X-Wi改型については非常に残念な事が判明した。
十二枚翼展開すると、三分間でエネルギーがなくなる。
思わず光の戦士かと突っ込んだものだが、まぁそれはともかく。
二枚翼なら一日中展開していてもほとんど減らないのだが。
基本は二枚、大事な時に十二枚、だな。
出力も速度も相応にあるのだし。
「おっと、束からか」
どうやらユグドラシルがある場所がわかったらしい。
「私だ」
「×××県にあるよ。マーキングした地図を送ったから、それ見てね」
「了解。すまないね」
「ちゃんとジェノサイドしておいてよ?」
「了解だ。外出許可をとっていて正解だったな」
私は窓から電話しつつ飛び出した。
落下しつつX-Wiを展開、飛翔を行う。
「・ーー解り合えるものはない」
これで私を誰も認識できなくなった。
隠蔽も完璧だ。
「では参ろう」
トップスピードに持って行く。
流星のような速度を持って目的地に向かう。
「ここか」
束から送られてきた電子地図を見て、軌道を修正する。
邪魔なものは排撃するとも。
「さぁ、楽しもうではないか。・ーー文字は力を持つ」
空中に描く文字は光弾。
文字通り光る弾丸となって目的地ーー束曰く秘密の研究室に降り注ぐ。
中から蜘蛛の子を散らすように人間が現れるが、誠に残念な事に逃げる先々に熱で出来た壁が存在する。
よく見れば陽炎のように空間が歪んでいるのを確認出来ると思う。
しかし、確認するような余裕もないのか、躊躇いなく突っ込んで行く。
抜ける頃にはただの骨だ。
ちなみに周囲に撒き散らされるはずの熱はすべて地下に落としている。
・ーー余分な熱は地下に落ちる
概念様々だ。
正直、色々と嫌な気分ではあるが。
「ユグドラシルを返してもらおうか」
制服は非常に窮屈なのだ。
もはや修道服を着慣れただけなのかもしれないが。
軽く地面に降り立ってから正面玄関から侵入する。
誰かが攻撃してくることもなく、一つ一つの部屋をじっくり調べていく。
地下に降りると、暑かったので概念で耐熱性能を付与する。
ここもやはり、誰かが生きていることもない。
……やり過ぎたか。ユグドラシルは無事だろうか。
おや、こんなところに人間の蒸し焼きが。
「原型とどめているだけ良いね?外の人間は大体骨も残らないから行方不明扱いだからね」
最後の部屋にユグドラシルはあった。
装甲の一つも外れていない。
というか外す直前だったらしい。
倒れた人間のそばに工具が置いてあった。
なお、ユグドラシルを強引に分解した場合、分解した場所と同じ部分が分解されるようになっている。
装甲から丁寧に外せたならマゾヒストだね?
痛みはあるが血は出ないため、ショック死しか出来ないが。
「ユグドラシル、待機モード」
その場で制服を脱ぎ、焼いてからユグドラシルを待機モードである修道服に戻す。
落ち着く。
やはりこれだね。
「慣れとは、恐ろしいものだね」
しみじみと思った。