『拳』のヒーローアカデミア!   作:岡の夢部

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拳の四十五 いざ!最上階へ!

 ヴィランに連れ出されたデヴィットとサムは、タワー最上階のコントロールルームに連れてこられていた。

 

 中には数名のヴィランがおり、変わった眼鏡をした男がコントロールパネルを凝視して操作していた。

 

「連れて来てやったぜ」

 

 2人を連行してきたヴィランが声を掛けると、眼鏡の男はコントロールパネルから目を離すことなく、

 

「早く保管室のプロテクトを」

 

 と、無愛想に答える。

 それに連行してきたヴィランは舌打ちしながらメットを外し、左手を刃物に変えてデヴィットの首に添える。

 

「だとよ。死にたくなければ急いでやんな」

 

 デヴィット何故か怪訝そうに顔を歪めるが、すぐに頷く。

 

「わ、分かった……」

「連れていけ」

 

 刃物の男は近くにいたライフルを持つ部下に命令する。

 命令された部下がデヴィットとサムにライフルを向けて、再び2人をコントロールルームから連れ出すのだった。

 

 

 

 

 戦慈達は非常階段を駆け上がっていた。

 エレベーターは止まっているし、他の階段では監視カメラが設置されているので、この階段が一番安全に上を目指すことが出来るのだ。

 

「これで30階……!」

 

 飯田と戦慈が先頭で駆け上がり、適時後ろを確認する。

 飯田の声が聞こえた緑谷は、最後尾にいるメリッサに声を掛ける。

 

「メリッサさん。最上階は?」

「はっ……はっ……200階よ……」

「「ゲッ!?」」

 

 息を切らしながら切奈や唯と共に階段を上っていたメリッサが答えると、上鳴と峰田が顔を引きつかせる。

 

「そんなにあんのかよぉ……!?」

「ヴィランと出くわすよりマシですわ」

「っていうか、ヒール脱いでいい?」

「確かに少し走りにくいですね」

「ん」

「このビルなら裸足でも傷つくことないだろうから、いいんじゃない?それに裸足の方が音も響かないし」

 

 八百万が窘めるように上鳴と峰田に声を掛ける。

 そこに柳が足をプラプラしながら、八百万に訊ねる。女性陣はパンプスのヒールを履いており、長時間走るには向いていなかった。

 柳の意見に茨や唯も同意し、切奈も問題ないと判断する。

 

 ちなみに里琴は戦慈の背中にぶら下がっており、もう誰もツッコまなかった。

 峰田が目を血走らして覗こうとしていたが、里琴はさりげなくスパッツを履いてパンチラを防いでいた。

 それでも峰田は興奮していたが、耳郎に再度お仕置きされて諦めた。

 

「八百万。悪いけど……」

「かまいませんわ。非常事態ですから」

「サンキュ」

 

 一佳が貸主の八百万に申し訳なさげに声を掛けると、八百万は笑みを浮かべて頷く。

 一佳は両手を合わせて礼を言い、ヒールを脱ぐ。柳達もヒールを脱ぎ、それを見たメリッサもヒールを脱ぎ捨てる。

 

「メリッサさん。まだ行ける?」

「一佳でも拳暴でもいいよ?」

「だ、大丈夫!皆の力はいざというときまで温存しておかないと……!」

 

 メリッサは柳と切奈の問いかけに笑みを浮かべて頷くと、また力強く駆け上がり始める。

 その後は一度も休むことなく駆け上がり続け、80階にさし掛かった時、

 

「っ!!シャッターが!?」

「ちっ……!」

 

 飯田が先に進む階段に防壁が下りて、道を塞いでいた。

 戦慈は舌打ちして周囲を確認するが、非常用ドアしか見当たらなかった。

 追いついた緑谷やメリッサ達が息を整えながら、上に上がる方法を考える。

 

「壊すか?」

 

 轟が防壁を見ながら提案するが、未だ肩で息をするメリッサが首を横に振る。

 

「そんなことをしたら、警備システムが反応してヴィランに気づかれるわ」

 

 緑谷達が息を整えながら防壁を見上げていると、後ろから疲れ切った峰田の声が聞こえてくる。

 

「なら、こっちから行けばいいんじゃねぇの?」

 

 全員がその声に振り向くと、峰田が非常用ドアのハンドルに手を伸ばしていた。

 それに緑谷や一佳達は目を見開いて驚く。

 

