私は今、整備室にいる。
私の前に鎮座するのは巨大なドリルだ。
収束砲撃も可能にしたロマンごった煮の超兵器……の予定だが、どうだろう、今セシリアと鈴音タッグと戦うラウラにぶっ放してみるのは。
よし、そうと決まれば試射といこう。
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予想通りというか、なんというか。
セシリアと鈴音vsラウラが始まっていた。
ラウラの攻撃からセシリアを鈴音がかばい、鈴音は戦闘不能となる。
「鈴音さん、貴女の意思は無駄にはしませんわ。フルンティング!」
「はっ! そんなビット一つ増えたところで私を倒せるとでも?」
ふふ。
「タタクノ?カルノ?」
「狩猟の時間ですわ!」
「ワカッタノ!」
フルンティングを犬のように御してるぞあのお嬢様……!
「ぬ?お、うわ」
動きはフルンティングの自由意思に任せているらしい。
急角度の強襲、攻撃を受けて吹っ飛ばされたと見せかけて壁から天井に伝い登り、頭上から急降下したり、距離を離されればレーザーで脚を撃ち抜いたり。
しかも大体超高速。
「う、くっ……この……!」
自己進化概念により、こうして戦っている最中にも学び、自らを高め、追い詰めるために最適化していく。
まさに猫の狩猟。
……飼い主に忠実な犬みたいだが。
「私を忘れてもらっては困りますわ!」
しかし、そのおかげでセシリアも余裕が出来たのか、狭まる檻のような攻撃の穴を塞ぐ、見事な射撃でラウラの動きをさらに阻害する。
完全に猫に遊ばれてる虫みたいだ。
合掌。
「ーー何をやっている!」
おや、ここで織斑教師のヴァルキリーストップかね。
しかし、たかが自己進化兵器を一つ渡した程度でああも圧倒的になるものなのかね。
ふむ。少しだけ自重……しなくてもいいか。仲良く行こう、そうしよう。
つまり、ラウラとウキウキワクワクお話だね?
私も口下手なところがあるからね、ドキドキして来たね来たね来たね!?
ふふふ。
どんなお話といこうかね。
「さて。では準備に入ろうかね。人は弱ったところを優しくされると弱いと聞くのだしね。……弱ったところをさらに叩いても弱いが」
ふむ。人間は脆弱性が中々だね?
おっと、そんな暇はなかーー
「貴様、其処で何をしている……?
ーー元凶は貴様か束だな……?そんなところまで似ているのか……。話がある。来い」
「おり……むら……きょう……し……だと……」
ゆっくり逃げようと試みると、戦乙女の皮を被った戦鬼神が概念防護をブチ抜いて打撃を加えてきた。
……あれ、私無罪じゃ……。
再びの打撃に私は意識を失った。