東方歪界譚   作:鈴華

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早苗が空気になってしまった。
ちくせう。
ま、いいか。
(*`・∀・´*)<解せぬ。

それでは本編どうぞ。


Ep,EX-3 終わりは必ず訪れるもの

「アンタ、本当にルーミアなの?」

 

霊夢が疑問に思うのも当たり前だろう。彼女の知っているルーミアはもっと幼い少女のような姿をしているはずだからだ。

 

「そうよ。ほら、リボンないでしょ?あれ封印の札なの。」

「封印?」

「私の力が強力すぎたから“ある人”と紫が封を作ってくれたのよ。」

 

気づけばルーミアの身体から闇のような妖気が漏れ出ている。

 

「それで、あなたがこの幻想郷を遊び場にしようとしている子供かしら?」

「そーだよ。呪利殺女っていうんだ。」

「よろしく殺女。あなたの目的だけど、そんなことさせないわ。ここは“あの人”と紫が作った場所。そう簡単にはいかないわ。」

「だったらどうするの?」

「こうするのよ。」

 

ルーミアは殺女に向かって弾幕を放つ。対して、殺女は先程発動した滅符“矛盾は矛盾に矛盾する”を使い、弾幕を弾きながら突撃してきた。

 

「その程度じゃ、意味ないよ!」

「そーなのかー。ならこれよ。」

 

取り出したのはスペルカード。しかしそれは黒く変色している。

 

「闇符“ダークサイドオブザムーン”。」

 

すると、殺女がルーミアに当たる直前に彼女の姿が闇の中に溶けていった。

 

「あ、あれ?」

「どっち見てるの?」

 

ルーミアは先程いた場所から10メートル離れた場所に現れると赤い弾幕を放った。しかし、それは普段の闇符“ダークサイドオブザムーン”と桁違いの濃密度の弾幕だ。それに加え、レーザーも放っている。

 

「おっと危ないなー。」

「ふぅーん。そーなのかー。」

「え?」

 

殺女が首をかしげる。ルーミアは魔理沙に近づいて話しかけた。

 

「魔理沙。」

「な、なんだぜ?」

「そんなに警戒しなくてもいいわ。それよりあの娘だけど、今のあの娘はあなたの得意分野が弱点みたいよ?」

「へ?」

 

ルーミアの視線を追うと魔理沙の手に八卦炉が握られていた。それで彼女は納得する。

 

「よし、そんじゃいくぜ!」

 

魔理沙は殺女に向かっていった。それを見送ると次に、咲夜と早苗に近づいた。

 

「あなたたち2人は攻撃の隙をついて殺女の弱点の見つけなさい。」

「わかったわ。」

「わかりました。」

「私と霊夢は魔理沙に加戦するわよ。」

「わかってるわ。」

 

今度は魔理沙が殺女の前に立ちはだかる。遅れて、ルーミアと霊夢が追いついた。

 

「今度は誰があやめと遊ぶの?」

「わたしだぜ!恋符“マスタースパーク”!」

「わわっ!?」

 

殺女が魔理沙のマスタースパークを回避した。そう、殺女の滅符“矛盾は矛盾に矛盾する”はレーザーが弱点なのだ。

 

「このまま行くぜ!恋符“ノンディレクショナルレーザー”!」

 

魔理沙は七色のレーザーを殺女に放ちながら星型弾幕を放った。殺女はスペルカードの弱点を見破られたため、逃げるしかない。だが、彼女は嗤っていた。

 

「あはは、鬼さんこちら!」

「逃がさないわよ!霊符“夢想妙珠”!」

 

殺女の先に回り込んだ霊夢はスペルカードを唱える。色鮮やかな弾幕が殺女に襲いかかった。

 

「夜符“ムーンライトレイ”。」

 

さらにルーミアがレーザーで移動範囲を狭めるように放った。

 

「じゃあこれだよ!呪符“無差別な差別”!」

 

殺女がスペルカードを唱えた。すると彼女を中心として大小様々な弾幕とレーザーが放たれた。そのスペルカードの名前のとおり、無差別に放たれている。

 

「ちょっ!?」

「ちぃ!」

「これは…。」

 

あまりにも滅茶苦茶な攻撃に3人は距離をとった。入れ替わるように咲夜と早苗が殺女の足止めをはじめる。

 

「まるで駄々をこねる子供ね。」

「まぁ、まだ幼いですから。」

 

突然、声が背後から聞こえた。すると、そこには霙がいた。

 

「霙、アンタ動いて大丈夫なの?」

「えぇ。大丈夫です。」

 

彼女の言うとおり、今の霙には傷一つついていなかった。

 

「久しぶりじゃないかしら?」

「元気そうですね、ルーミアさん。“あの頃”と変わっていないようですね。」

「今は霙って名乗ってるのね。はい、これ前に傷手当てした時の布よ。返しそびれちゃったわね。」

「ありがとうございます。」

 

霙はルーミアから布を受け取ると1枚のスペルカードを取り出した。

 

「ところで、殺女ちゃんはスペルカードを何枚使いましたか?」

「3枚よ。」

「そうですか。殺女ちゃんの手持ちは5枚です。それをどうにかして消費させ、後に動きを封じてください。このスペルカードで全てが終わります。」

 

霙は手に持つスペルカードを見せる。それは霊夢との戦いで最後に使おうとしたスペルカードだ。しかし、それはあの時より何かが違って見える。

 

「そーなのかー。“あの人”の力を借りたのね。」

「そういうことです。」

「誰のことだぜ?」

「あなたたちは知らない方がいいわ。それより殺女を止めるわよ。」

「わかったわ。」

「わかってるぜ。」

 

