を出し長門はその言葉を聞き監視者に質問を出す
「私から良いか?」
「良かろう黒いの
聞こうか」
「……お前達、深海棲艦は何故我々、人間を襲う?」
「何だそんなことか」
長門の質問に、監視者は片手を長門達へ指差し首を傾げながら答える
「至極簡単だ
お前達が持っているものが欲しい
そして、貴様等人間が邪魔なのだ
それだけだ
まぁ、この考えが大半だな」
「共存は…」
「おっと質問は一つだこれ以上は答えないぞ?
さて、後は叢雲だな何を聞きたい」
長門が言いかけた瞬間、監視者は手を出し長門の言葉を遮り叢雲へ向き直る
「さぁ、何を聞きたい
駆逐艦、叢雲よ」
「そんなの決まってるじゃない」
叢雲は立ち上がり佐渡の聞きたい事が大体分かっており、聞く前に監視者へと質問すると佐渡と言葉が被る
「『お前は何者だ?』」
その言葉を言った瞬間辺りは静まり返り、監視者は杖を両手に持ちかえ海面を叩く
「ふむ、良い質問
嫌、普通は聞くところだ
どうやら君達は優秀な様だ」
次の言葉が待ち遠しく、ここにいる艦娘と作戦を会議室の提督達はごくりと喉をならす
そして、監視者は質問にゆっくりと答えていく
「我が名は監視者
深海棲艦の親にして全ての始まり、始元によって建造された全ての深海棲艦の管理人であり
人形兵器艦娘に対抗し作られた初の二足歩行形の深海棲艦
そして、全ての深海棲艦を操ることが出来る唯一の存在
それが私だ」
その言葉に、全ての艦娘達が一斉に艤装を構え戦闘体制を取る
だが監視者は微動だにしない
「始元…だと?」
監視者の言葉に驚きを隠せないのは、作戦会議室の提督達も同じである
「長門!!そいつを必ず捕まえろ!!!
奴はこの戦争を止めるきっかけになるはずだ!!」
『了解!!』
唐澤の指示を聞いた長門は全門監視者に向けておりいつでも撃てるようにしている
「監視者!!ソコマデ言ウ必要ガ……」
後ろではユリが、心配そうに見つめるが監視者ははぁとため息をつく
「だからお前は馬鹿なんだ、ユリ
私がただこいつらに話すわけないだろ?」
監視者は、杖を海面に再び叩き付けると付近から深海棲艦が何体か出現しケルベロスとユリを持ち上げる
「どういう意味だ!!
監視者!!」
「やはり、そこの叢雲以外は馬鹿なのか
時間稼ぎはここまでで良かったな」
時間稼ぎ、確かに監視者はそう言うと長門達の背後から何かがこちらに向けて航行してきており監視者はため息をつく
「長門さん!!
こっちに何か来ます!!」
「何だと!?」
その航行してきている者を全艦隊で確認すると全員が冷や汗と共に警戒している
あるものは震え、あるものは恐怖している
その者は通常の深海棲艦とは違い人の形をしており
全身に多くの砲門を装備しており
海軍に居るものなら誰もが知る最悪であり最強の深海棲艦
「遅いぞ、《クイーン》」
それは、南方棲戦姫の歴戦種
この二度目の戦争を引き起こした最悪の存在であった
「はぁ~い
来てやったわよ、監視者~」
次回
海の怪物
いきなりラスボス登場!
良くある展開ですよねぇ