え?短い?
気にするな!(魔王様ボイス)
わ、わたしの歴史が歪んでいる?どういう事なのでしょうか…。
「それはこの娘の過去が残酷だったってこと?」
「それなら忘れて当然だな。」
「いや、そういうことではなくてだな。そうだな…。」
わたしの過去がひどいってことはではないとなると、
「『歴史』そのものが歪んでいるということですよね。」
「どういうことだってばよ?」
「えーっと、つまりですね。歴史を『粘土』に例えます。粘土に何か書いてあっても、粘土をグニャグニャにしてしまえば、わからなくなる、と思うのですが…。」
うう、自分で説明してて恥ずかしくなってきました。3人分の視線がこっちに集中してきますし。
「まぁ、そんなものだな。だが、どうにか名前らしきものは見えたぞ。」
「それだけでも収穫でしょ。それで名前は?」
「“ふるしろみぞれ”、と書いてあったな。」
「そんな名前、聞いたことないぜ?」
「外の世界から来たみたいね。よくあることよ。」
「紅魔、守矢と同じか…。」
外の世界?こうま?もりや?
「わたしは幻想郷生まれではないということですか?」
「ふむ、そうなるな。」
「悩んでいても仕方がないしな。これからここで生活するといいぜ。」
そうですね。これからここで生活していくのもいいのかもしれません。…それから先程から、上白沢さんがわたしの方を見てくるのですが…。
「あの、わたしの顔になにかついてますか?」
「あぁ、すまない。どうやら記憶といってもある程度知識が残っているようだな。それに頭も良いときた。どうだ?このあと寺子屋に来てみないか?」
「そうだぜ。ついでに慧音に案内でもさせてもらうといいぜ。」
それもそうですね。これからここで暮らしていく上で地理は必要不可欠ですし。
「分かりました。上白沢さんよろしくお願いします。」
「慧音だ。名前で構わないよ。こちらも霙と呼ばせてもらうからな。」
「私も霙って呼ばせてもらうわ。」
「じゃあ、私もそう呼ばせてもらうぜ。」
あ、そうか。私の名前、ふるしろみぞれでしたね。んー…。
「あの、慧音さん。ふるしろみぞれはどういう漢字ですか?」
慧音さんは頷くと近くに落ちていた小枝を拾い上げ、地面にスラスラと書き始めました。
「こう書いてあったな。」
なるほど、古城霙ですか。
「ありがとうございます。」
「名前もわかったことだからな。早速行こうか。」
「本当は寺子屋が心配なんでしょ?」
「実際はそうだな。すまないが、案内は授業の後になりそうだ。それでも構わないか?」
「大丈夫ですよ。気にしないでください。」
「そうか。では行くか。」
「そうですね。終わったら、ここに戻って来ることにします。」
「「「えっ?」」」
あ、あれ?わたし何か変なこと言いました?
「ここに戻ってくるのか?」
「え?だって、帰る家もないですし。」
「やめておいた方がいいぜ?」
どういうことなのでしょう。博麗神社になにか問題があるのでしょうか?霊夢さんの顔が引きつっていますし。
「霊夢は貧乏なんだよ。」
「ほえ?」
「ちょっと、魔理沙!」
びん…………ぼう……?
「貧乏、なんですか?」
「う…。そんな目で見ないで欲しいわ。」
「どっちみちすぐに気づくだろ。ここは賽銭が全然こないし、霊夢の貧乏っぷりは有名だからな。」
「あぁぁぁぁぁああんまりだぁぁぁぁぁぁ!」
つまりは生活が厳しいってことですよね。うーん。
「じゃあ、わたしが稼ぎにでもいきましょうか?」
「マジで!?」
うわーお、霊夢さんの目がキラキラしてます。少し言ったことを後悔しました。
「これで当分は金に困らないわね。いいわよ、ここに帰ってきても。待っているからね。」
「わ、分かりました。」
待っているからね、の部分をそんなに強調しなくても…。魔理沙さんと慧音さんは呆れているみたいですし。
「そ、それでは行きましょうか、慧音さん。」
「はぁ…。わかった。」
「いってらー♪」
霊夢さんに見送られ、わたしは境内を降りているのですが…。
「それで、魔理沙もくるのか?」
それです。魔理沙さんもついてきているのです。別に悪いってわけではないのですが…。
「暇だからな。慧音だって忙しいだろ?案内できなかったところは私がやっておくぜ。それに夜は色々危険だろ?」
「はぁ、わかった。だが、授業の邪魔だけはするな。」
「わかってるぜ。」
どうやら魔理沙さんもついてくるみたいですね。それにしても…。
「あの、夜ってそんなに危険なのですか?」
「ん?まぁな。妖怪とか出るし。」
「羊羹?」
「妖怪!」
「妖怪、ですか。」
「そう、妖怪。だから危険なんだぜ。」
どんなものなのか興味があるのですが…。危険なものなら近づかない方がいいのでしょう。
「ほら、行くぞ。早くしないと日も暮れる。それに妹紅が心配だ。」
「そうですね。早く行きましょう。」
わたしたちはまず寺子屋に向かうことにしました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
間違い等があれば、ご指摘のほどよろしくお願いします。