生誕した大地の子。
ヤムチャを強キャラとして次のステージに押し上げるべく生まれ変わった元少年の人格は、彼の想定通り完璧な変質を遂げていた。
言うならば、リボンズヤムチャである。
ヤムチャであってヤムチャではない彼は、原作のヤムチャと自分が同一足り得ないことをはっきりと理解し、確固たる自我で差別化すべく自らの存在にリボンズという別名を付けた。
そのリボンズヤムチャは元少年から託されたヤムチャ計画を引き継ぎ、それを実行した。
彼はヤムチャに
ヤムチャである己が強くなることこそが彼の存在意義であり、そうあるべくして変革された人格である以上、その行為に迷いはなかった。
生誕した彼は、手始めに宇宙進出を行った。
「ドラゴンボール」という作品は、その戦いの規模が非常に大きいことで有名だ。
元々は地球の一部に過ぎなかった戦いの場は、ゆくゆく宇宙全体を巻き込むほどの超規模へと拡大していくことになる。
天下一武道会で優勝し、地球最強の男になった筈の孫悟空さえも、ラディッツから始まり続々現れ出る地球外生命体の前では雑魚も同然だったのだ。
そんな強敵に対して悟空が闘志を漲らせ、激しい修行によって乗り越えていくカタルシスこそが「ドラゴンボール」という作品が前世であれほどの人気を博した要因の一つだとリボンズヤムチャは認識していた。
そう、この世界は広い。
やがて訪れるパワーインフレの為にも、ヤムチャは強くならなければならない。
原作知識という絶大なアドバンテージを持つリボンズヤムチャは、元少年にはない行動力と卓越した頭脳があった。
ヤムチャを導く為に生み出されたリボンズヤムチャという人格は、元少年が思い描いたプランを行動に移せるだけの知恵を手に入れていたのだ。
そんな彼は愛機であるジェットモモンガを改造し、その機体にプーアルと共に乗り込むと、原作の登場人物達を置き去りにして地球の果てへと飛び立っていった。
ユンザビット高地――そこが、宇宙に進出する為に向かった最初の目的地だった。
そこには、この地球の神であるカタッツの子が乗ってきた宇宙船がある。
原作で言えばナメック星編の入り口で登場するそれは、物語の中でも重要な役割を持つ存在だった。
リボンズヤムチャはその宇宙船を探し回り、荒れ狂うユンザビット高地で発見した。
特製の金属探知機も用いて調査に乗り出したのだが、驚くことに発見までさほどの時間は掛からなかった。
まるで天に愛されているかのように目当ての物を見つけたヤムチャは、「これは……運命だ」と思わず笑みを漏らしたほどである。
宇宙船を発見したヤムチャは、元少年が持つ原作知識から宇宙船に乗り込む為に必要な合言葉も知っていた。
そして現時点での地球ではオーバーテクノロジーに当たるその航行性能も知っており、価値も理解している。
それ故に彼はこの宇宙船を手中に収めた後、地球上で有数の資産家の一人に対してある取り引きを持ち掛けた。
カプセルコーポレーションのブリーフ博士である。
要は、原作展開のフライングである。
リボンズヤムチャはナメック星由来の宇宙船と起動に必要なナメック語の情報を彼に提供することで、一つの対価を求めた。
――この宇宙船を基に同等の性能を持つ宇宙船を作り、無償で譲ってもらいたいと。
直接神様の宇宙船を使わなかったのは、やがてブルマ達がナメック星に向かう為に支障が無いようにする為、辻褄を合わせる必要があったからだ。
技術の提供に対しての対価としては少ない方かもしれないが、リボンズヤムチャには地球の金銭に興味はなく、自在に宇宙を飛び回れる足さえあればそれで良かった。
ブリーフもまた性格こそ穏やかだが、科学への探究に余念のないマッドサイエンティスト的思考を持つ男だ。
未知の技術の宝庫であるナメック星の宇宙船をちらつかせられては彼の首も柔らかく、リボンズヤムチャの申し出は拍子抜けするほどあっさりと了承された。
そうしてリボンズヤムチャは、技術の提供から僅か半月後に目的の宇宙船を手に入れることができた。
