寝ている一夏にファットケーキを食わせる作業を機械的に行う昨今、皆様どうお過ごしだろうか。
「うぐ、むぐ……」
しかし、こんな脂っこいケーキを寝てるとはいえ口に突っ込まれても普通ってなんだろうな。
まぁ、それは良い。
実はあの後面倒なことが起きた。
まさか、ユグドラシルを没収されるとは、ね。
なんでも、記録に乗っていないコアを使っている可能性が高いとかどうとかで、提出しないならば……と半ば恫喝された。
忘却の概念を作っても良かったのだが、それだとかなり面倒臭いのでやめた。
私としては悪臭の方が価値高そうな気がするのだが、どうにもISに頭が執着している頭の固い老害達には通用しないらしかった。
ーーこれだから老人は。
そんな事を考えながら半ば八つ当たり気味に一夏の口にファットケーキを詰め込む。
おっと、これ以上は健康にまずいな。
とにかく、今の私には専用機が無く、つまりそれは空を飛べない事を意味する。
X-Wiの開発を急がねば。
「ではおやすみ、一夏」
念のため明記しておくが、私は一夏の事が嫌いなわけではない。
ただ、自分の肌をしっかり見られてなんのアクションもないのが癪に触っただけだ。
まぁ、なんかアクションを起こしたら悪臭で叩き潰すかスターライトブレイカーで頭を冷やしていただくが。
乙女心は複雑だね?
あ、あと、遂に織斑先生が私に出席簿アタックをヒットさせるのに成功した。
鈴音のアレを見てヒントを得たようだ。
「しかも対衝撃概念加護がぶち抜かれたのだが……アレは人間かね」
全竜を建造して引きこもった方がいいだろうか。
いかん、それでも引き摺り出されてしまう未来が見える。
どんな人外だ……!
「と、ともあれ、X-Wiの開発だね。そしてユグドラシルの奪還作戦だ」
公式的にはユグドラシルの事は公開されていないので、奪還しても世界的な批判を受けることはないと思われる。
何かしてくるにしてもどうせ暗殺者とかイケメンを仕掛けるとか……ダーリントラップ?まぁ、とにかく、それくらいだろう。
それくらいなら先祖伝来の受けると妙に素直になる講義〜実技編〜を実践するだけだ。
ユグドラシルの行方は束に丸投げした。
というか、全部私に任せて。と絶対零度の声色を出されては何も言えない。
素直に提出するんじゃなかった。
「ここが……こうか。ふむ。金属部品には・ーー金属は生きているを使って補強だな」
補強どころじゃない気もするが。
ついでに翼の枚数を増やすか。
「十二枚翼とか中々神々しくはないかね。つまり概念を操る神たる私に相応しい……!」
テンション上がってきた。
結局、明け方になるまで開発を続け、ほぼ完成に近くなった。
作業高速化概念が無かったら一ヶ月以上はかかったな。
流れ的にラウラ辺りに喧嘩売られーーあぁ、その前にゴーレムだったか。
束が私の元にも送る、などと言い出したのを忘れていた。
なんでも、概念に関しての資料集めとか。
まぁ、知られて困る程複製が容易いものではないし、お望み通りに概念だけで相手しようかと思っている。
さて、時間はあまりないが、就寝するとしようか。