命の洗濯たる、風呂。
今現在、私の部屋のシャワー室は緑化現象が始まっている。
「ふ、ふふ、前世では夢にまで見た草の獣風呂……!」
4th-Gを構成していた概念、・ーー植物とは支配者である、を用いた草の獣風呂。
草の獣は汚染を吸い取って栄養として取り込む能力があり、疲労などを汚染と見ることで疲労を吸い上げて回復させる事が出来る。
『ななみ?ななみ?』
「ぐふっ!?」
六本足の草で出来たワニのような獣が小首を傾げて私を見ている。
デフォルメされたような外見がとても素敵だね?
可愛らしい見た目に実用的な能力、素晴らしい……!
「最高だ……!」
もうここで死んでも構わない。
ゆっくりと親交を深めて疲れも取れた。
「うむ、気分が良いね。それはそうと、鈴音戦はどう対応しようか。ぶっちゃけ反撃能力だけでなんとかなりそうだが」
とりあえずそれで行くのが一番か。
セシリアが観戦していたらトラウマが刺激される結果になりそうだが。
「私、この戦が終わったらセシリアとも鈴音とも仲良くなるんだ……」
『なかよし!』
「さすが愛くるしい草の獣……!」
心まで癒すとは……!
さて、そろそろ出るとしようかね。
その日は草の獣を抱き枕に熟睡出来た。
翌日。
信じがたい程疲れが無くなり、心なしか気分も最高だ。
「ふふふ、今なら世界征服だって二秒で可能な気がする……!」
やらないが。
朝食をとって教室に向かうと、鈴音が現れた。
「明日、第三アリーナに決まったから」
「そうかね。ご苦労」
「ず、随分余裕ね」
「ははは、今の私は凄まじく気分が良くてな」
鈴音は少し引き気味だ。
だが、そんなことは対した問題ではない。
「まぁ、勝つのは私、笑うのも私、だ。楽しみにしていたまえ」
「その自信、打ち砕いてやるからかかってきなさい」
通りすがりの生徒が怯えている。
が、私達は気付かず、或いは気づかない振りをしつつ笑顔を向かい合わせている。
「また明日会いましょう」
「まだ一日は始まったばかりだが……」
「もうすぐ始業だ。席につけ」
鈴音は本当に織斑先生が苦手なのだな。
引きつった笑顔は久しぶりに見た。
ちなみに、授業は開眼睡眠を活用している。
何、テストで満点取れば問題ないのだろう?
「あぁ、そうだ。七海が明日中国の代表候補生と戦うそうだ。場所は第三アリーナ、観戦は自由だ」
なんだ、イベントみたいになってるが。
「な、なんだそれ? おい七海」
「なに、売られたケンカは買った上で倍額で売りつける主義でね。今回もそれに近い」
セシリアといい、鈴音といい、どうも初見に対して好戦的だからね。
「まぁ、安心したまえ。私が戦う以上負けはない」
「七海、油断はするなよ」
「心得た」