今年もよろしくお願い致します(__)
新年1発目ですが、今回は主人公出ず(__)
内容もやや重め。しかし大切かな?と思ってしまったので。
*唯と柳のヒーローネームを修正しました
一佳はやや沈んだ気持ちのまま、ウワバミの事務所を訪れた。
すると、そこには、
「あれ?お前……」
「あ……拳藤さん……」
A組の八百万が何やら思い詰めた顔をして、エントランスの椅子に座っていた。
「八百万もウワバミに指名貰ったのか。よろしくな!」
「はい。よろしくお願いしますわ」
挨拶していると、事務員が声を掛けてきて、ウワバミの元に案内される。
ウワバミは何やら衣装を眺めながら唸っていた。
「ウワバミさん。雄英生のお2人をお連れしました」
「あら!ありがとう!」
声を掛けられたウワバミは、礼を言いながら一佳達に顔を向ける。
「指名を受けてくれてありがたいわ。私がウワバミよ」
「雄英高校1年A組 八百万百と申します!ヒーロー名は『クリエティ』です」
「同じく1年B組 拳藤一佳です!ヒーロー名はバトルフィストです」
「クリエティにバトルフィストね。まずはコスチュームに着替えてもらいましょうか。隣が更衣室よ」
「「はい」」
隣の部屋へ行くと、そこは先ほどの部屋と同じ造りだった。
「そこのクローゼットが2つあるから、1つずつ使ってちょうだいね。宿泊する部屋は活動が終わってから案内するわね」
「「はい」」
「着替え終わったら、隣に来てね」
一佳達はクローゼットに荷物を仕舞い、コスチュームに着替える。
そして隣に行くと、ウワバミが2人の姿を見て微笑んで頷く。
「うん!いいじゃない!」
「これからどんな活動を?」
八百万が早速、前のめりになって尋ねる。
ウワバミは何やら化粧をしながら、簡単にヒーロー活動について説明する。
「私はパトロールもするけど、基本的には警察の応援要請待ちが多いわ。私は戦闘力は高くないし、『個性』としては索敵・追跡が得意だからね。それとヒーローには副業が許されているの。市民からの人気と需要に後押しされた名残ね」
「……というと?」
「これからCM撮影なの。付き合ってね」
「「……」」
八百万と一佳はウワバミの言葉に一瞬唖然とする。
「もっとヒーロー的活動を……体験したいんだけどな」
一佳が僅かに顔を引きつらせていると、八百万は何やら気合を入れ始めた。
「いえ!これもプロ入りすれば避けては通れぬ道ですわ!!それにいいとこなしだった私を見初めてくださった方ですもの……!たんと勉強させてもらいますわ!!!」
「気張ってんなぁ……」
「ふふ。体育祭を見て、あなた達は可愛くて見た目がいいと思ってたのよ~。2人とも指名を受けてくれるなんて嬉しいわ」
「見た目が良い……」
一佳はウワバミが語った指名理由に絶句することしか出来なかった。
一佳達はその後、車でテレビ局へと向かう。
「まぁ、納得いかないでしょうけどね。これも立派なヒーロー活動よ?一般人にヒーローを身近に感じてもらうことで、受け入れてもらえるのだから」
突如、語り出すウワバミに、一佳達は背筋を伸ばす。
「さっきも言ったけど、私は戦いが得意ではないわ。だから私はあまり前に出ても役に立たない。救助や索敵では前に出るけどね。でもね、私としてはこういう活動ばかりの方が嬉しいの。好きって言うのもあるけどね」
「「……」」
「なんでだと思う?」
「なんで……?」
「そうよ。ヒーローとして活躍するよりもCM出演の方が好きなんて、あなた達からすれば変に感じるでしょ?ヒーローになりたくて、ここに来てるのだものね」
ウワバミの言葉に一佳と八百万は顔を顰めながら考え込む。
それをウワバミは微笑ましそうに見つめる。
「ヒーローを目指す子達の多くは、オールマイトとかのイメージが大きいでしょうね。ヴィランを倒して、災害から人を助ける。それは間違ってないし、大事なことよ。それが出来ないヒーローは問題外」
ウワバミの言葉に一佳達は頷く。
「いい?2人ともこれだけは憶えといてね。ヒーローはね……」
静岡のあたり。
茨はシンリンカムイと主にパトロールを行っていた。
「パトロールは犯罪の抑制につながる。それに我らの『個性』は束縛に適している。迅速に駆けつけることで、被害を押さえることが可能だ」
「はい」