恐るべきは天才ブリーフ博士の開発能力である。原作でも僅か数日で神様の宇宙船を改造していた彼だが、一から製作してもこれほどの短期間で用意してみせる仕事の速さには内心舌を巻くほどだった。
そして宇宙船を手にしたリボンズヤムチャは、即刻地球を出ることに決めた。
その際、彼は一枚の書き置きを残してプーアルを西の都に置いていった。
手紙には「天下一武道会に出る為に、宇宙で修行してくる。大会の日には最強の姿で帰ってくるから待っていてくれ」と――そう書き綴られていた。
その言葉を信じ健気に待っているであろうプーアルのことを思いながら、リボンズヤムチャは自身の計画を推し進めていく。
プーアルを置いていったのは、これから自分がこの宇宙で行うことを知られたくなかったからだ。
太陽系の暗闇を右へ左へと疾走していく宇宙船の中、リボンズヤムチャはブリーフに宇宙船の機能として作らせた金属探知機に対して、淡々と睨み合う日々を過ごした。
――そして。
「ははは、遂に見つけた。ビッグゲテスターを……!」
宇宙を旅回ること一か月後、ヤムチャは水星付近に漂う金属の集合体を発見した。
機械惑星ビッグゲテスター――その成長途上の姿である。
それは砂漠の中で一本の針を探すかのような作業であり、そもそも存在するかどうかさえ不鮮明な大博打だったが……リボンズヤムチャが探し求めていたそれは確かにこの世界にあった。
計画が始めの段階で頓挫しなかったことに安堵しながら、リボンズヤムチャは唇を弓形に吊り上げた。
元少年がリボンズヤムチャに残していったヤムチャ計画には、この「ビッグゲテスター」の存在が最も重要な役割を担っていた。
彼が宇宙に飛び出したのは、これを他の誰よりも先じて手に入れる為だったのだ。
神龍への願いにより革新者となったリボンズヤムチャはビッグゲテスターへと侵入していくと、その卓越した頭脳によってメインコンピューターを掌握してみせた。
まだ宇宙の帝王フリーザの兄クウラを取り込んでいないこの時点でのビッグゲテスターは、ただただ機械的に周囲の物質を取り込み肥大化を続けていくだけのコンピューターチップに過ぎなかった。
故に他の星々を襲い喰らい尽くすような凶暴性はなく、リボンズヤムチャほどの知能を持ってすれば内部への侵入は容易だった。
メインコンピューターに到達したリボンズヤムチャは、そのコアとなっているコンピューターチップの改造を行い、自らの制御下に置いたのである。
そして自動運転時には持て余していた高度な科学技術によって、リボンズヤムチャはビッグゲテスターの魔改造を行った。
そうして誕生したのが、機械惑星ビッグゲテスター改め「ビッグゲテスター・ヴェーダ」である。
ビッグゲテスターは劇場版ドラゴンボールZ「激突! 100億パワーの戦士たち」に登場し、その高度な科学技術によって作り出したメタルクウラは超サイヤ人すら苦しめる圧倒的な戦闘能力を誇る。
やっとの思いでメタルクウラを倒したと思ったら、崖の上から無数のメタルクウラ軍団が出てきたシーンは多くのちびっ子達に絶望感を与えたことだろう。
げに恐ろしいのは作中に登場したその能力さえも、まだ発展途上のものに過ぎない点だ。
星を喰らえば喰らうほど成長し、無限に力を増していくビッグゲテスター。その存在に、リボンズヤムチャの前身たる元少年は目をつけていた。
尤も、リボンズヤムチャはクウラではない。
彼のようにビッグゲテスターに星々を喰らわせることは今のところは考えておらず、そのように宇宙中を敵に回すような危険な真似をせずともビッグゲテスターを効率的に成長させる算段は考えついていた。
「始まるよ、ヤムベイター。ヤムチャの変革を」
ビッグゲテスターを掌握し、ビッグゲテスター・ヴェーダとしたヤムチャが最初に行なったのは、その驚異的な科学力を用いた自身のクローンの作成だった。
劇場版アニメでは、ビッグゲテスターのコアと融合したクウラが同様の技術でメタルクウラを量産していた。それと似たことを、リボンズヤムチャは自身の遺伝子情報を基に実行したのだ。