「ちょっ!?」

「バカッ!」

「峰田君!!」

「駄目!!」

 

 一佳と切奈、緑谷、メリッサが慌てて止めようと声を荒らげる。

 しかし、それが峰田に届いたのは、ハンドルを引いたのと同時だった。

 ハンドルからピー!と音がして、すぐ横にある赤のランプが緑のランプに変わる。どう見ても機械で管理されていることが窺えた。そして、このタワーで非常用ドアを管理しているとすれば。

 

「どっちにしろバレたな」

「……ドアホ」

「う、うるせぇな!仕方ねぇだろ!?」

「俺でも触っちゃ駄目だって思ってたぞ?」

「どうすんだよ?壊すか?フロアに出るか?」

 

 轟が眉間に皺を寄せ、里琴が峰田を罵倒する。

 峰田は慌てて反論するが、同類と思われた上鳴さえ呆れていて、それ以上何も言い返せなかった。

 戦慈が急かす様に声を掛ける。

 メリッサや八百万が考えていると、一佳が声を上げる。

 

「フロアに出よう。このままじゃ、どっちにしろヴィランが来る。非常階段だと隠れる場所がないし、シャッターを壊せば警備システムが私達を危険人物と判定する可能性がある。だったらフロアに出て、別ルートか一度隠れる場所を探す方が安全だ」

「拳藤さんの言う通りですわ」

「じゃあ、出るぞ。フロアでの防犯システムはなんだ?」

「監視カメラと隔壁ね。警備マシンはまだ動かさないと思う」

 

 一佳の言葉に八百万も頷き、戦慈がメリッサに注意事項を尋ねる。

 メリッサがすぐさま答え、それに頷いた緑谷達は非常用ドアを出る。

 

「飯田、先頭を頼む。俺は殿につく」

「分かった!行くぞ!」

 

 飯田が先頭で走り出し、それに轟と緑谷が続く。戦慈は最後尾を走り、背後からの襲撃に備える。

 一気に緊張感が増した緑谷達だった。

 

 

 

 峰田がハンドルを引いた直後、コントロールルームのモニターの1つから警告音が響く。

 それに眼鏡の男も作業を一時中断し、近くでタバコを吸っていた刃物の男も近寄ってくる。

 

「どうした?」

「……80階の扉が開いた?」

 

 眼鏡の男が訝しみながら呟く。

 

「はぁ?お前、各フロアのスキャニング、ミスったのかよ!?」

「開いたのは非常用ドアだ!」

 

 刃物の男が大げさに責めると、眼鏡の男は振り返ることもなく反論する。

 すぐさまパネルを操作して、80階の監視カメラの映像をモニターに表示する。

 何か所かのカメラの映像を見て回ると、廊下を駆けている緑谷達を見つけた。

 

「なんだよ、ガキじゃねぇか……」

「とりあえず、ボスに連絡だ」

 

 刃物の男は拍子抜けとばかりに再びタバコを咥え、眼鏡の男は耳のトランシーバーに手を当てて、ウォルフラムに連絡する。

 

 パーティー会場にいたウォルフラムは連絡を聞いて、すぐさま指示を出す。

 

「80階の隔壁を全て下ろせ。おい、お前ら。ガキどもを逃がすな」

『了解』

 

 ウォルフラムの指示にノッポ、普通、チビの3人の部下が頷いて、会場を後にする。

 

 それをオールマイトは体から薄く煙を上げ、体が戻らないように歯を食いしばって耐えながら見つめていた。

 先ほど緑谷が覚悟を決めた顔を見せたときに、止めるべきだが信じたくなってしまい、今も戻りそうな体に気合で喝を入れていた。

 しかし、今の指示で緑谷達が見つかったのだと分かってしまった。

 

(気を付けろ、皆……ヴィランは狡猾だぞ……)

 

 

 

 緑谷達はフロアの廊下を慎重に、かつ迅速に走っていく。

 

「他に上に行く方法は?」

「反対側に同じ構造の非常階段があるわ」

 

 轟の問いにメリッサが答える。

 その時、廊下の先からガガー!バシン!と音が響いてくる。

 戦慈も後ろから何やら音が聞こえてくるのを耳にした。

 

「シャッターが!」

 

 隔壁が奥から次々と閉じられていく。

 