「ここ最近は雄英にオールマイトが来たことで、活躍の場が奪われることもある。もちろん他のヒーローとの競争も重要だが、生きていくには他者を蹴落とすこともある」
「悲しい事です」
「そうだな」
すると、
「あ、先輩。お疲れ様です。先輩も職場体験ですか?」
現れたのは女性ヒーローの『Mt.レディ』。デビューしたばかりの新人ヒーローである。
『個性』《巨大化》の使い手で、シンリンカムイとは同じ地区に事務所を構えているため、よく現場を共にする。
マウントレディの後ろには、A組の峰田が何やら死んだ顔で立っていた。
「……何やら魂が抜けているようだが」
「さぁ?どうしたんでしょうね?」
「……」
マウントレディは不思議そうに首を傾げて峰田を見る。
(大方、こ奴の事務所での姿を見てショックを受けたのだろう。見た目と違ってズボラのようだからな)
シンリンカムイは峰田の様子の理由を推測する。
何回か仕事を共にして、マウントレディの本性をある程度理解していた。
マウントレディの事務所にサイドキックはいないし、よく器物損壊の保証金を払っているため、事務所が赤字であるとも聞いたことがある。
その現実は憧れで来た者にはショックだろうなと内心同情するシンリンカムイであった。
「お?なんだ。お前らも職場体験か?」
次いで現れたのは大柄の男、『デステゴロ』だった。
その後ろにはA組の耳郎がいた。
耳郎は峰田の様子を見て、首を傾げていた。
「デステゴロさんもですか」
「まぁな。マウントレディはちゃんと教えてんのか?小間使いにしてないだろうな」
「まっさかぁ!ちゃんと教えてますよぉ!……ね?」
「ハ、ハイ……」
「震えてんじゃねぇか」
マウントレディの黒い笑みを向けられて震える峰田。その様子にデステゴロ達は呆れるが、「これも経験か」と誰もツッコまなかった。
「まぁ、いいけどよ。やりすぎて来年から雄英から断れるみたいなことになんなよ」
「分かってますよ。ちゃんと活躍する姿を見せます!」
「……そういうところだけじゃねぇだろ。はぁ、仕方ねぇなぁ」
デステゴロはため息を吐いて、耳郎や茨達を並べて話しかける。
「こういう風に地区にはヒーローが溢れてる。けど、ヴィランは事件を起こして暴れる。俺達はそれを抑え込むのが仕事なわけだ」
その言葉に頷く茨達。
「俺達はそれを周囲に見てもらって、支持率とかに繋げるわけだけどよ。けどよ、実はそれってヒーローにとってはよ……」
関西。
唯と柳もパトロールを行っていた。
「パトロールはヒーローにとっては根幹とも言える地域貢献よ。副業に力を入れるのが悪いとは言わないけど、これをないがしろにするヒーローは大抵失業に追い込まれるわ。覚えておいてね?『ルール』『エミリー』」
「ん」
「なるほど」
2人に説明しているのは、ショートウルフの赤髪、赤と紫のタイツコスチュームに顔の上半分のピエロマスクをしている女性ヒーローだった。
念動ヒーロー『キネシスレディ』。『個性』《念手》の使い手である。
「あなた達の『個性』は、どちらかと言えば災害救助で活躍するわね。逆に言えばヴィラン退治をどうやって行うかが課題だわ」
「ん」
「難しい」
「でも、大事なのは被害を広げないこと。自分が『大事にしたい貢献』とは何かって事が重要よ」
キネシスレディの言葉に頷く唯と柳。
「さて、ここで2人に質問よ」
「ん?」
「ヒーローとは『解決力』と『抑止力』。どっちを重要視すべき?」
キネシスレディの質問に唯と柳は首を傾げて考え込む。
しばらく考えるが、答えは出なかった。
「……分からないです。どっちも大事な気がします」
「ん」
「正解よ。だけど不正解でもあるわ」
「ん?」
「どういうことですか?」
「問題を解決出来なければ、人は救えない。そして私達がこうしてここにいると示すことで、犯罪者達は罪を犯すことを諦める。けど、力が弱ければ無意味。だからどっちも大事ではある」
唯と柳はその話に頷く。
「けどね、私達ヒーローは……」
鉄哲は不安を抱えながらも作業を行っていた。
「……こんなことしてて、俺は強くなれんのか?」
鉄哲が今、行っているのは道や公園のゴミ拾いだった。
コスチュームの上から青いベストを着て、ごみ袋を片手にゴミを拾っては入れていく。
そして、その横でもう1人不満そうにゴミ拾いをしていた。
「はぁ~……もっと犯罪捜査とか検挙に関われるって思ってたのになぁ」
