Monster HunterXX 黒龍伝説之巻 伝説の章   作:マスクまる

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暇つぶし作品第六話です。
前回のがひどすぎただけです。


第六章 シュレイド城での決戦!

 かつての王国の城跡だけあって、バリスタや大砲、撃龍槍まで設置されている。

しかし、クエストが始まってからどれくらい経っただろうか。

彼らはすでに消耗しきっていた。

 相手も消耗してきてはいるだろうが、いまだ攻撃が緩む気配はない。

攻撃の手を休めなかったにもかかわらず倒れる気配を一切見せないのだ。決定打に欠け四人はこのままではじり貧であると感じていた。

「くっ、これでは体力が持たない。」

(だが、それは相手も同じこと。)

ハルは、冷静に状況を判断していた。

すると、ミラボレアスが直立姿勢になった。

「なんだ、しかしこの状況…」

「何か…、やばいっ!!!!!」

ハルが叫んだ。

ミラボレアスは、直立した姿勢で狙いを定め、正確にハンターに向けて

火球ブレスを放ったのだった。

リンとヒトミ、ユウキはハルが叫んだ直後に回避したので助かった。だが、

「ぐっ」

逃げ遅れたハルは真正面から火球ブレスを受けてしまった。

「ダメだ、これじゃあ耐えられないっ。」

火球が消えたときには、ハルの体力がギリギリ残っている程度だった。

「ハルくん!」

「ハル!」

叫んでいるリンとヒトミを横目にユウキがハルのもとへ駆け寄り粉塵をばらまいた。

「そうか、粉塵があったんだ。」

「ユウキも持ってきてたのね。」

「助かりました。ありがとうございます。」

ハルは、ユウキに言った。

「ああ、お前は少し休んでいろ。」

ユウキは、ハルにそういうと、ミラボレアスの視界に入らぬように戦場へと

走って行った。

 

ウォォォォォォォッ

咆哮の直後、ミラボレアスは前に倒れこんだ。

「あぶなっ」

リンは、「狩技『絶対回避:臨戦』」を使うことで回避。

ユウキやヒトミは遠くから攻撃していたため巻き込まれなかった。

「ボディプレスか。」

ユウキが言った。

ミラボレアスは、口元を燻らせていた。

「離れろっ!」

ユウキの声にリンが反応して即座にその場を離れた。

ウォォォォッ

ミラボレアスの咆哮である、大きく身を引き、そして赤い粉が空気中を漂い、次の瞬間

ドォォォォォン

爆発音とともにフィールドの半分が爆散した。

「危なかった。」

リンは、その光景を見て戦慄した。

「リン、大丈夫か。」

「はい。」

ユウキの問いかけにリンが答えた。

オオオォォォォ

ミラボレアスは、らせん状の炎を吐いて薙ぎ払う。

炎には紫色の不気味な瘴気が混じっており、禍を呼ぶ黒龍らしさを感じられる。

生半可な防御力と耐性では当然のように消し炭にしてくる威力もさることながら、

幅のみならず射程が長く、フィールドの半分以上を巻き込んだ。

右から左、左から右と両側からの薙ぎ払い、

その際に右から左なら前へ、左から右なら後ろへ大きく動き、

前進する場合は更に射程が伸び、後退の場合は懐付近も危険。

敢えて言うなら、どこでもいいから攻撃とするならチャンスであると言った感じか。

 

 

カァァァァン

「なんだ。何の音だ。」

 

ドドドドドドドド

「げ、撃龍槍。でも誰が。」

「フッ、少しはやるようになったようだな。」

「ハルくん。もう大丈夫なの?」

いち早く気付いたヒトミが問いかける。

「はい。もう大丈夫です。」

こうして、ハルが戦線復帰した。

「相手の体力も、もう少ないはずだ。一気にたたみかけるぞ。」

「はい。」

「分かりました。」

リンとハルがユウキに答えた。

 

しかし、それをあざ笑うかのようにミラボレアスが、切り札とも言うべき攻撃を放つ。

口内に膨大な炎を漲らせた後、地上に向けて巨大な火球を発射、

通常のブレスとは比較にもならないドーム状の大爆発で超広範囲を灰燼と化す。

その迫力たるや凄まじく、至近距離では眩いフラッシュと

凄まじい陽炎で視界が一切遮られ、

遠距離でもミラボレアスごと周囲を塵にしかねない

核爆発が如き爆風を目の当たりにした。

「な、まだこんな力が。」

「残っていたなんて。」

「く、あと少しだったのに。」

「あと少しで討伐できたのに。」

 

 

この攻撃により、全員が体力を削り取られてしまった。

しかし、ミラボレアスもその場から姿を消し、

四人は、撃退という形でクエストクリアとなった。

その直後、ギルドが調査隊を派遣したものの、シュレイドの地には変わらず霧が立ち込め、調査は打ち止めになった。結局、ミラボレアスの行方は分かっておらずギルドも常に動向を見張っている。

「結局、討伐できなかったというわけだな。」

「そうですね。」

「あと少しだったのに。」

「あんな力が残っていたなんてね。」

彼らは肩を落として言った。

最後のチャージブレスによって体力を根こそぎ奪われ、ミラボレアスも姿を消した。

しかし、これによりミラボレアスの真相が明らかになり次の対策ができるのだ。

 マスターも「あなたたちが無事でいてくれればそれでよかった。」と言っていた。

その後、ユウキは、黒龍伝説について調べていた。

そして、恐るべき事実が判明した。

 

「な、なんということだ。黒龍伝説は…終わってはいなかった」

 

 

ユウキがハル達のもとへ戻ると、あの謎の赤衣の男が立っていた。

「お主らはまだ黒龍の運命の中にいるのだ。そう簡単に逃れることはできぬよ。」

男はさらに続けた。

「あの黒龍は生きておる。まあそう簡単に死ぬわけもないがな。」

「しかし、『蘇りし伝説は無限の勇気を持つ英雄により、打ち滅ぼされる』というのもあるな。」

 

そして、男は、彼らに黒く染まった一冊の本を置き去って行った。

「貴様らにくれてやる。」と言い残して。

ユウキはそれを手に取った。

「これは、古文書か。」

 

「これは…」

「どうしたの、ユウキ。」

ヒトミの問いかけに対して震えた声でユウキが答えた。

「これは…伝説の書。」

「それがどうしたの。」

「黒龍…ミラボレアスの古文書だ。」

黒龍にまつわる書物がまとめられた古文書。それが伝説の書である。

「なんだと、これは…」

「紅龍…だと。」

紅龍。その名は,『運命の戦争』を意味する

「終焉の翼」

 




ちょっと短かったですかね。
ということで、黒龍伝説 伝説の章が完結となり、次回からは終焉の章となります。
では、また次回。

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