昼食。
ラーメン片手の中華小娘が食堂で仁王立ちしているのを尻目に暴動定食〜味覚への挑戦〜を平らげる。
一口ごとに意識が遠のく感じがなんとも。
「遅いわね……」
中華小娘がイライラしつつボソリと呟く。
目があってしまったので面倒ごとになる前に食堂から去ることにする。
「ふむ。どうしようかね」
部屋で概念武装でも作ろうかね。
となれば整備室にーー、あぁ、そうだ。
「更識妹に会いに行こうかね」
別に手伝う気は無いが、まぁ、行き詰まった時の話し相手くらいにはなれるだろう。
「さて、では必要なものを持って、と」
量子化って本当に便利な技術だと思う。
「では参ろう」
一人は、さみしい事だからね。
整備室。
幾つの整備室かは忘れていたので片っ端から開けて締めてを繰り返していた。
一際暗い整備室にモニタの僅かな明かりが見える。
ーーここかね。
「ふむ。ここならば集中出来そうだね」
わざと少し大きめの声を出して入室を宣言する。
明かりのそばでわずかに揺れた影があったが、そちらは見ない事にする。
まぁ、急に入って来られて急に話しかけられても困るだけだろう。
何回か入室し、まずは出方を見てからどう話すかを判断する。
理想は向こう側から話しかけられる事だが。
「おや、すまない。人が居るとは思わなくてね。少しスペースを借りるが良いかね」
「……別に」
そっけない事だね。
量子化を解いて材料を並べると、少しずつ概念を入れ始める。
「2nd-G概念兵器、月天弓などなかなかいいかもしれないね」
光とは力である、だったか。
「・ーー光とは力である」
うむ。体力の消費も無いから、あっているようだ。
これを弓型にした材料に浸透させて行く。
そのために昨日の夜に作った概念工具を取り出し、それを使って組んで行く。
「とはいえそのままというのも味気ないね。スターライトブレイカーなどという収束砲撃枠は間に合っているのだし」
「えっと……何を作っているの?」
更識妹が話しかけてきた。
思ったより早いね。好奇心は旺盛なようだが、全身から警戒心が滲み出ているぞ。
あと、背後から視線を感じる。
「兵器だ。光を集め、矢として放つ、ね」
「かっこいい……」
「ふむ。気に入ったようだね?ならお近付きの印に君に差し上げよう」
どうせ劣化版だ。
持って三発程度だろう。
「わぁ……! ありがとう!」
花が咲くような笑顔が見られた。
同時に背後からの視線に殺意が込もり始める。
「それは未熟な私が作った未熟な兵器だ。持って二回程度だろうから大事にしてやって欲しい」
「もちろん!」
その後お互いに名を名乗りあい、友人となった。
どうやら特撮やらのヒーロー系が好きだそうなので、今度なんか作ってみる事にする。
・ーーヒーローは遅れてやってくる
なんて概念はいいのではないだろうか。
三回を二回と言ったのはわざとです。