メタルクウラほどの強大な存在を作成するには、成長途上である今のビッグゲテスターではエネルギー不足だろう。
しかし、現時点でのリボンズヤムチャの力は初登場時点の原作ヤムチャと変わらず、その程度の肉体であれば今のビッグゲテスターでも量産は容易だった。
そうして二人だけ誕生させたのが、メタルヤムチャである。
二人のメタルヤムチャはヤムチャと全く同じ姿をしており、その身に内包する力もまた同じだ。
メタルクウラとは違い体組織も限りなく生身の人間に近づけて作られており、その見た目はオリジナルであるリボンズヤムチャと何ら差異はなかった。
ただ違うのは、二人に魂がなく、感情が存在しないことだ。
彼らメタルヤムチャには、人間的な思考能力はない。定義的には人と言うよりも、人形と言った方が正しいだろう。
しかし彼らはリボンズヤムチャの命令で動くようにプログラムされており、その身体にはオリジナルと同じ「気」があった。
ビッグゲテスターによって作られたメタル個体は、後に登場するドクターゲロの人造人間とは違い、「気」を持っている。それは作中での孫悟空がメタルクウラの「気」を追って瞬間移動を使っていたことからも明白であろう。
そして、気を持っているのなら……ヤムチャ計画は滞りなく遂行できると、リボンズヤムチャは喜悦した。
「さあ、今こそフュージョンだ」
そしてリボンズヤムチャは、作り出した二人のメタルヤムチャを使ってさらなる実験を行う。
フュージョン――融合である。
メタモル星人独自の技であるその技は、二人の人間が左右対称に奇妙なポーズを取ることによって完成し、劇的なパワーアップを成し遂げるロマン技である。
ちびっ子時代は視聴者の多くが、友達とそのポーズを取ったことがあるだろう。
融合に至る為の条件はポーズを取ることの他には二人の体格が似ていることと、気の大きさが同じであることがあげられる。
リボンズヤムチャもメタルヤムチャも「気」のコントロールの術は身につけていないものの、同一の存在として精巧に作られた二人のメタルヤムチャの戦闘力は生成時点から既に調整済みであり、二人のメタルヤムチャはポーズさえ取ればフュージョンが成功するように作られていた。
リボンズヤムチャは彼らの存在を、ただフュージョンさせる為だけに作り出したのだ。
原作知識によりフュージョンポーズを完璧に覚えていたリボンズヤムチャは、二人のメタルヤムチャにそのポーズを取らせた後……僅かな失敗を挟んだものの、目論見通りフュージョンを成功させた。
――メタルヤムチャとメタルヤムチャが融合して、メメタャである。
新たに誕生したヤムチャを大きく凌ぐ融合戦士の登場に、リボンズヤムチャはまたも計画の前進を確信する。
流石はフュージョンだ。現時点では二桁の戦闘力も怪しいメタルヤムチャがベースになっていても、二人が融合した融合戦士の力は、これだけで亀仙人と十分に渡り合えそうな気がした。
この時のリボンズヤムチャの実験目的は、クローン体たるメタルヤムチャの量産に加えて、彼らの肉体を使ったフュージョンにあった。
その二つこそがヤムチャを最強の存在へと至らしめる、大いなる計画の要だったのだ。
そしてフュージョンに成功した融合ヤムチャを――リボンズヤムチャはビッグゲテスターに喰らわせた。
メインコンピューターに融合ヤムチャの遺伝子情報を記録させた後、今度は最初のメタルヤムチャではなく、融合ヤムチャのクローンを複製させる。
その複製した融合ヤムチャをさらにもう一体量産すると、彼らをフュージョンさせることで融合ヤムチャ同士を掛け合わせていく。
フュージョン、吸収、複製、フュージョン、吸収、複製、フュージョン、吸収、複製、フュージョン……その流れを幾度となくを繰り返すことによって、ビッグゲテスターは成長に必要なエネルギーを獲得し、作り出せるメタルヤムチャもまた強く、強くなっていった。
戦闘力を測る方法がない現時点でのリボンズヤムチャには、彼が具体的にどれほどの進化を続けているのかわからない。しかしビリビリと肌を突き刺すような気の嵐は、本能的に凄まじさを感じるものだった。
