Monster HunterXX 黒龍伝説之巻 伝説の章   作:マスクまる

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暇つぶし作品第四話です。


第四章 伝説の黒龍

「この世界の全土をわずか数日で焦土へ変える邪悪な者、黒龍『ミラボレアス』それが

やつの名だ。」

そう言ったのは、赤い布をまとった男だった。

ユウキさんから聞いた話をふと思い出した。シュレイド王国の創始者が命を落とした時、何処からか現れ黒龍伝説を詠じた詩人がいたらしい。その詩人は赤衣をまとっていたといわれている。

(まさかな、そんな筈はないよな。)

ハルは、首を振り想像を打ち消す。

「わたしは、ただの詩人だ。何も警戒することはなかろう。」

「なぜ、あなたは、伝説の黒龍のことを、さもいるかのように?」

「黒龍はおるのだ。かのシュレイドとかいう王国を滅ぼしただろう。」

「なっ。」

その言葉に、四人は絶句する。今、目の前にいる男は、黒龍はいると断言したのである。

(まさか、この人が黒龍伝説を唄ったのだろうか。)

それはミラボレアスがシュレイドの地に舞い降りる以前に唄われたものらしい。

繁栄の頂点を極めた王国はこの運命の戦争によって滅んでしまうだろう…。と言う、黒龍によって王国が滅亡することを示唆した内容である。

 現在の西シュレイド、東シュレイドを統括した国であったというシュレイド王国を、滅ぼしたと言われている、大いなる竜の災厄。

 その昔、栄華を極めたシュレイドを滅亡にまで追いやったと言われる大災厄の仮称。同時に東西シュレイド地方の分断の原因とされている。

 シュレイド地方。かつてこの地方には、世界に君臨した大国シュレイド王国が存在していたが、およそ千年前に起こった何らかの原因によって王国は分割され、現在では西シュレイドと東シュレイド、その中央に位置する、王国分裂時に放棄された旧シュレイド王城跡に分けられている。

王国分裂後の現在では東西相互の交流はほとんど無いが、これは旧シュレイド城が中立地帯に定められており、東西両国が領有権を巡る戦を起こさないことが原因であるらしい。

旧シュレイド城跡には、晴れる事の無い不気味な暗雲に包まれているのも、この事象が深く関わっているのではないかとあらゆる分野の学者や研究者達に推察されている。

しかし、詳しい事柄は何一つ分かっておらず、この事象に関する古文書などもほぼ皆無であることから、この件を、「大いなる竜の災厄」と呼称している。

 「伝説の黒龍が、本当に存在しているとは。しかし、それを知っているあなた和何者なんだ。」

ユウキが、質問する。しかし、「私は、ただの詩人だと初めに言いましたよ。」と、軽く受け流されてしまい赤衣の男はどこかに消えてしまった。

「あの男、本当に何者なんだ。」

ユウキが言った。

「気になりますね。」

ハルが続ける。

「『運命の戦い』か。」

過去には黒龍を討ち払うべくシュレイド城へと赴いたハンターも

ごく少数ながら存在したらしい。

「黒龍征伐を期して出撃したハンターはいずれも名高い凄腕の狩人であったのだが…」

ユウキが言葉を濁した。

「その殆どは討伐に向かう姿を最後に消息を絶ち、そのまま謎の失踪を遂げた。」

「そんな…。」

一同が絶句した。

当初、ギルドは辛うじて生還した者達から事情を聞こうとしたらしいが、

何故か全員とも証言を拒否、断固として黙秘を貫いたとのことだった。

「できることをしておくのが得策だろうな。」

「そうね。」

ヒトミが言った。

「できるだけ装備を整えておくとしよう。」

「はい。」

ユウキの言葉に皆が同意した。

「とりあえず、マスターに報告しておこう。」

「俺が行ってきます。」

ハルが言った。

「ああ、頼んだ。」

こうして、ハル達四人は、運命の戦いに巻き込まれていった。

 

 

「…うまくいったのかしら?」

「ああ。」

その少女は楽しそうに叫んだ。

「さあ、私たちの宴を楽しみましょう。」

その純白のドレスを身にまとった少女は闇の中に消えた。

 

 

 

 

謎の赤衣の男が現れてから、どのくらい経っただろうか。

それからというもの、赤衣の男は一度も姿を見せていない。

最近は、リンも腕を上げ、一人でG級クエストをクリアするという成長ぶりである。

ハル自身もリンに越されまいとユウキの指導の下、日々特訓を行っていた。

ユウキは、ユウキの指導の合間にミラボレアスについて古文書を調査していた。

その結果、唯一、灼熱のブレスを吐くという点が各資料の中で

散見されていることが分かった。

研究家のなかでは、巨大な火球であるとも、熾烈な粉塵爆発であるとも、螺旋状の火炎放射であるとも言われているが、どれが真に正しい特徴なのかは全く分かっていないらしい。

 それらについて共通する点は唯一つ、一撃であらゆる生命を塵も残さず消し飛ばす、

極悪にして無慈悲な破壊力を秘めているとされることのみである。その他、古文書などにはこのモンスターの生態らしきものが書かれており、

それによると、倒した獲物の亡骸を戦利品としてねぐらに持ち帰るという。

兵士やハンターの場合は武具ごと持ち去り、それらの武具はミラボレアスの体温で徐々に融解し、 鱗に染み込んでいき、己が外殻を成すとされる。

「だから、だからあいつは…」

「ユウキさん、あの…」

「ああ、すまない今いく。」

ユウキは、ミラボレアスの討伐を心に決めたのだった。

 

「ユウキさん、マスターが大至急龍識船本部へ来るようにとのことです。」

「わかった。」

ユウキは、龍識船本部へ向かった。

(胸騒ぎがする。なにか大変なことが起こるのではないだろうか。)

「まさかな。」

ユウキが龍識船本部に着くと、なにやら騒がしい様子であった。

「ユウキよく聞いて。シュレイド城跡付近で黒龍が目撃されたわ。」

「まさか…。」

マスターの言葉に動揺を隠しきれないユウキ。

「そう。『黒龍ミラボレアス』よ。」

「ハルたちにも、伝えておいてくれないかしら。」

マスターが言った。

「分かりました。」

ユウキはマスターにそう伝えると、足早にハル達のもとへ向かった。

 

「皆よく聞いてくれ。」

ユウキのその言葉に一同が真剣なまなざしになった。

「シュレイド城跡でミラボレアスが目撃された。」

「本当に…。」

リンのその言葉にハルが続けた。

「こうなった以上討伐しなくてはならない。」

「行くのね?」

ヒトミの質問に答えるようにハルは「ああそうだ。」と答えた。

四人がクエストカウンターの受付に話すと、もうすでに

クエストが来ているとのことだった。

「このクエストが届いておりました。」

「これは…」

そのクエストには、こう書かれていた。

 

『人望厚い国王

伝説の黒龍…まさか本当に存在していたとは。

城内に用意した各種設備を活用し、何としても奴を

撃破してくれ。国の命運は君たちにかかっている。頼む!』

という内容だった

「これで、ミラボレアスの存在は確かなものになったというわけだ。」

「行こう。」

四人はミラボレアスの討伐に向け動き出した。

 

 

「そろそろかしら。」

白いドレスを身にまとった少女が、嬉しそうに幼くはしゃいでいた。

「そうですな。あと少し…」

赤衣を身にまとった男が言った。

「ですが…」

「あなた様の出番はまだで御座います故。」

静寂に二人は消えた。

 

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