A組の切島である。
事務所で顔を合わせたときは嬉しさに握手をしたが、今は揃って顔を顰めていた。
その2人の頭に拳骨が落とされる。
「「っ!?」」
「なにチンタラしてやがる!!もっとキビキビ動け!!もうすぐ子供やその家族が来る時間だぞ!!」
「「はい!!フォースカインドさん!!」
2人を叱責しているのは4本腕の男ヒーロー『フォースカインド』である。
黒いスーツを着た強面の男だが、今は青いベストを着て、ごみ袋を抱えてゴミを拾っていた。
「いいか!地域貢献も立派なヒーロー活動だ!俺達ヒーローを受け入れてもらえるように努めなければならん!」
「「はい!!」」
その後も、せっせとゴミを拾っていき、公園のゴミは綺麗さっぱり無くなった。
「「はぁ~……」」
2人は公園の端の方にあるベンチに座って、休憩していた。
しかし、やはりその顔は思い詰めているようにしかめっ面である。
「犯罪が起こって欲しいだなんて言う気はねぇけどよぉ。やっぱりなんか物足りねぇな」
「ああ……こんなんで拳暴に追いつけんのか?俺は……」
「ホントな……焦っちまう」
2人の『個性』は戦闘で最も発揮する。
それもあってか本当に現場で活躍できるかどうかを確かめたくて、ここを選んだのだ。
体育祭での情けない結果を少しで挽回出来るような目標やイメージを持ちたかった。
まだ初日ではあるが、今の所その目的を達成するのは難しそうだと言わざるを得なかった。
2人は顔を俯かせていると、突如後頭部に冷たく硬いものが乗せられる。
「「冷てぇ!?」」
「なに黄昏てやがる?」
「「フォ、フォースカインドさん……!?」」
「ほれ、飲め。喉乾いただろ?」
「「ありがとうございます!!」」
フォースカインドから缶ジュースを受け取って、礼を言う2人。
フォースカインドも自分の缶ジュースを開けながら、隣のベンチに座る。
「……イメージと違ったか?」
「「っ!?い、いえ!?」」
「くくく!嘘が下手だな、お前ら。まぁ、そう思うのも仕方がねぇよな。今までイメージでしかヒーローを知らねぇんだ。それに襲撃事件を経て、やっぱりヴィラン退治は達成感があっただろ?」
「「……はい」」
フォースカインドの言葉に正直に頷く鉄哲と切島。
「それが普通だ。けどな、考えてみろ。365日、事件と向き合いたいか?365日、事件が起こって欲しいか?そうなったら、間違いなく俺達がヴィラン扱いされるぞ?」
「「……確かに」」
「まぁ、お前らの周りには拳暴とか轟に爆豪がいるからな。焦っちまうのも分かる」
「……フォースカインドさんはなんで俺達を指名したんですか?」
鉄哲がフォースカインドに質問する。
「フォースカインドさんの得意分野からすれば、拳暴や爆豪とかの方が良かったんじゃ……」
「サイドキックにするなら、そうかもしれねぇがな。やっぱり教えるなら威勢がいい奴が良い。生意気が勝る奴はいらん」
フォースカインドの言葉に切島は少し納得してしまった。
爆豪がゴミ拾いを大人しくするとは思えなかったからだ。
「ただ、お前らに言っとくがな」
「「?」」
「このゴミ拾いだって、立派な対・凶悪犯罪活動だからな?」
「「え!?な、なんか犯罪に繋がるものでも!?」」
フォースカインドの言葉に2人は目を見開く。
フォースカインドは苦笑して、首を振る。
「そうじゃねぇ。これもパトロールと同じだって意味だ」
「「パトロールと?」」
「ちょっと想像してみろ。ゴミ拾いする前の公園とした後の公園、もしポイ捨てするならどっちがやりやすい?やるならだぞ?ヴィランの考え方になるのも大事だ」
フォースカインドの言葉に2人は考える。
もちろん答えはすぐに出る。
「そりゃあ、する前の公園っす」
「なんでだ?」
「なんでって……元々汚れてるなら、そこに俺らが捨てた位で変わらないじゃないっすか」
「そうだよな。で、全くゴミが無かったら捨てにくいよな」
「「はい」」
「犯罪も同じだ。こうして毎日ヒーローがパトロールして、毎日清掃されている町で犯罪しようなんて思うか?」
「でも、起こるときは起こりますよね」
「そりゃな。けど、しないよりはずっと起こりにくい。連中だってすぐに駆け付けられる場所にヒーローがいるって分かってんのに、わざわざ事件を起こすメリットはねぇだろ?」
鉄哲達はフォースカインドの言葉に頷く。