「閉じ込められるよ!」

「抜け道は!?」

「くっ!……っ!」

 

 切奈が声を上げ、一佳が周囲を見渡すがもちろん逃げ道はない。

 飯田も歯軋りをするが、少し先に扉が見えた。

 

「轟くん!隔壁を!!」

「っ!分かった!!」

 

 轟もすぐに扉の存在に気づき、飯田の意図に気づく。

 右脚を踏み出して、巨大な氷結を生み出して閉じかけた隔壁を止める。

 飯田がエンジンを吹かせて、ふくらはぎ当たりのズボンを破りながら猛スピードで隔壁の隙間を通り、扉を蹴り破る。

 その間に轟が氷の階段を作って、隔壁の隙間を通り抜ける。

 

「ここを突っきろう!」

 

 飯田に促されて足を踏み入れた先は、公園のように緑豊かな光景だった。

 様々な植物が高く広い空間に、所狭しと植えられている。

 緑谷達は興味深げに周囲を見渡しながら、走り抜けていく。

 

「ビルの中に公園まであるの……!?」

「素晴らしいですね」

「ファンタスティック!」

「植物プラントよ。『個性』の影響を受けた植物を研究……」

「待って!!」

 

 一佳が目を見開いて、茨とポニーは何やら喜んでいる。

 それにメリッサが説明しようとすると、耳郎が手を横に伸ばして全員を制止する。

 

「あれ見て!」

 

 耳郎が耳のプラグで示したのは、中央にあるエレベーター。

 表示されている数字が増えていっており、上に上がってきていることが窺える。

 

「ヴィランかも!ここにいるのは、もうバレてるんだし!」

「茂みに隠れよう!」

「俺が……」

「駄目だ、拳暴!人数も分からないのに……!」

「ちっ!」

 

 耳郎の言葉に緑谷が声を掛けて、飯田達はすぐ近くの茂みに飛び込む。

 戦慈が囮になろうとするが、一佳が腕を掴んで制止し、一佳の正論に舌打ちをして大人しく茂みに隠れる。

 二手に別れてくれればいいのに、何故か全員一纏めに隠れるのだった。

 

「この人数は厳しくねぇか?」

「最悪、茨のツルで覆えばいいよ」

「あのエレベーター使って、最上階まで行けねぇかな?」

「無理よ。エレベーターは認証式だし、シェルター並みに頑丈に作られているから破壊も出来ない」

「使わせろよ。文明の利器!」

 

 一番デカい戦慈が顔を顰めながら身を伏せ、切奈が苦笑しながら軽口を言う。

 里琴は意地でも戦慈の背中から離れない。里琴の小ささならば、戦慈の背中に張り付いていても特に問題はなかった。

 

 その近くで上鳴がエレベーターを恨めしそうに睨みながら小声で言う。

 メリッサがそれに首を横に振り、峰田が悔し気に震えているとエレベーターからポーン!と音がする。

 

「ひっ!?」

「来た……!」

 

 エレベーターがこの階で止まり、扉が開いて行く。

 峰田が体を縮こまらせ、一佳も緊張で体を固くする。

 

 降りてきたのはチビの男、赤いドレッドへアの男、ノッポの男。メットは外しており、冷静な表情や苛立ちの表情をそれぞれに浮かべていた。

 

「っ!?あいつら……」

「うん、会場にいたヴィランだね」

 

 緑谷の気づきに、切奈も頷く。

 3人の男は緑谷達が隠れている茂みの方へと歩いてきた。

 

「ガキはこの中にいるらしい」

「メンドーなところに入りやがって」

「どうやって探す?」

 

 チビが冷静に周囲を見ながら言い、ノッポの男は苛立ちながら吐き捨てる。しかし、その視線は油断なく動き回っている。ドレッドヘアの男も面倒そうに腕を組みながら周囲を見渡している。

 エレベーターと入り口の間にある茂みに隠れてしまったので、近づいてくるヴィラン達に緊張感が増していく緑谷達。

 手で口を押さえて、必死に息を潜める。

 戦慈は背中の里琴に降りるように手で指示して、里琴も大人しく音が出ないように気を付けながら横に降りる。

 その時、

 

「見つけたぞ、クソガキ共!」

 

 聞こえてきたノッポの声に、緑谷達は硬直する。

 戦慈が飛び出そうと体に力を籠めると、

 

