それでは本編へどうぞ。
「ついたぞ。ここが私の寺子屋、なのだが……。」
……。
「いや、まぁ。言いたいことは分かる。だから、何も言うな。」
わからない人のために言いますと、今寺子屋から子供たちの楽しそうな騒ぎ声が聞こえてくるのです。確か寺子屋って学び舎のはず…。
「ははは。いつものことだぜ。」
「…元気があっていいんじゃないですか?」
「勉学にその元気を分けてもらいたいものだが。」
中に入ってみると、騒いでいる子供達と困り顔をした白髪の娘がいました。白髪の娘が慧音さんに帰ってきたことに気づいたみたいです。
「慧音!私にこの役割は無理だ!」
「あぁ、妹紅にはやはり無理だったか。済まないな。こら、休み時間は終わりだ!」
『えー!』
「えー、じゃない。ほら、席に付け。」
『はーい。』
子供たちがそれぞれの椅子に座るのを確認すると、慧音さんが済まなそうな顔でこちらを向きました。
「済まないな、こんな子達で。」
「あ、いえ。気にしないでください。」
「ありがとう。奥の部屋で待っていてくれ。妹紅、魔理沙、あとは任せた。さて、授業をはじめるぞ。」
慧音さんは教卓の前まで行き、授業を開始しました。
「こっちだ。」
妹紅と呼ばれた娘に呼ばれて、わたしと魔理沙さんは奥に続きました。奥には客間がありますね。
「適当に座っていてくれ。何か出すから。」
「お、気が利くぜ。」
「そっちの娘に言ったんだ。」
「あ、ありがとうございます。」
「……………。」
あ、行っちゃいました。お礼を言ったとき、こちらをちらっと見たから聞こえなかったわけではないでしょう。
「妹紅は少し人見知りだからな。気にすんな。」
「はぁ…。」
人見知りですか。慧音さんに寺子屋を任された以上、面倒見のよい方だと思ったのですが…。しばらくして、妹紅さんがお茶と茶菓子を持ってきました。
「あ、ありがとうございます。」
「…どういたしまして。」
「おい、妹紅。少し冷たくないか?」
「うっ…。」
「だ、だめですよ。魔理沙さん!困ってるじゃないですか!」
「いや、大丈夫だ。そうだな、自己紹介くらいはしておこう。藤原妹紅だ。よろしく。」
「あ、はじめまして、古城霙です。」
「それで魔理沙、今日はどうしたんだ?」
あ、話の矛先を魔理沙さんにずらしましたね。魔理沙さんの言う通り、人見知りみたいです。
「ん?あー、霙に幻想郷を案内するついでに寺子屋に来たってところだな。」
「案内?」
「あぁ。霙は外来人らしいぜ。」
「記憶喪失でもありますが…。」
「……ちょっと待っていろ。」
妹紅さんが立ち上がり戸棚をあさってから何かの紙を取り出しました。
「地図だ。幻想郷のことなら大半は書いてある。」
「なんで、そんなものがあるんだ?」
「授業で使うらしい。霙と言ったな。見る分には構わないだろう。」
「あ、ありがとうございます!」
早速地図を見てみましょう。えーっとここが慧音さんの寺子屋がある人里で、こっちが博麗神社、それから―。
「それで魔理沙、彼女は大丈夫なのか?」
「大丈夫って何が?」
「危険な存在かってことだ。」
「大丈夫だろう。霙のやつ、しばらく霊夢んとこで世話になるみたいだからな。」
「それはある意味大丈夫なのか?」
「金銭的にか?だったら霙が稼ぐとか言ってたぜ。」
「……。」
魔理沙さんと妹紅さんが何か話し合っているみたいですけど、気にしないでおきましょう。わたしもある程度幻想郷の地形を把握しましたし。
「どうだ、霙。大体分かったか?」
「はい。ある程度は覚えました。」
「早いな。」
「あ、慧音さん。」
いつの間にか慧音さんがわたしの後ろに立って地図を覗き込んでいました。
「いつからそこにいたんですか?」
「霙が地図を見始めてから少し経ってからだったぜ。」
そ、そうだったのですか。
「授業の方はどうしたんだ、慧音?」
「あぁ、休憩しているところだ。そしたら霙について色々聞かれてな。」
「つまり、逃げてきたってことか。」
「そうなるな。」
「んー……。」
子供たちがですか。そうですね。…よしっ。
「どうした、霙?」
「子供たちの相手をしてきますね。」
「お、おい!」
客間から出てみると、子供たちが慌てて戻って行っちゃいました。盗み聞きでもしていたのでしょう。少し微笑ましいですね。寺子屋の方へ行ってみたら子供たちにすぐに取り囲まれました。
「姉ちゃんだれ?」「巫女服だけど、どこの神社?」「どうしてここ来たの?」「どういう人が好き?」「遊ぼうよ!」「この問題わかるー?」「好きな食べ物は?」「こいつを見てくれ、こいつをどう思う?」
うわーい。そんなに一度に言われてもわからないですよぉ。なんか、変な質問が聞こえたような気がしますが。
「はいはい。慌てないで、順番に聞いてあげるから。そうですね。じゃあ、そこの男の子から。」
とりあえず、静かになったので手近にいた男の子から聞いてみましょう。
「姉ちゃんの名前はなんなの?」
「はい。わたしは古城霙っていいます。外の世界から来ました。よろしくね。」
「だったたら守矢の姉ちゃんと一緒だね。」
うん、その守矢の人にまだ会ってないんですけどね。
「そうですね。次は、そこの女の子。」
男の子の質問が終わったところで、女の子が手を挙げたのでその子を指名してみました。
「えっと、どうしてここに来たの?」
「はい。幻想郷を案内してもらうためにですね。でも、さっき地図を見たので大体わかるようになりましたが。」
すると、隣にいた男の子が袖を引張って聞いてきました。
「お姉さんは頭いいの?」
「どうなんでしょうね。」
「じゃあ、この問題教えて!慧音先生に聞こうと思ったけど、すぐ奥に行っちゃったから。」
慧音さん…。渡された紙には問題が書いてありました。なるほど、この問題ですか。
「ここですか?ここは―」
ある程度のヒントを与えたところで、男の子もわかってくれたようです。
「ありがとう、お姉さん!」
ふう。記憶喪失のはずなのに問題が簡単に解けましたね。
「なかなか教え方が上手いじゃないか。」
「あ、慧音さん。」
「どうだ。明日からここで教師をしてみるか?」
えっ!?わ、わたしが教師ですか!?
「おい。」
なんでしょうか、妹紅さん?
「私が人見知りであることは百歩譲って、このタイトルどういうわけだ?」
だって、妹紅さんと言えばINする程度の能力でしょう?
「違う!老いることも死ぬこともない程度の能力だ!」
あれれぇ、おっかしいぞー?
「黙れ!燃やすぞ!」
分かりましたから、その炎をしまってください。
「ちっ」
ふぅ、それではこれ読んでくださいね。
「自分で読めよ。えーと、次回は寺子屋からの帰り道だ。ちなみに夜だ。夜で出る奴といえば…。以上だ。」
はい、ありがとうございます。
それでは、間違い等がありましたらご指摘のほどお願いします。感想もお待ちしておます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
問題!次回の登場人物は?
①焼き鰻屋さん ②そーなのかー ③常識に囚われてはいけないのですね! ④驚け~!
⑤あたいったら最強ね ⑥出番はまだだよ、チルノちゃん! ⑦座薬