榊遊矢が俺んちにきたようです。   作:ウェットル

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 主人公、佐奈川新斗の考察タイム。
 東方二次創作ジャンルの【現代入り】がモチーフの本作ですが、あくまでも「作中技術に依る異世界転移の事故」の一種です。
 それを本作でのEX次元(我々の世界)で捉えると、どうなると思いますか?
 三分ほど考えてから読むもよし、考えずに読むもよしです、強制はしません。

 考察、推理のヒントは、【デュエルディスクは電子機器である】です。



シンクロ次元編での分断の原因って・・・・・・あっ(察し

 

 

「――――うん、そうだよ父さん。

 友達を泊めるんだ。ほんのしばらくの間、長めに遊ぶために」

 

 

「いや、そりゃあ・・・・・・(ボクは)働いちゃいないけど。この平成のご時世だよ?

 友達づきあいなら、SNSでもネットゲームでも掲示板でもできる時代だよ?

 いやいや生身じゃないのが問題なら、父さんの今までの仕事の騙されっぷりもどうなのさ、この前で家で話した家でも何件目? 他の仕事で超儲かってるからいいけどさぁ。

 顔を合わせて話そうが話さまいが、悪いやつと騙されるやつが悪いんであって、やり方の問題じゃないだろ。だろ? そういうところから自分自身を客観視した反省はしない馬鹿だから、騙されて苦労するんだってば!」

 

「・・・・・・いや、悪かったって、父さん譲りでも言い過ぎたって。

 手段を選ばなすぎだって? いや、うん、論破してから人格攻撃と価値観破壊しないと話を聞かないワンマンっぷりもどうかと思う。いや社長だからって開き直るなよオイ。

 あのさ、価値なんて勝手に決められるし、勝手に決めるものでしょ?

 だからわかるよ、信じると手放せなくなるの。でもさ、自分が辛いからとか、自分が苦しいからとかじゃなくって、自分の価値観を信じたいからでなんでも上から押しつぶしにかかるのは情けないよ。みっともないだけじゃなくって、人情がない。

 もうちょっと素直にものを見ようよ、こういうひねくれた考えがなくっても万事丸く収めるのが父さんの言う”馬鹿な連中”の生き方なんだからさ。せめて馬鹿から学ぼうぜ?」

 

「うん、わかった、一週間だけね。

 なんとか”友達と楽しくやる”から・・・・・・ああごめん、言い間違えただけだよ、なんとかって言い方はおかしいね、我ながら、確かに遊ぶネタに困れば間違いじゃなくなるとは思うけどね・・・・・・うん、仕事頑張ってね」

 

 

 

 スマートフォンの切断ボタンを押し、私は通話を終える。

 キッチンの上にある卵やベーコンなどの材料たちを見ながら、私は目的の白いブツを取り出すためにしゃがみこむ。

 

 

 

 さて、お膳立ても整った。

 これで明日から一週間だけだが、彼との共同生活を送るには問題はない。

 問題は7日間に、今日を含めれば8日間に、彼が――――榊遊矢くんが、この世界に飛ばされてきた原因を探りきれるかだ。現時点で手に入れられうる推理材料から推測できる原因はふたつ、違うか、みっつ・・・・・・いやいや、最悪を含めてよっつほどはある。

 みっつめまでは、デュエルディスクが正常に起動しなかった場合の話だ。

 

 

 ひとつは、デュエルディスクのバッテリー切れ。

 バッテリー切れを起こした結果、シンクロ次元へ移動する際にエネルギーを使い果たしてしまい、スタンダード次元とシンクロ次元の間にあるのかは不明だが、結果として我々のいるEX次元へと迷い込んでしまった可能性だ。

 この場合であれば、知人に電子工作に長けた高校時代の学友がいるので、デュエルディスクに使用されている電流電圧のパターンを確認してもらった上で専用の変圧器を作ってもらい、充電するだけで事足りる・・・・・・かもしれない。

 

 かもしれないというのは、次元移動の絡繰りがまったくわからないため、再起動して転移した場合、本当にどこに飛ばされるのかがわからないためだ。シンクロ次元に飛んでくれれば御の字、それ以外の次元世界に飛ばされた場合はどうしようもない。