「あぁ?今、なんつったテメー!」

『!!』

 

 聞こえるはずのない苛立ちを込められた声が、耳に届いた。

 緑谷達は気づかれないように顔を覗かせる。

 そこには苛立ちで顔を引きつかせながらヴィランを睨む爆豪と、慌てながら爆豪を押さえている切島がいた。

 

「お前ら、ここでなにをしている?」

「あぁ?そんなの俺が聞きてぇくらい……」

「ここは俺に任せろ、な!?」

 

 チビの質問に突っかかろうとする爆豪を切島が宥めて、前に出る。

 

「あの~俺ら道に迷ってしまって……レセプション会場ってどこに行けば……」

 

 切島が申し訳なさそうにヴィランに声を掛ける。

 その様子を緑谷達は慌て、そして呆れていた。

 

「道に迷って、なんで80階までくるんだよ……!?」

「……馬鹿?」

「しかも、放送も聞いてないみたい?」

「ん」

 

 峰田が小声でツッコみ、里琴達も疑問を口にする。

 切島の態度に、苛立っていたノッポの男が水掻きが付いた右手を大きくする。

 

「見え透いた嘘ついてんじゃねぇぞ!!」

 

 そして右手を振り、ガラスのような波動が放たれる。

 爆豪は反射的に前に飛び出すが、切島は未だに唖然と目の前に迫る攻撃に立ち尽くしている。

 緑谷が立ち上がり、戦慈が飛び出す。

 しかし、戦慈の横を氷が走り、切島の目の前で巨大な氷の壁を作って攻撃を防いだ。

 

 切島は突如目の前に現れた氷壁に驚いて尻餅をつき、その隣に爆豪が近寄る。

 

「この『個性』は……」

「轟!?と、拳暴!?」

 

 飛び出してきた戦慈と、冷気の靄の向こうに見えた轟の姿に切島が驚く。

 その時、氷壁が振動で揺れ始め、ドレッドへアの男が氷壁を飛び越えて、轟に迫ってきた。

 戦慈がすかさず殴りかかり、ドレッドへアの男は戦慈の右ストレートに右蹴りを合わせて再び飛び上がる。

 

「ちっ!この壁も保たねぇぞ!」

「ああ!緑谷!俺達で時間を稼ぐ!上に行く道を探せ!」

 

 戦慈の言葉に轟は頷いて、しゃがんで右手を地面につけて冷気を放ち、前に出てきた緑谷達の足元に広がる。

 そして、足元から氷がせり出し、氷柱を作り出して緑谷達を上へと持ち上げていく。

 

「轟君!?拳暴君!?」

「君達!」

「拳暴!」

 

 緑谷、飯田、一佳が叫ぶ。

 

「いいから行け!」

「目的を忘れんじゃねぇ!!」

「でも!」

「轟さん!」

 

 轟と戦慈は叫び返す。

 それに一佳と八百万がまた叫ぶ。

 

「ここを片付けたら、すぐに追いかける」

「あの程度に敗けると思ってんのか?てめぇらこそ、自分の心配しやがれ!変な奴に付いて行くんじゃねぇぞ!!」

「だから幼稚園児じゃない!!」

「だったら、とっとと行け」

「……分かった」

 

 迷いもなく、自信たっぷりな轟と戦慈の言葉に、一佳と八百万は不安を押し込む。

 しかし、そこにドレッドへアの男が高く飛び上がって、一佳達に迫る。

 

「逃がすかぁ!」

「くっ!」

「……つあー」

「里琴!?」

 

 一佳が右手を巨大化し、茨がツルを蠢かすと、里琴が腑抜けた声を出しながら飛び出し、竜巻を放つ。

 ドレッドへアの男は竜巻に押し飛ばされて下に落ち、里琴も戦慈の横まで降りる。

 そして、一佳達を見上げて、無表情のままピースサインをする。

 

「里琴……」

「そろそろ降りるよ、一佳。大丈夫だって。戦慈と里琴だよ?それに爆豪に轟もいる。四天王みたいなもんじゃん。そう簡単に負けないよ」

「ん」

「むしろ、こっちの戦力ガタ落ちだから」

「気合ボンバーデス!!」

「拳暴さんの期待に応えなければ」

 

 心配そうに見下ろす一佳に、切奈達が声を掛ける。

 それに一佳も小さく息を吐いて、すぐに笑みを浮かべて頷く。

 

