第7話 式と旅
譲 「気持ちわるい...」
長い眠りから目が覚めると突然頭痛がし、空腹による気持ち悪さが襲ってきた。とりあえず何か食べて空腹感を無くさねば.......
? 「譲様!やっと起きましたか!」
譲 「誰?」
声の主は、目がパッチリ開いていて獣耳が生えており茶色の尻尾の生えた美男子だった。しかし、何故僕の名前を知っているのだろう。自己紹介した記憶はないんだが......
? 「えっ...分かりませんか?」
まじで分からない...でも、樹の耳と尻尾に似ている。だが、大樹は犬。長く生きられるはずがない。
譲 「すまないが本当に分からない...」
? 「ならこの姿なら分かりますか?」ボンッ
突然煙が出てくる。姿は煙で見えないがやがて煙が晴れていき正体が明らかになる。
譲 「大樹!」
なんと、さっきの美男子は擬人化した大樹だった。正体がわかった後、大樹はまた擬人化し人型に戻った。
譲 「お前も妖怪だったのか?」
妖怪じゃなければこれだけ長く生きられるはずがない。
大樹 「初めて譲様にあった時はただの犬だったんですが、譲様が妖力を使う度に私も妖怪に近づいていき、あの能力で守ってくれた時に犬の妖怪になったのです。」
譲 「なるほど...妖力を使う時はいつもすぐ近くにいたもんね。」
大樹 「はい!それより譲様、お腹が空いていませんか?」
譲 「空いているけど.......」
大樹 「私は譲様が眠っている間に木になっている果実を取って過ごしていました。私が食べていた果実を持ってきましたのでお召し上がりください!」
と言いながら、ナシに似ている果実を渡してきた。
譲 「ありがとう大樹。」
もらった後お礼を言い、1口食べてみる。するとその果実は口の中で甘い汁が広がり、みずみずしくほんのり甘い味でとても美味しい。
譲 「こんなに美味しい果実を食べたのは初めてだよ!」
美味しくて食べていくペースがどんどん上がっていく。
大樹 「喜んでいただけて光栄です!まだ沢山ありますので食べてください!」
ー10分後ー
譲 「美味しかった~」
美味しすぎて6個も食べてしまった。空腹も満腹になり気持ち悪さなんて遠い彼方に消えていった。そういえば、気を失ってどれくらい経ったのだろう。多分100年くらいだろうか?
譲 「ねぇ大樹、僕が気を失ってからどれくらい経ったんだ?」
大樹 「えっとですね~多分1000年くらいですかね!」
譲 「えっ」
桁が1つ違う、だと!それなら大樹は1000年も1人だっのか...可哀想に...とりあえず大樹には優しく接して行こうと心に誓う。
大樹 「優しい目で見ないでください.....でもこの1000年で私は修行をしました。今では譲様以外に負けない自信があります!」
1000年も修行しているんなら、負けるかもしれないんだけど...
譲 「大樹は結構強いと思うよ。妖力も目に見える程多いじゃないか。」
普通に見えてる。薄紫色のが...
大樹 「それなら譲様だって尻尾が4本増えてるじゃないですか。」
譲 「4本増えてる?そんな馬鹿な...」
生えてますやん...尻尾が5本になってる。ハハハ、コレナラシッポヲオフトンニデキルヨ(現実逃避)
大樹 「私から見ると譲様の妖力の方がやばいですよ。だって譲様が眠っている間、妖力がダダ漏れで妖怪とかが逃げていくレベルですもん。」
譲 「マジか...とりあえず尻尾を1本だけにしておこう。」
尻尾を1本にしておく。これなら結構抑えられたはずだ。
大樹 「さっきの妖力の5分の1ですね。それでも結構の量ですけどね。」
譲 「どうせ...まだ増えていくだろうな...」
大樹 「大丈夫ですよ!強くて損はありません!」
譲 「それもそうか......強ければ大切な物を守れるからな。」
そういえば、永琳達は無事に月に行くことは出来たのだろうか...まぁ勘だがきっと大丈夫だな!
譲 「それはそうと大樹はこれからどうするんだ?」
大樹 「私は譲様の式になりたいです。譲様には返しきれない恩がありますから。」
譲 「式って永琳が言っていたやつか...よし!分かった!」
僕の式になれば能力も少し使えるし、いい事が沢山あるからな。
譲 「早速始めるか!」
大樹 「はい!」
ー式の儀式中ー
譲 「よし!終わりだ。これからは東海 大樹としてよろしく頼む。」
大樹 「よろしくお願いします!譲様が恥をかかないよう頑張ります!」
式になれてとても嬉しそうだ。そういえば、妖怪になったんだから能力があるはずだ。
譲 「大樹は能力があるのか?」
大樹 「ありますよ?私の能力は『重力を操る程度の能力』です。この能力はその名の通り重力を操ります。物の重力を強めたり、弱めたりすることができます。人も可能です。」
譲 「結構強い能力だな。ちょっと、僕の重力を弱めてみて。」
大樹 「分かりました!『軽量化』」
体が途端に軽くなる。
譲 「凄いな、体が急に軽くなった。」
大樹 「少しジャンプしてみてください。」
これだけ軽ければ高く飛べるし楽しいだろうな~と、思っていた。
譲 「よし!行くぞ!」(強めに飛んでも大丈夫だろ)
この時なんで強めに飛んだんだろうと後悔した。なぜなら、
譲 「うわああああああああ」ビュン!
垂直に高速で飛んで行ったからだ。普通に都市のビルより高く飛んだ。だが、まだ上がっていく。
譲 「雲突き抜けたんだけどおぉぉぉぉ」
雲を貫いて飛んでいく。しかし、勢いが弱まって今度は下に落ちていく。
譲 「あっ....死んだわ」
僕の人生は終わりか...あともう少しで地面に激突し死ぬのか...と、諦めて目をつぶり激突を待つ。
譲 「あ、あれ?痛くない?」
地面に激突したはずなのに痛くないし、怪我もない。
譲 「なんで死んでないんだ?」
大樹 「重力が弱いからです。」
重力が弱いから?なるほど...重力が強ければ死ん出るけど弱いからか。って、
譲 「なんで言ってくれないの!死んだと思ったじゃん!」
大樹 「少しって言ったじゃないですか!」
譲 「うぐっ!それを言われると...」
言い返す言葉がない...まぁ自業自得か...
譲 「でもその能力、本当に凄いじゃないか。」
大樹 「ありがとうございます。」
譲 「これなら妖怪に襲われても大丈夫だな!........よし!今から旅にでるか!」
もしかしたら、人に出会えるかも知れないし。
大樹 「旅ですか?」
譲 「あぁ。僕達はまだ知らない事が沢山ある。だから、旅にでる!」
大樹 「......分かりました!」
譲 「それじゃ。準備する物なんて特にないし、早速出発するか!」
新たな出会いを求めて。