 かといって、このEX世界に拘束したところで、本当に元の世界の元の時間に帰る算段がつくかも不明だ。一か八かの手段とも言う。

 

 

 ふたつめは、デュエルディスクの故障。

 スタンダード次元での戦いにおいて、デュエルディスクを本当に盾にして戦うというデュエルのやり方が実践されたのかは不明だが、それをしようとしまいとデュエルディスクへの衝撃が電子回路か電子部品に何らかの損傷を与えたために、次元転移を行うためのプログラムが正常に機能しなくなった可能性。

 この場合、プログラムそのものに問題があるわけではないので、電子回路を直せるか、電子部品に替えがきくかが重要になる。このEX次元で代用となる電子部品が見つからない場合は・・・・・・諦めるしかない。作ってもらうという選択肢もあるかも知れないが、オーダーメイドの部品を制作するための費用を一生かかって払えるのやらだ。

 

 

 みっつめは、デュエルディスクのプログラムそのものに問題があった可能性。

 こればかりはプログラムに使われているプログラム言語が同一のものでない場合、もう解析だけでどれだけの期間と費用を必要とするのかは未知数だ。しかも目に見える損傷という形では現れないため、大丈夫だと思って再びシンクロ次元に向かおうとしようものならば同じ現象を繰り返すことになる。

 

 ここまでのふたつの原因のうち、すべてが混ざりあった結果としてオマケにみっつめまで起こっていたのだとしたら、もう直せたところで榊遊矢くんが元の世界に戻れる確証はない。プログラムがやられているということは、人間で言えば脳みそを弄くられて手足が勝手にでたらめな方向へと動かされる状態にされ、心や知性、理性などは正常なままにどこに歩いていくのか自分でも見当がつかない状態に等しい。いわば、脳の病気や脳の特異性で常人と同じ種類の分野で発揮される場合の行動力を発揮できない状態になる、よりも(・・・)酷い状態なのだ。

 その状態でさらに電子回路内でプログラムを正常に走らせているはずの電子部品をやられていて、バッテリー切れで強制終了を起こしたのならば、もはや何が起こったのかもわからないまま、どことも知れない場所にたどり着いたも同然になるだろう。

 

 車の運転で言えば、カーナビの誘導線がぶつ切りで明らかに通れない場所を通るようにも引かれている状態で、地図の画面表示もめちゃくちゃな進路を指定していて、しかも運転手ではなく車のほうがそれを実現させてきて、そのルートのどこかで車の運転が急に止まったかのような状態。

 車で帰ろうにも帰り方がわからない、そもそもカーナビも車も壊れていて正常に目標地点を設定できるかもハンドルに従ってくれるかもわからない・・・・・・全部直せても、迷い込んだ場所から車が通れるような道を走っていけるかもわからない・・・・・・ほら、もう榊遊矢くんが無事に帰れるのかも怪しいだろう?

 

 

 では、それら以上の最悪となる、よっつめの原因とはなにか。

 

 

 

 【遊戯王でよくある超常的な”なにか”】が原因である可能性だ。

 

 

 

 たとえば、《覇王龍ズァーク》の化身である榊遊矢・ユート・ユーゴ・ユーリの4人は、それぞれがデュエルモンスターズの精霊と語り合う能力らしきものと、化身であるお互い同士で何らかの現象を起こし合う特異性と、所持しているエース級ドラゴンたちの持つ能力を持ちあわせている。

 榊遊矢くんのエースは、「オッドアイの片目に異なる力を宿すことで、新しい力を生み出す能力」。ユーゴのエースは、「ドラゴンの意思によってのみ、自由に異次元を渡る能力」。

 ほか二人のドラゴンの能力はあるのかないのか不明だが、少なくとも赤馬零王が認識している情報を逆算して推測すると、それぞれの化身とドラゴンが統合されれば、デュエルの勝ち負けでないと倒せないという超耐性を得るらしい。おそらくは現代兵器が通用しないのだろう。

 《覇王龍ズァーク》ひとつをとっても、これほどの超常的な力があるのだ。

 デュエルモンスターズ側や榊遊矢たちの次元世界側になんらかの原因があって、この次元に迷い込んだのだとしたら、もうデュエルモンスターズが特別な力のない、おもちゃ、ゲームの道具でしかない我々の次元世界の技術力や方法論ではどうしようもない。