「そうだな!」

「俺達も行こう!八百万くん!柳くんの言う通り、俺達のほうもこれまで以上に気を付けねば!」

「……はい!」

 

 そして通路に着いた緑谷達は、飛び降りてすぐに駆け出した。

 

 氷柱を操作している轟とその傍で氷壁を睨んでいる戦慈と里琴に切島達が駆け寄る。

 

「皆もここに?どういうことだよ!?」

「放送聞いてねぇのか?」

「タワーがヴィラン共に占拠されたんだよ。オールマイトも人質を取られて動けねぇ」

「ええ!?」

「んだとぉ……!?」

 

 轟と戦慈の説明に、切島と爆豪が目を見開く。

 氷柱が上まで届いて緑谷達が飛び移ったのを見た轟は立ち上がる。

 その直後、

 

「来るぞ!!」

 

 氷壁の向こうに人影が見えた戦慈は叫んで、後ろに飛び下がる。

 轟達もそれに従い距離を取ると、氷壁に拳大の穴が空いて、ノッポとチビが現れる。

 

「なんだ!?あの『個性』?」

 

 爆豪は今の現象を訝しんでいると、ノッポの横にドレッド男が降り立った。

 ドレッド男は戦慈と里琴を睨みつけながら、唾を吐く。

 

「ぺっ!クソガキがぁ……!」

「ノッポ野郎は穴を空けてんのか?それに赤ドレッドは跳ねてんのか、飛んでんのか分かんねぇな」

「油断すんなよ」

「ウッセ!わーっとるわ!!」

「ガキ共が……つけあがってんじゃねぇぞぉ!!」

 

 チビが叫ぶと同時に体が膨れ上がり服が破れる。体が紫色になり、獣のように胸や腕が毛に覆われる。

 腕は戦慈よりも太くなり、里琴がすっぽり入りそうなほどになる。

 

 轟が変化を見た瞬間、氷結を放つ。

 獣男は腕を振るって簡単に氷結を砕きながら、轟に飛び掛かる。轟は舌打ちをして突進を躱し、戦慈と里琴も離れる。

 それと同時に爆豪が爆破を放って飛び上がり、通り過ぎて背中ががら空きになった獣男に爆破を叩きつける。

 

「死ねええ!!」

 

 爆煙で獣男の姿が消え、爆豪はその近くに降り立つ。

 すると、獣男が何事もなかったかのように腕を振り被って、煙の中から飛び出してきて爆豪に殴りかかる。

 完全に油断した爆豪は唖然と迫る拳を見ていたが、切島が硬化しながら爆豪を押し飛ばして入れ替わる。

 切島は両腕を交えて拳を受け止めるが、堪え切れずに吹き飛ばされて、そのまま氷壁を突き抜けて壁に叩きつけられる。

 

「切島!?」

「避けろ!」

「!!」

 

 爆豪は慌てて切島を振り返るが、轟の声にハッとして爆破を放って飛び上がる。

 直後、何かが通り過ぎて爆煙に穴が空き、その先の樹の幹も円形に吹き飛ぶ。

 轟が氷結を、里琴が竜巻を放つが、ノッポは両腕を振って氷と竜巻に穴が空く。

 

 戦慈はドレッド男に殴りかかっているが、ドレッド男は大きく跳ねながら軽やかに躱す。

 

「へっ!のれぇなぁ!」

「跳ねる『個性』か!」

 

 すると、ドレッド男は腰からナイフを2本抜いて構える。

 そして勢いよく跳び迫ってきたドレッド男の攻撃を、戦慈も素早く躱して殴り返しながら後ろに下がる。

 すると、轟、爆豪、里琴も背中合わせになる形で集まり、その周囲を3人のヴィランに囲まれる。

 

「お前ら、ただのガキじゃねぇな?」

「何者だ!?」

「答えたら、命は助けてやるぜ?」

 

「答えるか、くそヴィランが!!」

「名乗るほどの者じゃねぇ」

「叩きのめす奴に教える趣味はねぇ」

「……馬鹿嫌い」

 

 ヴィランの問いに、1年最強の4人は構えながら答える。

 

 そして、反撃を開始するのであった。

 

 




何故だろう?
本当に劇場版みたいなレアな組み合わせが出来上がりましたw
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