「それに俺達は場合に応じて警察の指示がなくても、突入しなければならない時がある。その権力は間違えれば、住民の安心・安全を脅かすことになる。そんな間違いが起こらないようにするには、まず事件が起こる危険性を減らすことが重要だ」
フォースカインドは立ち上がって、鉄哲達の正面に立つ。
「ヒーローはヴィランを倒すことが花形だって言われて、今はそこに多くの人が注目してる。俺達ヒーローもそこを意識しねぇと、ヒーロー社会じゃ生きられねぇことも事実だ」
フォースカインドは2人の前にしゃがむ。
「けどな、いいか?本来ヒーローはな……」
『ヴィラン事件が起こった時点で、敗北してるんだよ(のよ)』
ウワバミ、デステゴロ、キネシスレディ、フォースカインドの言葉に、一佳達は目を見開いて固まる。
「そうでしょ?日々多くのヒーローがパトロールや活動しているのに、そんな中で事件が起こる。それってヒーローは抑止力足りえていないってことなのよ?」
「俺達ヒーローのヴィラン退治は、本来なら『ただの尻拭い』なんだよ」
「けど、住民の方々はそれを素晴らしい事と言ってくれる。それって本末転倒じゃないかしら?」
「だから俺達は小さなことでも、くだらないことでも、やれることはやる。社会の至る所にヒーローがいるって思わせる事で、少しでも犯罪を減らすんだ。そして本当は悔しがらないといけないんだ。自分がいる地域で犯罪が起きたことをな」
ヒーロー達の言葉を、一佳達は胸に刻む。
「だから私は副業が多い方がいいと思ってるの。それって平和な証拠よね?」
「こうしてパトロールして、何事もなく終わることを何よりも喜びにしないといけねぇ」
「だから私達ヒーローは、まず何よりも『抑止力』でなければいけないのよ」
「そのためにはこの『個性』を戦うために使うんじゃない。どう使えば犯罪が予防出来るかを考えないといけないんだ」
ヒーロー達の言葉に、一佳達は自分達が如何に上っ面ばかりを見ていたのかということを理解する。
「あなた達はヴィラン退治を経験しているし、救助活動も学校で習うでしょ?だから私はそれ以外の部分を体験させるつもりよ。私のヒーロー像を見て、自分達のヒーロー像を作り上げてみてね」
「そんで事件が起きていないときには、どうやって過ごすのかもしっかり考えてみろ」
「ヒーローになったからと言って、あなた達の戦いは終わりではないの」
「自分が出来ることを精一杯やれ」
『はい!!!』
一佳達は力強く頷く。
改めて気合を入れ直し、職場体験に臨むのであった。
「あ、今日のCMはヘアスプレーだから。着いたら私のヘアメイクに、2人の髪もセットしてもらうからね」
「「……」」
けどCM撮影だけは、どうにも受け入れられそうにない一佳だった。
職場体験1日目の夜。
ある路地裏。
「あ……あ……あぁ……」
「チュー、チュー、チュー」
1人の男がビルの壁に押し付けられていた。
その男の首元には金の長髪で黒いスーツを着た女が噛みついていた。そして何やら吸うような音が響いている。
その状態で10分ほどすると、男は顔色が真っ白になっており全く動かなくなっていた。
「……」
「ぷはぁ……全く、ろくなエサがいませんわね」
女はため息を吐きながら、男を無造作に投げ捨てる。男はゴドン!と頭から地面に倒れる。
女はハンカチを取り出して口元を拭くと、倒れている男の首も無造作に拭き取る。
そして背中から翼を生やして飛び上がり、ビルの屋上に降り立つ。
「ようやく翼が回復しましたわねぇ。……後2人くらい血を飲めば、あのガキ共を殺せる力は溜まるでしょう。このエルジェベートを虚仮にしたことを後悔させてやりますわ……!」
エルジェベートは戦慈と里琴の事を思い出しながら、悔し気に顔を歪める。
そこに、
「おぉ。いたいた」
「っ!!」
バッ!と声がした方向に振り返り、構えるエルジェベート。
「俺だよ」
「あら、ディスペではありませんの」
現れたのはディスペだった。
エルジェベートは構えを解く。
「いつまでフラフラしてるんだよ。しかも広島で」
「居たくて居るわけではないですわ。長距離飛行出来るほど回復するのに、時間がかかったのですわ」
「そういうことか」
エルジェベートはキレた戦慈の攻撃で、尾道市まで吹き飛ばされた。
四肢は折れて翼も千切れていたため、ただただ呻いていたが、近づいてきた近隣住民の男性に噛みついて血を吸った。