霙の除いた3人は再び殺女に元へと向かう。

 

「お願いします。」

 

霙は準備を始めた。スペルカードは淡く輝きだし、複雑な陣を築いていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「あー、霙だ!」

「行かせないわ!幻世“ザ・ワールド”!」

 

霙の存在に気づいた殺女はスペルカードを捨てて襲いかかろうとする。しかし、咲夜が時間を操り止めた。その間に彼女の進行方向にナイフを放つ。

 

「うわわ!?」

「これで3枚目は終わりね。」

「むむぅ。いいもん!次があるから!樹符“色付き枯れはて腐敗する”!」

 

すると殺女から緑、赤、黄、茶の弾幕とレーザーが放たれた。

 

「この程度ならすぐ終わらすぜ!恋符“マスタースパーク”!」

 

魔理沙がマスタースパークを放つと弾幕を一掃する。しかし、殺女はそれを躱す。

 

「夜符“ナイトバード”!」

 

ルーミアが通せんぼをするように強化された夜符“ナイトバード”を放つ。それは弧を描くように放たれるがそれぞれの弾幕の間にレーザーが放たれる。

 

「うわわっ!」

 

レーザーの打ち消すことは無理だと考えた殺女は弾幕をルーミアの弾幕にぶつけ、相殺し間を抜けていく。

 

「逃がさないわ!傷符“インスクライブレッドソウル”」

 

すると、時を止めた咲夜が殺女の前に現れ、ナイフを手に数多の斬撃を飛ばしていく。

 

「ちょっと、危ないよぉ!」

 

斬撃が殺女を掠めていき、服が傷だらけになる。血も少し滲んでいる。

 

「もう!こうなったら―」

 

殺女は次のスペルカードを取り出した。つまり最後の5枚目だ。

 

「いくよ!“永久に続く無慈悲な遊戯(エターリーアディス)”!」

 

すると、殺女から弾幕が放たれた。しかし、それは5発だけだった。5人は難なく避けることに成功する。だが、これは彼女のラストスペル。そう簡単に終わるはずがない。直後、背後から衝撃を受けることになった。それもそのはず、この弾幕は避けることができない。超高性能追尾弾幕というべきなのだろうか。避けても避けてもどこまでもついてくる弾幕なのだ。

 

「埒が明かないわね。霊―」

「待ちなさい、霊夢。」

「なによ、ルーミア。」

「あなたに向けられる弾幕は私は相手をするわ。あなたは殺女を止めなさい。」

「・・・・・・わかったわ。」

 

霊夢が殺女の方へと向かうとそれを弾幕が追いかける。ルーミアは1枚のスペルカードを取り出した。それは普段彼女が使えないスペルカードだ。

 

「行かせないわ。暗黒“ダークネスグロップ”」

 

すると、ルーミアから妖気が溢れ出した。それはあらゆる光を飲み込む程に暗い闇となる。それは霊夢とルーミアを狙った弾幕を飲み込むと残酷な音を響かせながら咀嚼してしまった。さらにその闇を残り3人を追う弾幕も飲み込んでしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「いくわよ、“夢想天生”!」

 

霊夢は殺女に突っ込みながら“夢想天生”を発動させる。殺女は“永久に続く無慈悲な遊戯(エターリーアディス)”の弾幕を放つ。

 

「―ッ!?」

 

しかし、その弾幕は霊夢をすり抜けてしまい意味をなさない。そして、霊夢の攻撃があたった。衝撃により生じた煙が漂う。

 

「はぁ・・・はぁ・・・。これでどうよ・・・。」

「霊夢さん下がってください!」

 

どうやら霙の準備が出来たようだ。霙は大きな陣の中で両手を翳していた。霊夢が下がると霙は頷く。

 

「これで全てを終わらせます!“歪んだ世界の譚詩”!」

 

すると展開されていた陣が重なり、彼女の両手に収まる。直後、それは空を照らすほどの大きな光線となって放たれた。

 

「あやめの遊びは終わらせない!!」

 

しかし、殺女はまだ動けていた。彼女はすぐ霙の攻撃に迎え撃とう構える。その時だった。殺女の目の前の空間が硝子のように砕けたのだ。

 

「え?何!?」

「悪いが、お前の遊びはここまでだ。第22禁忌魔法、磔十字。」

 

その割れ目から現れたのはコートに身を包み、フードをかぶった男だった。彼は何かを唱えると、殺女の胸を軽く押した。直後、彼女は動けなくなった。

 

「えっ!?」

 

振り返るとそこには十字架があった。磔にされたのだと気づいた殺女は、そこから脱しようとするが、力が入らず脱出することができない。

 

「え!?え!?」

「じゃあな。」

 

男は割れた空間の中に戻った。すると、逆再生するかのように空間が戻っていった。

 

「嫌だ嫌だ!あやめはもっと、もっと遊びたいのに!!」

 

殺女は霙の光の中へと消えていった。光が消えると殺女が歪みだし、そして消えてしまった。異変はこれで終わりを告げることとなった。

 

 




さて、次回はこの東方歪界譚の最終回となっています。
ちなみに、そのあとに番外編を2つほど予定しています。
そのあとにキャラ設定とあとがきです。
最後までお付き合いしてくれると幸いです。
ではルーミアが最後に使ったスペルカードの紹介です。

暗黒“ダークネスグロップ”-ルーミアの妖気が闇となり、あらゆるものを飲み込みんでしまう。彼女の人食いという部分の具現化とも言えるかもしれない。

では皆さん。間違い等がありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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