そしてそんな融合メタルヤムチャを幾度となく喰らい続けていくビッグゲテスター・ヴェーダもまた、数ヶ月過ぎた頃には原作アニメと差異がない大きさにまで増大し、成長していった。
メタルヤムチャを作り出すエネルギーの支出に対して、フュージョンで得た超パワー分のエネルギーを得続けていたのだ。
それはまさしく自己増殖、自己進化のサイクルであり、リボンズヤムチャの主導によってビッグゲテスター・ヴェーダは単体で進化し続ける永久機関と化していた。
元少年であれば、肥大化を続けていくビッグゲテスターに恐れを抱き、早々に実験を打ち止めにしていたところだろう。
しかし、目的の為にヘタれまいとして変革した人格を持つリボンズヤムチャは、ドラクエモンスターの配合の如きその行為を臆面もなく実行し、ビッグゲテスターとメタルヤムチャの超進化を見届けていた。
その進化は数か月が経過し、ビッグゲテスターの成長に規制が掛かるまで続いた。
規制――それは、リボンズヤムチャにとっては不本意な結果だった。
このまま無限に進化し続けていくのかと思われたビッグゲテスター・ヴェーダは、融合メタルヤムチャを喰らうことをメインコンピューターの判断によって停止したのだ。
――エネルギーの摂取が、危険域に到達したのである。
これ以上のエネルギーは喰えないと。喰った場合には制御が利かず、オーバーロードの危険があると。
それは融合メタルヤムチャから得られる力が、とうとう映画の超サイヤ人悟空とベジータを合わせたそれに並んだことを意味していた。
いや、リボンズヤムチャの改造により独自の進化を遂げていたビッグゲテスター・ヴェーダのキャパシティさえも凌駕したのだ。その力は、小さく見積もっても超サイヤ人三人分はくだらないだろうとリボンズヤムチャは見立てていた。
これでビッグゲテスター・ヴェーダの成長は頭打ちにはなったというわけだが……増殖、融合、捕食のサイクルだけでこれほどの力を得られたのならば十分と言えるだろう。
最終進化に至ったビッグゲテスター・ヴェーダを見て、リボンズヤムチャはこれで計画の第一段階がクリアだとほくそ笑んだ。
そう、ここまでがヤムチャ計画の第一段階である。
ビッグゲテスターの掌握と、最強のメタルヤムチャの作成。それに伴うビッグゲテスター・ヴェーダの完成。
未だリボンズヤムチャ自身の戦闘力は何も変わっていないが……自身を強化する為の下準備に、これらの工程が必要だった。
続けて、計画は第二段階へと移行していく。
リボンズヤムチャはビッグゲテスター・ヴェーダに命令し、総勢1000体ものメタルヤムチャを量産させた。
しかしそれらは今までのクローン体であるメタルヤムチャの姿ではなく、それぞれに複数パターンの容貌に加え、自我を宿した存在だった。
最終進化に至ったビッグゲテスター・ヴェーダを持ってすれば、個体ごとに人格を宿すこともできてしまう。もはや神の如き所業であろう。
今まで作ってきたメタルヤムチャにあえて自我を与えなかったのは、ただ融合し、喰らわれ続けるだけの存在に人格を与えてしまうのは悪趣味が過ぎるからというリボンズヤムチャなりの良心でもあった。
しかし、もはやメタルヤムチャを喰らう必要はなくなり、計画を第二段階に移行する為には作成したメタルヤムチャを人間社会へ解き放ち、溶け込ませる必要があった。
個体それぞれに人格を持ち、リボンズヤムチャによって予め設定された記憶を植えつけられた1000体のメタルヤムチャは……昏睡した状態で一人用のポッドに押し込まれた後、ビッグゲテスター・ヴェーダからサイヤ人の赤子のように各惑星へと送り込まれていった。
あるヤムチャはヤードラット星へと。
あるヤムチャは惑星シャモへと。
またあるヤムチャは銀河パトロールの一支部へと。
そして、最後の一人は地球へと。
彼らに与えられた役割は、それぞれ異なった環境で自己を磨くことだ。
それこそが計画の第二段階。1000体のメタルヤムチャ――「ヤムベイド」を使った武者修行の旅だった。