僅かに回復したので匍匐前進するように体を引きずり、更に近づいてきた男性の妻に噛みついて更に血を吸った。
これでようやく立ち上がれるまでに回復した。
「回復した時は、まさかの小学生クラスの体でしたわ。翼もボロボロで浮かぶことすら無理でしたわ」
「そこまでやられてたか。生きてたのが奇跡だな」
エルジェベートの『個性』は《吸血鬼》。
血を吸うことでパワーを増し、再生することが出来る。生命力もまさしく吸血鬼並みにしぶとく、翼を生やすことで空を飛ぶことも出来る。
カロリーを消費するように、動けば動くほど血を消費する。それによって体が小さくなっていくという欠点がある。
「あのガキ共を殺せる力はまだありませんわ。復讐しなければ気が済みませんわ!」
怒りに顔を歪めて、右手を握り締めるエルジェベート。今は170cmほどのグラマラスな美女の姿になっている。
それにディスペは頷くと、
「いい話を聞かせてやろう。だから、俺の話を聞け。ボスからの仕事でもある」
「……閣下の?」
「ああ、まずはいい話の方だ。そのターゲット2人は広島にいる」
「!!!」
エルジェベートは大きく目を見開いて、ディスペを見る。
それにディスペは大きく頷く。
「職場体験らしい」
「ふふ……ふはははははは!!女神はわたくしに微笑んだようですわね!!」
エルジェベートは夜空を見上げて、高笑いをする。
「ただし、体験先はNo.7ヒーロー ミルコの所だ。油断は出来ん」
「知ったことではありませんわ!」
「そこでボスからの仕事だ」
「あぁ……それがありましたわね。閣下はなんと?」
「脳無の性能テスト。それとスカウトだ。相手は『血狂いマスキュラー』。そいつも広島にいる」
「……つまり全て広島に揃っている…と。ふふふ♪そういうことですか」
「ああ。明日マスキュラーと話を付けて、明後日に脳無と合わせて嗾ける。流石にマスキュラーと脳無相手では、ミルコもお前までは手が回るまい」
「いいでしょう!!閣下の命でもあるなら、否はありませんわ!!ところで、脳無はどのような?」
「ああ、前回より強化された奴だ。そうなるとあの赤仮面に嗾けたい。トドメはお前が刺せばいい」
「ならば尚良しですわ!!」
エルジェベートは狂気的な笑みを浮かべて頷く。
ディスペはエルジェベートに携帯を渡す。
受け取ったエルジェベートは翼を広げて羽ばたかせて、夜空に浮かぶ。
「首を洗って待ってなさいな……!その血を吸い尽くしてやりますわぁ!!!」
そしてエルジェベートは夜の街へと消えて行った。
新たな獲物を探し求めて……。
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人物紹介!!
・キネシスレディ(33)
誕生日:9月21日 身長:171cm A型
好きなもの:マジック、ウイスキー
ショートウルフの赤髪、赤と紫のタイツコスチュームに顔の上半分のピエロマスクをしている。Cカップ。
念動ヒーロー。ベテランヒーロー。
昔はマルチに活動していたが、現在は警護・災害救助をメインに活動しており、ヴィランとの戦闘時も避難誘導と防衛を優先している。
しかし実力は未だ衰えずで、実はミルコやリューキュウを完封することが出来るほど。
『個性』:《
不可視の手状のエネルギー体を操る。
複数創造できるが、増やせば増やすほど手が小さくなる。現在は最大10個まで操ることが出来る。
1つの時は『巨大化したマウントレディサイズ』。2つの時は『《大拳》発動時の一佳の両手サイズ』。10個の時は『自分の手と同じサイズ』。
殴りかかったり、自分の体を掴んで空中で挙動を変えることも出来、敵を拘束も出来る。
集中力も求められ、長時間発動し続けると握力が無くなり、念手も握れなくなる。
ちょっと一佳や鉄哲の意識向上を目指したら、なんかヒーロー達のキャラが変わった気もしますが、お許しを。
多くのヒーローモノって普段は正体を隠していたり、学生だったりなどしているので、事件が起こってから駆けつけてもあまり責められない気がしますがね。
ヒロアカ世界のヒーローは常にいる状態なので、こういうことが言えるかなと思い、書かせて頂きました。
難しいですよね。抑止力が成り立てば、廃業する可能性が高まるのですから。
改めまして、今年もよろしくお願いします!