「おお、早速やってくれた様で助かるぞ、小娘」
「ならば毎朝起床時に窓を開け、詩織様は世界一ィ!と叫ぶといい」
「……新神にやらせておこうかの」
それはいい。
「で、時に神。私の精神的苦痛はどう責任取るつもりなのだろうか」
「えっ」
「なに、私からは要求しないとも。ただ、人に人殺しまでさせておいて電話越しの謝罪だけというなら私も付き合い方を考えなくてはならないと思ってね」
「……な、なにが望みかの?」
「耳が遠いようだね?私は要求しないとも。しかし『誠意』を示すことは出来るだろう?」
「百年払いとかダメかの」
「誠意の分割払いは受け付けていなくてね。ところで、神が死ぬ概念を思いついたんだが、試していいだろうか」
電話越しに慌てた動きが聞こえた。
あの小僧とか聞こえるが、大神の事だろうか。
「うむ、落ち着くといい」
「あ、あの、七海さん?」
電話越しの声が少女のものに変わった。
「何かね?」
「すいません、私がやからした新人なのですが……」
「ふむ。謝罪は要らないよ。人として当然のことをした迄だ」
やりすぎ感は否めないがね。
「ちょ、わしの時と扱い違いすぎないかの!?」
私の嫌いなものはジジイだと言ったはずだが。
まぁ、無視で行こう。
「では」
電話を切る。
すると、今度は束から電話が来た。
「ちょちょちょちょっと!あれ何!?しーちゃん使ってた謎技術何!?」
「その件に関しては次に会った時までの宿題にしとおいても?」
「んー、仕方ないなぁ、まぁ、ただで教えてもらえるとは思ってなかったし、私なりに仮説立ててみるね」
素直な束って変な感じだ。
「ふむではヒント。物理法則には反していないよ」
「うー、難しいなぁ……」
電話が切れた。
束、私を監視する暇があるなら一夏を見ていた方がいいだろうに。
「さて、私も教室に戻るか」
○
「おや、ツインテール。なるほど、今日は鳳鈴音の日か」
「んなーーーーーよ、ーーンタは!」
織斑先生が登場する頃合いだね、ちょうど。
「ふむ。・ーードアとは、望んだ場所に繋がっている」
このままでは間に合わないため、教室後ろの掃除ロッカーに近くのドアを接続。
教室に入ると、たまたま目の前にいた布仏さんがびっくりしたような顔をして私を見てきた。
「え、あれ、あれ?」
「世の中知らないことが幸せにつながる事が多々あるのだが、それでも聞くかね?」
「いやぁ〜びっくりしたよぉ」
切り替えが早い子だった。
「いつも思うが、キャラ作ってるね?」
「外道に詮索されたくないなぁ〜」
癒し系オーラを崩さぬままに毒を吐くとは中々。
「七海。大神は知らないか?」
「織斑先生。男には我慢出来ない時があるものだよ」
私の発言にクラス中の視線が一夏に向かった。
「ふむ。注目の的だね?一夏」
「お前俺のこと嫌いだろ!?」
「大好きだが?」
箒とセシリアが敵意の視線を向けてきたので笑顔をかえしておいた。
怯えた顔で目をそらされた。
「いいから席に付け」
「はい」