 

 もしも何らかの要因が、どこかで読んだことのあるような超常的存在に依る干渉をきっかけとした、非常にろくでもないものであった場合は。

 少し、私も本腰を入れて関わらなければならないかもしれないし、なにをやっても手遅れでしかないのかもしれない・・・・・・されども、その辺りは、榊遊矢くんとの情報共有を終わらせてから考えるべき案件だ。今から考えて不安になるような問題ではあるまい。

 

 

 

 最初のひとつめを除けば、どれもが気の遠くなるような話だ。

 

 しかし、「ふたつめまで」の原因でデュエルディスクがマシな損傷加減である可能性に賭けるしかない。運がいいところがあるとすれば、榊遊矢くんのデュエルディスクは単体では分厚すぎるタブレットのようにしか見えないということだ。

 誰がどこで直していようが、それほどの注目度を得られない外見で、見た目が一般的なイメージに従ったデュエルディスクではないおかげで、中途半端に遊戯王を知っている人間によって情報が漏れることはもちろんのこと、SNSなんかで拡散されることもない。

現代社会ならではの面倒な問題に関わらなくて済む、というわけだ。

 

 かつ私の友達は、皆、「本物の榊遊矢のデュエルディスクだ」と言っても、公園での自分と同じようにデュエルディスクに使われている素材や電子部品から推理すれば、一発で本物だと信じてくれるであろう技術屋たちで、かつデュエル馬鹿の集まりだということ。

 機械工学科の仲間たちはもちろん、電子情報工学科の仲間たちも、素材からはわからなくとも自作のマシンを作る経験から「これはありえないものだ」と気がつけるはず。

 

 それだけの根拠を見つけられるのが高専生、高等専門学校で同じテーブルの上で飯を食った友達の皆が持つ能力なのだから。本当にこれは信用に、いいや信頼に足る。

 後は誰が今直せるのかを確認し、直接渡しに行けばよい。メンテナンスさえ終われば、いつでも彼は元の次元に帰れる。できるだけ早い段階で終わらせてもらいたいものだ。

 

 

 

 それはそれとして。

 とりあえず客人をもてなすならば、菓子のひとつふたつは必要なので。

 

 

 

「ベーコンを挟んだホットケーキ・サンドイッチだ。

 今回はアメリカの伝統的な焼き方で作っておいた。当然、シロップも蜂蜜もある。

 ああ、あとインスタントだが紅茶、コーヒーも揃えてある。牛乳もあるからミルクティーもカフェオレも作れるぞ、飲み物は好きなものを頼んでくれたまえ」

 

「えっ、あのっ、いいの!?」

 

 ちょっと全力でホットケーキを作ってみた。

 

 

 

 問題は山積み、原因も最悪なものが可能性として浮かび上がる。

 そんなときこそ焼き肉・・・・・・ではなく、三大欲求を満たすのがいい。

 寝るもよし、食うもよし。それ以外もまあ、うん、うら若き中学二年生の美少年の前でそんなことを堂々と言ったり実行に移す馬鹿がいたら常識も良識もデリカシーもなさすぎて、人間の形をしていることのほうが凄いと思うが、やるなら独りで静かにだ。

 

 

 

 年下美少年の笑顔を見るのも、気分転換(リフレッシュ)には悪くあるまい?

 




 自分は、こう思いました。

「あれっ・・・・・・(ケース・バイ・ケースだけど)かなり無理ゲーにならねぇ?」



 異世界転移だろうが異世界漂流だろうが、手段がちゃんとした技術なら「御都合主義で帰れない」って考えるとやばいですよね。
 シンクロ次元編序盤の分断については様々な考察をしましたが、原因がこういうの(ディスクの故障など)だったら融合次元編で遊矢や赤馬零児たちがまとまって転移し、集団行動する事は無理になるでしょうし、おそらくは原作にあった分断は、新斗が推理した電子機器関係の問題を原因とするものではなかったのかもしれません。


 そう考えると、何やら。
 シンクロ次元での赤馬零児の動向が胡散臭くなりますねぇ??(杉下右京風に)



 なお、本作での遊矢のデュエルディスク。(零児のプランェ・・・・・・)
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