彼らヤムベイドはリボンズヤムチャの思惑によって、送り込まれた場所や役目に応じて記憶や戦闘力に制限が掛かっている。
特に地球に送り込んだヤムベイド――ヤムベイドの中で唯一オリジナルのヤムチャと同じ姿をしている彼は、原作のヤムチャと同じ経験を積むべくして生み出された存在であり、リボンズヤムチャが残していった書き置きの通り、宇宙で修行をしてきたヤムチャという設定から、原作通り第21回天下一武道会に出場する手筈となっていた。
プーアルと合流し同行することもまた、彼に与えられた役割である。
――コードネームは
ヤムチャ・ティエリアーデと名付けられた彼は記憶も能力も制限が掛かっており、来るべき刻が来るまで自らが本物のヤムチャであることを疑わずに活動することになるだろう。
そんなヤムチャ・ティエリアーデを筆頭にヤムベイド達が取得していくこととなる情報の数々は、全てリボンズヤムチャが手中に収めたビッグゲテスター・ヴェーダへと渡るようリンクしている。
言わばヤムベイドとは、ビッグゲテスター・ヴェーダの端末である。
彼らが旅先で多くの情報を取得すればするほど、ビッグゲテスター・ヴェーダはその分だけ膨大な知恵を宿すことができるのだ。
――もちろん、彼らが各々に積み重ねていく戦闘経験値もである。
ビッグゲテスター・ヴェーダ、それにメタルヤムチャはまだ超サイヤ人に匹敵する潜在能力を持っているに過ぎない。
それを効率的に運用していく為にはまだ圧倒的に戦闘経験が不足しており、その為の措置がこれだった。解き放った1000体のヤムベイドの能力に制限を掛けたのも、身体能力に任せて技を疎かにしない為という理由が一つだった。
そうして1000体のヤムベイドたちによってビッグゲテスター・ヴェーダが戦闘経験値を積むことでどうなるのか――それは、かの機械惑星がより洗練され、強力なメタルヤムチャを作り出せるようになることを意味していた。
ここまで至っても、リボンズヤムチャ自身の強化は何も行われていない。
彼が率先して行っているのは自身ではなくビッグゲテスター・ヴェーダの強化であり、そのことに違和感を覚える者もいるだろう。
しかし、それさえも元少年が企てた計画の一部である。
今はまだリボンズヤムチャ自身の強化には至っていないが、将来的にはビッグゲテスター・ヴェーダの強化が自身の進化に結びついていくという、明確なビジョンが彼にはあったのだ。
それこそが、次なる計画の第三段階に当たる。
しかし、それを発動するにはまだ時期尚早であり、どうしても多くの時間が必要だった。
やがて来るべきその時の為に、リボンズヤムチャはしばし宇宙の闇で暗躍を続ける。
「ドラゴンボール」ではまだ無印編に位置するこの時期は、地球に送り込んだヤムチャ・ティエリアーデにのみ原作介入を任せることにする。
リボンズヤムチャの目が向いているのは元少年が最も歯がゆく思っていた時代――原作のヤムチャの立場が苦しくなっていく、サイヤ人編以後の物語だったのだ。
「ティエリア……亀仙流の習得は、君に任すよ」
リボンズヤムチャはビッグゲテスター・ヴェーダを木星に隠すと、自身の付き人として一人の女性型ヤムベイドを伴いながら、適当に作らせた宇宙船に乗り込んで惑星フリーザ本国へと進路を取った。
ザマス「こんなドラゴンボール……私は、イヤだね……」
こんなキャラが、ヤムチャであるものか。
私としてはシュールギャグのつもりで途中から何書いているのかわからなくなりましたが、ヤムチャが1000人になるのは某ヤムチャ小説へのリスペクトです。私が二次創作に触れたのもあの作品が最初でした(´・ω・`)
基本偉そうで余裕ぶっこいて大物ぶった言い回しをしているけど、追い詰められた時は「この人間風情があああっ!!」って本音をぶちまけるリボンズさんの性格は案外ドラゴンボールのボスキャラっぽいのではと思いました。
あと一話か二話で締める予定ですが、とりあえずヤムチャ計画の全貌を明かすまでは続くと思います。